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今日の物語【キャンディー20】


なんて言おうか考えてる内に家についてしまった

どうしよう
試験の事、絶対叱られる

そう思いながら玄関のドアを開けた

やっぱりママが真っ先に出てきた

私はこもった声で

「ごめんなさい」

そう言うしかなかった

予想通り、ママは何故試験に間に合わなかったのかを聞いてきた

私は正直に答えた

ママは

ちょっと嬉しそうな顔で

「ママが思ったような女性になってくれて、ありがとうね?試験は次もあるもの。パパだってそう言うわよ」

予想外の発言にびっくりしてしまった

「あの、、仔猫は、、」

「こんな恐ろしい場所に戻す訳にいかないでしょ?!」

「やぁっったあ!!」

ある意味、試験に受かったよりも嬉しかった

パパは「良いことをしたな」と

お兄ちゃんは「仔猫抱きてー!」と

みんなが緩やかに私のしたことを認めてくれた

二泊三日の入院を終え、

私は翔と待ち合わせをし
病院に入った

調度ミルクタイムを終えた所だった

ミィミィ鳴くモフモフの女の子の仔猫を引き取った

翔と

「カワイイね」
「うん、カワイイね」

「名前は何にしようか」

「うーん、、可愛いのがいいよな」

「じゃあさ、お互いが頭に浮かんだ名前を、せーので言おうか」

「うんわかった」

せーの!

『キャンディー!!』

また二人して笑った

そんな笑い声も聞こえない様子で、キャンディーはケースの中ですやすや眠っていた







今日の詩\【きりのないめぐり】


人はなぜ

生き死にの事を考えるんだろう

考えたって答えは出ないのに



今日の詩[【曖昧なドール】


僕達は、曖昧なこの世の中で

右か左かを求めて生きている

曖昧なこの世の中で

今日の詩Z【意味】


意味なんて言葉は実は不安定な言葉で

私なんていても意味無い

なんて言葉をよく聞くけど

君がいるだけで意味があるんだよ

とか、具体的では無い慰めで

だから

僕は人に対してそんな事を言うのは
あまり好きじゃありません


今日の物語【キャンディー19】


いよいよ試験の日が来た
私はいつもより早く起き準備に取りかかった

仕事先に向かう翔からメールが入った

「落ち着いて、落ち着いてやれば綾なら大丈夫」
「うん、頑張るからね」

そうメールした後、私は地球儀に挨拶して
キャンディーを口に放り投げ受験先に向かった

心臓は壊れんばかりに波打っていた

このままのペースで行けば間に合う距離



今日の私には見てはいけないものを見てしまった


子猫が段ボールにいるじゃあないか
しかも仔猫の脇腹には細い棒が刺さってるじゃあないか

人混みの中
振り向いては素通りする人々

きっと誰かが助けてくれるよね

そう思って私も通りすぎた

だけど五歩進んで私は仔猫の所へ戻った

駄目だ、試験に間に合わなくなる

でもほっといたら確実に死にそうに見えた


んーー!!!
だぁっ!!

私は心の中で叫んで段ボールごと人づてに聞いた動物病院に連れていった

手術が始まった

私は時計を見て

終わったと感じた

変な気が抜けた気分だった

手術は無事成功した

のら猫と云うことで
手術代は免除になった

先生が聞いてきた

「これからこの子の宛はあるの?」

「い、いいえ」

「困ったねえ」

「私が飼い主になります!」

ホントにとっさだった
何も考えてなかった

ただ

見離すわけにはいかないと思った
それだけだった

先生は良い人で、

「おい、仔猫さん、良かったな、入院費はいらないから、お姉さん、この子を頼むな
二日も入れば退院出来るから」

そう言った

昼休みの翔から電話が入った
「試験どうだった?」
「ごめん、」
そして今日の出来事を伝えた

翔は笑いながら

「綾らしいや、また半年後に試験があるから、その時頑張ろうか!猫可愛いか?」

「うん、まだまた小さくて可愛いよ」

「そか、俺明後日仕事休みだから一緒に迎えに行こう」
「うん」

そういって電話を切った

後はママに何と言うかだった


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