どれが正しかったとかわからない。
だけど俺には君の笑顔を守るしか考えてなかったんだ………。


「んっ、ちょっ、ダメっ」

「はぁっ、はぁ、なんで?」

「ここっ、保健室だよっ?」

「……あっそ」

「佐藤くんっていつも優しくて人気者って感じだけど本当は1人で抱えてるんだね」

「抱えてなんかないよ」

「私にはわかる。何年先生やってると思ってんの〜?」

「ふっ、なんだそれ」

「あ、やっと笑った〜。私でいいならいつでも話聞くよ?」

「じゃあさ、先生。俺と付き合ってよ」

「え?なに……言って「お願い」」

「私先生だよ?バレたら……」

「大丈夫。絶対バレないし、バレた時は俺が責任を取る」

「ねぇ、どうしたの?」

「忘れたいんだ。全て。それを埋めてくれるの俺には先生しかいない」


きっとこれが最初の強がり。
目を潰れば溢れてくるのはあいりの笑顔ばかりで、それと同時に翔ちゃんの笑顔も焼き付いてる。

先生のことも嫌いなわけじゃない。
好きか嫌いで分ければ好き。
俺の暗い闇を一緒に抱えてくれる先生に甘えちゃったんだ。



「ほんとにいいの?」

「ああ、先生がいい」

「私先生である前に女だよ?勘違いしちゃうよ」

「ん?じゃあ勘違いじゃないってこと今から証明してもいい?」

「え?」

「しっ。…黙って…先生…Hしよ?」

ただただがむしゃらに抱いた。
何かを忘れたくて苦しくて
先生を抱いてる間俺の脳にはあいりの笑顔しかなかったから。



「(ねぇ先生、ごめんね?)」


何度も何度も泣いた俺の心を
抱きしめてくれたのはあいりじゃなくて先生だった………。