「これは、間違いだよ。」
「分かっているから、大丈夫。」

大丈夫じゃなかったのにね。いつも。

ひとりきりの道を歩いた。
あんなにうるさかった音楽は、もう聞こえなかった。
終わったんだな、と思った。

夕焼けの赤が空に優しく降りてくる。
大丈夫だよって天使のように笑う。
でも、ぼくは天使じゃないし、
優しくないし、
大丈夫じゃないし。
いなくなればいいとか普通に思うし。
きみだって大丈夫じゃなかったから行っちゃったんでしょ?って
聞きたいよ。

聞きたいよぼくはきみに、
ほんとうは何がほしかったの?
それ、向こうでは手に入るの?
ぼくもね多分、きみと同じもの探してるんだよ。

毎日毎日、知らないうちに行き先の変わる電車みたいだね……。

夕焼けの赤が空に優しく降りてきて
ここにこれだけ探してないものは、向こうにもない気がするんだ。
言葉はきっと届かないから
祈っているよ、ずっと
きみが寂しくないように。