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庭球物語(意味不明な文注意!)




「あいつが好きだった、」



ぽつり、ぽつりと話始めた彼女はそう言って話終わった。

膝を抱えて、顔を埋めて。
震えているようにも聞こえるその声は、俺の耳によく馴染む。

大好きな、大好きな彼女の声。


「…柳、ごめん…聞いてくれて有難う」

「………俺に、可能性はないのか?」



何度も、言って来た言葉。
答えはいつも、泣きたくなる程、哀しくなるようなものだったが。


「………」


無言の返事は、いつもと同じ。








「やな、ぎ」



…いつもと同じはずだったのに、








「柳、柳はさ。好きな人がいて、自分と両想いだったら…幸せだよね」

「…当たり前だ」

「じゃあ、もし…もし、自分がどこか遠くに行くことになって、もう一生会えなくて、連絡も取れなくなったら…どうする?」

「どうする、とはどういうことだ?」

「好きな人を、連れてもいけない。もう会えないし、連絡もできない。そうなっても、好きな人の中に自分を残す?縛りつける?」

「……俺なら、残すだろうな。忘れさせたりは、しないだろう」

「そか。あたしは、忘れてくれって頼むよ。新しい人を好きになって、幸せになってほしいから」


立ち上がった彼女は、逆光でよく見えない。でも、儚く、今にも消えてしまいそうで。
思わず、腕を引っ張って自分の腕の中に収める。
彼女の存在を確認したくて、力強く抱きしめた。

免疫がない彼女はいつも顔を赤く染めて、慌てているのに今日は何も起こらない。
今日の彼女は、何かが可笑しい。



「……柳、離して。もう帰らなくちゃ」

「どこに…?」

「……家に、ね」


するりと腕を抜けて、彼女は俺の元を去った。
















――…それが、俺の記憶に残る彼女の最後の姿。








*****


柳…夢?


庭球にトリップしてきた少女が、帰ってしまう話。


.

リンネテンセイ?何それ。6



結構急展開。



.
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裏切りに裏切りを重ねる。2




三番隊に新隊長が就任して一週間が経った。
特に大きな問題もなく平和な三番隊に、合同演習の話が舞い込んできた。





「――…と、言うわけで。吉良、後宜しく!」


立ち上がる鈴の首根っこを吉良が掴む、とても副隊長とは思えない行動だった。


「鈴さんっ、逃げようとしても無駄ですよ!全隊に話を通してますからね!どこへ逃げても無駄ですからね!」

「ぜぇーたいっ可笑しい!!何であたしが木刀持たなきゃいけないのさっ!隊長だよ!?あたし隊長!!」

「隊長だからこそ、隊員の前で手本を!!」

「あたしの斬術は実戦向きであって演習向きじゃない!言ってしまえば更木と一緒!!」

「ワガママ言わないで下さいっ!それに鈴さんはちゃんと手加減が出来ると浮竹隊長がおっしゃっておりました!」

「浮竹の馬鹿ぁぁああ!!!」





「市丸より大変そうだな、今の三番隊は」


一部始終を見ていた合同演習を申し込んだ十番隊―――日番谷の目は遠い。
乱菊はお茶をすすって言う


「何言ってんですか、隊長。ギンは真面目に執務してましたよ?」

「人間性の問題だ」

「あー…鈴はお母さん≠フイメージ強いですけど子供っぽいですからねぇ」

「…同一人物には見えねぇな」






果たして、無事に合同演習を行うことが出来るのか。












―――――――――



そんなの私が聞きたい。



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裏切りに裏切りを重ねる。(脱色)

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――不在だった三番隊に新隊長が就任した。




「あぁもう!思いっきり遅刻じゃんか!!綾瀬川とか起こしてくれれば良かったのに!!」



瞬歩の連用を繰り返しながら、三の文字を背負う少女。
器用に髪を結いながら格隊隊舎の屋根の上を駆けていく


一番隊の門を抜け、隊長が集まる部屋に飛込んだ






「お、っくれました!ぜぇー…はぁ…ごほっ」

「遅いぞ、鈴」

「すいま…せんっ、ガチで寝坊しました!」

「…知らぬ者など居らぬだろうが、新三番隊隊長の白雪鈴じゃ」


息の調子を整え、深呼吸を繰り返してから少女――白雪鈴は背筋を伸ばす。


「元十一番隊四席の白雪鈴です、至らぬ事も多々あると思いますが宜しくお願いします」


ビシッとお辞儀をして周りを見る。


世界が変わった気がした、いつも逃げていた隊長職はやっぱり逃げたくなるような世界なんだろう
勢いで隊長になってしまったけれど人の上に立つことが苦手な私に隊長が勤まるのだろうか。考えただけで気が遠くなりそうだ





「隊長の内6人が推薦。後日、本人に通達、了承を得た。
よって、本日付けで十一番隊四席を三番隊隊長に昇進じゃ」



解散。

その言葉と同時にほとんどの隊長が頑張れと応援の言葉を掛けてくれて部屋を出ていく。



「きーら」

「…隊長」


いざ真面目に顔を合わせるとなんだか気恥ずかしくて互いに苦笑、隣を歩いて三番隊に向かう。


「鈴で良いからね、呼び方」

「でも、隊員に示が…」

「隊長命令でどうにでもなる」

「職権乱用ですよ、それ」

「気にすんな、それ位。あたしの知ってる隊長は仕事せずにあたしに怒られてたし、隊長って呼ぶなとも言ったし、なにより三席だったあたしを隊長専属にしやがった」

「…」


なんでこう周りにはそんな迷惑な隊長ばかりいるんだろうか…


「………何で、皆勝手にどっか行っちゃうのかしら。」

「え?」

「あたしの好きな奴も、親友も、友達も、みーんなどっか行っちゃって、あたしだけ置いてかれて。
遂にはギンまで藍染に着いて行くし」

「……そう、ですね」



市丸隊長は……

表情が暗くなる吉良に、あたしは前を向いて言う



「仕方ないから隊長になってあいつら見返してやるんだから」

「え、そういう理由なんですか?」

「うん」

「…鈴さんは、何年も前から実力も、実績もあったんですよね」

「んー…正直、この100年近く、まともに戦闘に立ってなかったから腕は鈍ってると思うよ。
それに鬼道は壊滅的、白打も斬術も吉良と大して変わらないと思うし…」

「そんなこと……」

「そんだけ吉良が成長したってこと。ほんと、強くなったよ」

「…有難うございます」

「ま、こんなのだけど宜しくお願いします」

「こちらこそ!宜しくお願いします」







――…不在だった三番隊に新隊長が就任した。


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リンネテンセイ?何それ。5



平子と鈴の話。



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プロフィール
キサさんのプロフィール
性 別 女性
誕生日 8月11日
血液型 B型