泣き虫道化師 。

◎ 父親


大っ嫌い。

父親が働いてこなければ、わたしたちは暮らせなかった。
それは確か。
でも、だからってあの人が家族を大切にしていたわけではない。
自分の買いたいものは好きなだけ買って、やりたい放題。
一時期帰ってこなかったときだってある。



いきなり車買ってくるは、酒飲んで怒鳴り散らすは、家族の話なんて聞きやしないはほんとに最悪。
そのくせ、外にはいい顔してへらへら笑ってる。


あの人と同じ血が流れてるかと思うと、自分が嫌になる。



助けてくれる人なんて誰もいない。
わたしが、しっかりしなきゃ。