龍青群



家康と三成:戦国BSR
2016.4.15 18:53

豊臣傘下時代


「すまない、これはなんだ?」

半兵衛様からの遣いで城下に来たのだが「暇だから」と徳川家康もついてきた。直々に任されたということもあって無論こんな男を同伴など許可するつもりは毛頭なかったが、「連れててってあげなよ」と半兵衛様が仰るから仕方なく連れてきてはやったが、邪魔だ。
並ぶ露店一つ一つ止まり店主の話を聞き始める。帰りの道中も同じだったのでいい加減痺れを切らし首根っこ掴み何か言う家康を無視し城下を抜けるまで引っ張った

「貴様!戯れるのも大概にしろ!」

「話を聞くくらいいいじゃないか。それにしても大阪は凄いな。三河も活気に溢れているが、珍しいものが多く並んでいる。商人たちも商売し易い環境だな」

「当たり前だ秀吉様が収めている土地なんだ」

「そうだな…あ、雨」

冷たい雫が頬を撫でた。空を見上げるといつの間にか灰色の雲に覆われている。
朝から空模様が悪いから気をつけろと刑部に言われていたがやはりこの男といると碌なことがない

「神社がある!とりあえずあそこで雨宿りしよう!」

半兵衛様から承った荷物を濡れない様に着物で隠し、バシャバシャと走っていく家康の後を追った


神社の軒下に着いた時には雨はいっそう酷くなっていた。
ついた露を払う。前髪が濡れて重たい。

「本降りになってきてしまったなぁ」

ヘラヘラと笑う家康も雨に濡れ前髪が下がりいつも見せる幼い顔を覗かせていた

「貴様が一々足を止め道草を食ったからだろう。本当ならばとっくに帰参していたと言うのに」

「でも楽しかっただろう?偶にはこう言うのもいいじゃないか」


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友人から出された「雨」のお題で書いたものの没案
続き書かないけど勿体無い病なので



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