こう思うのは俺だけじゃない。
きっとあいつも………


「お〜い。ゆーうーくーん」

「なんだよ翔ちゃん」

「俺今日部活休みなんだけどさ、放課後図書館行かねぇ?」

「翔ちゃんそんなに勉強ばっかして嫌になんないの?」

「理系のお前の頭が必要なんだよ〜協力してくれよ〜」

「はいはい、わかったよ」


翔ちゃんとはあいりと同じで
小さい頃から同じサッカークラブの
幼馴染と呼べる存在。

そして俺の親友とも呼べる存在。


俺たち三人には秘密はない。
……だけど俺には秘密がある。


はっきり聞いたわけじゃないけど
きっと翔ちゃんはあいりが好き。

あいりを見つめる愛おしそうな目も
あいりのことになるとすぐ心配しちゃうところも
あいりが笑ってるとそれと同じように笑うところも
本人は幼馴染だからだよ。って苦しそうに笑うけど、大好きな翔ちゃんの恋なら俺は全力で応援したい。


だけどそれと同時に痛いほどにわかるあいりの俺への視線が苦しくてそれを考えないために休み時間のたびにここにくる。






「失礼しま〜す」

「失礼しま〜す。っていつもじゃん」

「まぁいいじゃん、ね?せーんせい」

「佐藤くんっていつも来るけど先生のこと好きなの〜?」

「ん、そういうとにしといて。じゃ、ベッド借りるね」


もぉ〜っていう先生の横を通り過ぎていつもの窓際のベッドに転がる。

俺があいりの気持ちに気づいたののは小学生の時。

理由はわからないけど直感でそう感じたと同時に翔ちゃんに対しての複雑な気持ちを抱いたのも覚えてる。

だから俺は二人の良き幼馴染でいようって決めたんだ。






ほんとはね、気づいてたよ。
俺が1番苦しいってこと。
だけど俺には大好きな二人を悲しませることなんて出来ない。
だから全ての悲しみは俺が背負うから、だから二人はずっと笑っていて?





「佐藤くん?先生ちょっと戻っ……きゃっ」


「先生………ちょっとでいいから、こうさせて」




ねぇ、あいり。あいりはずっとずっと笑っていてほしいんだ。
昔からずっとあいりは俺の太陽だから。