その日私は風邪を引いてしまって熱も38度
頭がくらくら喉も痛くて
でも空も見たいし翔も来るし
何故か会いたいと思うような気持ちが強まり
気休めでもキャンディーをほおばって、気球技に挨拶をして、家を出てしまった
翔が来ていた
「遅れてごめんね、寒かったでしょう」
「大丈夫だよ」
けほっ
けほっ
「咳が止まらなくて、でも大丈夫だよ」
「無理はするなよ?帰ろうか?いや帰った方がいい」
そう翔が言うやいなや、私は倒れてしまった
「大丈夫か?我慢出来るか?」
そう言うと、翔は私の家に私の自転車で送ってくれた
不幸中の幸いは天体望遠鏡を持っていなかった事だった
家について翔君がチャイムを鳴らした
「はーい」
「あの、土手に倒れていたんで送らせもらいました、熱があるみたいなので」
「あらまぁ!見も知らぬ方に送って頂いてありがとうございます、寒かったでしょう、少し暖まって行かれたら」
「あすみません、用事があるので、失礼します」
「お名前だけでも」
「三浦翔です」
そう言って帰った
この時点で私の熱は9度半ばになって
支えられて部屋に上がるのが、やっとだった