はらはらと一羽の羽が落ちる。
朝日の、きらりとした光と共に。
少しずつ抜け落ちていく、これはカウントダウンだからね。
失くしていってしまう気持ちのこと、寂しい、ってきみは言った。
優しいねって言われるひとは、みんな天使の羽を持っていて、優しく舞う度に、背中から一枚ずつ引き抜いて、神様に捧げているんだ。
贖罪みたいなものなんだよ。
みんな、故郷の国がどこかにあって、そこにほんとうの居場所があれば良かったのにな。
言えない気持ちは当然のようにそこにあって、みんなそれを隠しながら、きらきらひかりを空に投げている。
曲がりくねった道の途中で
誰もが光を見つける道の途中で
間違えて死んでしまった馬鹿なぼくを、あなたは決して責めなかった。
間違えて映ってしまった気持ち悪い景色のことを、
大切にしようね、と包んでくれた。
あなたが包んでくれた、拙い自分とともに、ぼくは明日を行きます。
舞い落ちた美しい羽を空にかざして
寂しい、ってきみは言った。
(この光は、寂しさだったんだ。)
冷たい指先に温かい息を吹きかけて
いつか来る春のために。