小説風にブログを書こう。

今回の更新内容は、本来のデリケートな内容なので、少しでもコミカルに感じる様に(?)小説風にしてみましたヽ(・∀・)ノ


○小説風に自由にブログを綴ってください。
ルールなどはありません。短文でも長文でもご自由にどうぞ。

 その日は寒い夜だった。仕事はいつもより早く終わり、早く帰れることが嬉しいわたしの足取りは、どこか弾んでいた。

 たまたま、近くで買い物をしていた母と待ち合わせをして、一緒に帰宅。 帰るなり荷物を置いて、いそいそとルームウェアに着替え、リビングのソファーに座って一休み。このリラックスできるひと時がたまらない。

”こんな日の夜は、特別な気持ちでいたい。”

 そう思い、音楽でも聴こうと、パソコンを起動すると、とあるインターネット記事が目に飛び込んできた。

「死にたい、という投稿をするのは、構ってほしいからだと思った、か・・・・・・」

 パソコンを凝視したまま、わたしは思わず呟いていた。

「それが、どうしたん?」

 と、同じく座ってリラックスしていた母、夢子が尋ねる。

「いや、実際に作って投稿したことがある身としてはわからんでもないのよね」

 わたしは自分の黒歴史ともいえる、痛々しい過去を思いだしながら、苦笑してしまった。笑うことができるのも、もはや自分にとっては過去の出来事だったからであり、もし今も同じことをしていれば、苦笑といえども、決して笑えない。

 たまたま気になったニュースは、最近起こった、残酷で猟奇的な殺人事件から派生した記事だった。SNSで若い人が死にたいという投稿をする・・・・・・そこに隠れている気持ちは、構ってほしい、というものであり、決して本当に死にたいわけではない、という推測を元に書かれた記事だ。

「そういえば、そうやったねぇ」

 夢子が、過去を思い出して呟くように言った。

 思わずしまった!と、わたしは焦ったが、あとの祭りだ。ひとりっ子ということも関係しているのか、わたしと母は仲が良く、親子というより何でも話せる親友のような関係だ。だからこそ、わざわざ愚痴を呟くためのアカウントをSNS上に作った話も、あっさりと自分からしてしまったのだろう。正直、思い出されたくない過去である。母の心に、過去の私の姿はどう映っていたのだろうか、背中からじわりと恥ずかしいような、後ろめたいような気持ちが這い登ってくるかのようだった。

「あ、わたしったら、愚痴アカウントを作っていた時のこと、夢子さんに言ってたっけ?」

 何とも間抜けな返事だなぁ、と我ながら思う。それでも夢子はお構い無しだ。

「うん。でも誰にも見せないんだ〜って。だから鍵をかけて投稿してるって言ってたやん。それじゃあ、誰にも構ってもらえないわ」

 その口調の中にあるのは、嘲笑でもなく、憐れみでもない。ただ過去を懐かしんでいるかのように感じた。そして、確かに過去、わたしは夢子に、所謂愚痴アカウントを作ったことを話した。その瞬間までありありと思い出したのだ。

 こんなに温かみのある口調で言われると、決して穏やかな話題ではないはずなのに、こちらまで懐かしさを感じてしまう。

「あぁ、あったねぇ。実はその後も、何回か作ってたよ。当時はPMSでわけもわからず苦しんでいたから、本当に楽になれるのかなぁって思いながら。普通に誰にでも見れるものもね。だけどなぁ・・・・・・」

「あら、ほんまに?それで?」

 僅かだが、母は驚いたようだった。

「わたしの性格上、続かなかったね」

 へらっと笑ってしまう。そう、わたしがやめた理由はなんてことはない、ただ単に、ネタ切れで続けられなかっただけなのだ。PMSという、人生の半分を使って、未だに苦しんでいる体質ともいえる病は、わたしの心に深い影響を与えてきた。PMSという言葉も知らず、なぜこの様に感じてしまうのか、理由すらわからない、死にたいと思うほどに辛い日々だったが、それでも悪い事ばかりではなかった。なおもわたしは語る。

「暗いことばっかりなんて、そうそう書き続けられないよ。

それにね、仮に、仮にネガティブなことを投稿して、優しい人が声をかけてくれたとするでしょう?

そしたらね、優しい言葉をかけてもらえて、少し心地よくなるでしょ?しまいには、またネガティブなことを書かなければ、自分は構ってもらえない、と思い込んでしまうことになると思うの」

「あぁ・・・・・・そうか!」

 ハッとした夢子は、本当に聞き上手だ。こんな調子だから、わたしはついつい何でも喋ってしまうのだろう。

「ネガティブなことを投稿するのは悪くないと思う。どうして良いかわからない気持ちを吐き出したくなる気持ちはよくわかる。でも、それを構ってもらう為の材料にしてしまうと、永遠に明るいポジティブな気持ちより、ネガティブな気持ちの方が心に残るし、永遠に幸せにはなれない

きっと、自分で認めてあげたら良いんじゃないかな、ポジティブになれる日があっても良い、ネガティブになってしまう日があっても良い。そもそもそれが人生ってもんでしょう?」

「なるほどねぇ」

 と言いながら、夢子は立ち上がった。そろそろ夕飯を食べよう、という合図だろう。今日はどんな夕飯かな、と楽しみにしつつ、わたしも立ち上がる。わたしが立ち上がったあと、パソコンの画面は、本来の目的であったクラシック音楽を再生していた。


○最後にひとこと。

難しかったですー(>_<)
でも頭の体操にはなりましたね!(*´ω`*)


お疲れ様でした。


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