やっぱり、優しいだけでは
大切なものは、守れなかったよ。
このように、とりわけ長所があるわけでもなく
平凡、と評するにもまだ、歪なかたちのぼくには
ただひたすらに、深く、深く、努力を続けていなければ
存在することさえままならない、
そんな気がしています。
つよくなること、おとなになること、
いつまでも終わりのない、心の中の話をしている。
朝の来ない夜を、泳ぎ続けるように。
薄氷に触れれば、じわりと溶けていく
その感覚は
冷たすぎてまだ
春、とは思えないな。
どんな色に溶けたとしても
きみのこころであれば、ぼくは
必ず見つけ出してあげるからね。
とりわけ長所があるわけでもなく
普通と言うには歪すぎる
ぼくらでも
誰より努力したり
いつも笑顔でいたり
しなくたって生きてていいだろ。
雪が溶けたあとには、春が来て
雪の色にそっくりの、
きみに似た、小さな花が咲くよ。
きみにそれを直接教えてあげられないのが
ぼくはとても寂しいです。