目に映らなくてもいい
君が安らぐ場所が私であるなら……
「はぁっはぁっ……ダメぇっ」
「もっとっ……感じて」
「あぁっ、ゆ…っう、だめっ」
「もうっ、イクよっ?」
「あぁぁっ…はぁっ、はぁ」
「今日も凄かったね」
「ほんと高校生の体力ありえない」
「先生だってまだ若いじゃん」
「ちょっとぐらい休憩してよ」
「はいはい。次はね」
そう言ってシャワールームに行く
佐藤くんの背中を見ながらため息。
私と彼は絶対に関係を持ってはいけないのになぜか彼の、佐藤くんの目の奥の寂しさを見たあの日から1人に出来なくなる。
これが母性なのか同情なのかはわからないけど、佐藤くんに抱かれてる時、寂しさや不安やもどかしさを彼から感じながら、大丈夫だよ。ってなだめるように私は抱かれる。
周りから見るとおかしいのかもしれない。
でも今の私は彼の1番の安らぐ場所ならそれでいいと思ってしまう。
これ以上の感情を持ってはいけないし、彼を突き放すことも出来ない。
いや、突き放せない……だって…
「先生?シャワー浴びる?」
「ん?そうしようかな〜」
「じゃあ俺と入る?」
「え〜やだ。シャワーだけじゃ終わらないもん」
「いいじゃんか〜ねぇ〜」
「だーめ。先に寝てていいよ」
「ねぇ、先生…ありがとね」
ほら、またそうやって寂しい顔するからさ、私の心はあなたのSOSに手を伸ばしちゃうんだ。
「佐藤くん。やっぱ一緒に入ろっか」
「うん!」
あなたが笑ってくれるなら
笑っていてくれるなら
私は気づかないふりを続けるよ?
あなたの思いに。