美海の絵本

空の音

枯れ木の音に

風の音

あしたの音は

どんな色かな

影が私を追い越して

影が私を追いかける

影よどうか着いてきて

私の存在を印し歩いて

翔くんが帰り際

「美唯、あのさ、今の生活から抜け出したいか？」

「決まってるよ、でもそんな話、あり得ない」

「今日さ、俺んちに寄れないかな、母さんが飯食いに来いってさ」

「え、マジで？緊張するよ、それにママが」

そういうと

「大丈夫、俺ちゃんと送ってくから」

そして翔くんの家に着いた

家の中は食事のいい臭いがした

「あの、お邪魔します、望月美唯と申します、今日は食事のおさそい、、」

と言ったところで、翔くんのお母さんが

「いらっしゃい！そんな堅苦しくならないでいいのよ？まだ出来てないから翔の部屋であそんでてね」

「は、はいありがとうございます」

「行こう」

「うん」

翔くんの部屋はとても綺麗で

天体望遠鏡がおいてあった

「今度みせてやるからな」

「うん」

と

トントン

「父さんだ」

ガチャ

「いらっしゃい、翔、倒産の部屋にちょっといいか？」

「あ、お邪魔してます」

「うん、美唯、その辺のマンガでも読んでて」

「うん」

そうして

翔くんはお父さんの部屋に行った

暫く経つと翔くんが帰ってきた

「ごめんごめん」

と同時に

「ご飯よー！みんな降りてきてー！」

のお母さんのさわやかな声

キッチンに行くと、豪華な食事が待っていた

久しぶりに楽しくて美味しい夕食を貰った

「やべ、そうとう遅くなっちまった、送るよ」

「うん、あの、お片付けしないですみません！」

「いいのよ、またいらっしゃい」

家に着いた翔くんが一緒にいてくれた

ドアを開けると

ビシッ

母のビンタが待っていた

「こんな遅くまでなにしてんのよ！！」

「あの、すみません、僕の母が美唯さんを食事にさそいまして、連絡もせずすみません、でも娘さんを殴るのはどうかと思います！」

「うるさいわね！アンタに言われる事じゃ無いのよ！！」

ビシッ

マ、ママが翔くんを殴った

「やめてママ！！」

「早く出ていきなさい！」

そう怒鳴るとママは翔くんを閉め出した

そのあと暫くたってから

ママは私をも閉め出し

翔くんにはこんな事も言えずに

玄関先で一晩を過ごした

あなたの心はどこに？

と 言う前に

わたしの発言を振り返るべきだった

あの男が帰った様だ

私はキッチンに降りた

するとママが激怒した顔で

「美唯！さっきの無愛想な態度はなんなの！お母さん恥かいたじゃないの！あんたなんて！」

ママは玄関にあったホウキの枝で私の顔を殴ろうとした

とっさにかばったから腕に当たった

骨が折れるかと思った

それでも足りないママは平手で頬をぶった

反抗さえ出来なかった

もう食事なんて作らなくなったママ

仕方ない、コンビニでお弁当を買った

腕が紫色になってる

８時過ぎ、翔くんからメールが来た

「大丈夫か？」

「ぅん、、」

「何か変だぞ？嘘着いてないだろうな」

「ぅん、、今日はもう眠くてごめんね」

「わかった、ゆっくり休めよ、また明日な？」

「ぅん、おやすみなさい」

次の朝、翔くんと会える一心で、学校に行く支度をした

翔くんはいつものように壁にもたれて立っていた

私は顔を殴られた時にあざになってしまったからパットを当てていた

顔を見るなり

「どうした、そのパット」

「階段で転んだの、大丈夫だよ」

「見せてみ？」

おもむろにパットを剥がされた

「イタッ！」

「なんだ、美唯、このアザ！転んだ様なアザじゃないじゃんかよ、誰にヤられた！？元カレか？まだしつこいのか？」

「ち、違う元カレとはもう会ってない」

「じゃあ誰だ！」

「、、、、、」

答えられないまま少し歩いた
沈黙が続いた

「ママ、、、」

私は心臓が抜ける思いで話した

「マジかよ！顔だけか？他には？」

「バッドで殴られそうになって、腕でよけたから、腕が、、」

「なんだよもう、マジかよ！病院行こう」

「そんな事したらママにバレちゃう！大丈夫、大丈夫だから」

「大丈夫な訳無いだろ！あのさ美唯、病院が嫌なら保健室に行こう、じゃなきゃ美唯殺されるぞ？頼むから、俺の言うこと聞いてくれ、俺も協力するから」

コクン、、、思わず泣いてしまった

学校の保健室に行き
カーテンを広げてベッドで体を見せる事になった

「望月さん、あなた、いつからこんな暴行を？立派な虐待よ？」

保健室の脇では、翔くんが、中爺に事情を話しているのが聞こえた


「悪いが、お前んち、アレだよな、力を借りるかも知れんが、いいか？」

「はい、勿論です」

アレ？

アレって何だろう、、

てか、どうしよう

ママにされてた事

言っちゃった、、

ママに知れたらまたぶたれる