話題:漫画の感想

『潔く柔く』/いくえみ綾
いくえみ漫画のちょっと物足りない感が味だなーと思う。静かに満たされるような温度が心地好い。
みんな人間臭いのに生々しくない、どこかほわんとした空気感が独特で。

1巻の「カンナちゃん いくよ」のシーンが一番印象的で、一番好きな話は一恵ちゃん×清正君。ラストシーンのキヨがすごく好き。繊細というよりはむしろ豪快な印象の彼だけど、儚げな桜が似合っていて惚れ惚れしちゃったなぁ。最終章で再登場する彼はずいぶんこざっぱりとしてしまっていて、高校当時のちょっとどきりとするような色気が削がれていたのには残念な気持ちに。。男の人には珍しく、彼は長髪の方が絶対魅力的!
それにしても、「男子と女子」の時代ってまぶいねぇー。いいなぁ高校生。少女漫画読んでるとそんな羨望が強烈に迫ってきてじたばたしたくなる!

話は変わってカンナちゃんモテモテだなぁ。黒目がちで今にも泣きそうな瞳とほっとけないような儚なげな雰囲気が男の人を堪らない気持ちにさせるんだろうね。その実結構意地っ張りなところが人間味があって安心する。あと結構したたかなところも。

なんか今読み返すと、あったかく心に沁みて泣きそうになるな…。じんわりといった表現が似合う漫画。どの回も、最後のページが残す余韻はじんわりと生きる活力を与えてくれる気がする。いくえみさんの表現の仕方と描く線は今まで読んできた漫画の中で一番好みかもしれない。

なんてったって、いくえみ男子が素敵すぎる。
潔く柔くの中で一番好きな人は古屋君かなぁ。アフロからのあの変貌には漏れなくときめいた。ほどよくお洒落で力の抜けた服装も好みだし。いかにも草食系に見えて結構強かそうな性格も。あとキヨの高校時代、もっと言えばラストの大学生(?)キヨのビジュアルもかなり好きだ。


めっちゃ嵌った!ってわけじゃないんだけど、いくつになってもふと読みたくなるだろうからずっとマイ本棚にあってほしい。
なんかね、その時の自分の年齢や環境によってそれぞれの登場人物や話に対する印象が変わってくる気がするからそれが楽しみでもあり手放しがたいんだ。他のいくえみさんの作品にも興味津々。いいよね〜本当に味わい深いものを描く人だと思う。