黒く滲む、雨ノ音

変な声が聞こえるよ
なんて言ってるか聞き取れなかったけど
気持ち悪い声が聞こえた
気のせいなのかな

メール送りたいけど
電話したいけど
自分が身勝手すぎて
なにを書いていいかわからない
本当は、
ごめんなさい、通話しようよ
って言いたいけど
それってすごいわがままだ

ちょっと落ち着いた
もうすぐ眠れそうかな

でも、考えれば考えるほど
どんどん怖くなっていく

寂しいっていうより怖いんだよ
寂しい、悲しい、そういう気持ちももちろんあるけれど

なにより、大切なひとが自分の傍からいなくなることが怖い

だって、その人との時間の今がなくなって過去になってしまう
過去にしか、思い出の中にしかその人がいない
未来もそう、その人と出会ってから思い描いた未来、
今思い描くのはその人が私の傍にいる未来なのに、
その人を失うことでただの夢で終わってしまう
自分の未来にその人の姿がなくなる 

それがなによりこわい 

やだな
さびしいな
こんなんじゃ眠れないから
シュシュと指輪つけて
ベッドに入ろう
そしたら眠れるかな
安心、できるかな

いかれてる
こんなときに狂った笑いが込み上げてくる

そしてカミソリの切れ味が尖すぎて
ちょっと驚いた

タオルを切りつけたらその下にあった太ももまで微妙に切れてしまった
タイツも切れた、最悪だ

もう、なんだろうね
やだな、やだな
別れたくないな

やだよこのままじゃ本当に切りそうでこわい

別れたくない

助けて、誰か助けて