もう、夏も終わり
朝と夜は、だいぶ冷えこむようになって
私とニアは、朝方になると
いつのまにか
どちらからともなく
寄り添って、2人で1枚の毛布にくるまるようになった
「…やがて、秋とは言え」
太陽をまぶしそうに見上げ
ニアがつぶやく
「日中は、まだまだ暑いですね…」
「そうだね」
季節はずれの海には
私とニア以外に、人はいない
「あ…」
「どうしたの、ニア」
少し前方を見つめて
ニアは、少し走るとしゃがみこんだ