私が何故、身代わりと言われたか?
彼には婚約者がいたらしいですよ。
だけど、私と出逢う半年前…喧嘩して別れてしまったらしいです。
でも、新居にする住居を既に借りていて…それをキャンセルするわけにはいかなかった。
とりあえず代わりの人(彼の祖母)を入居させたものの、その人の住居も既に押さえてあった。
だから私と結婚させた…と。
要はキャンセル料を払うのがイヤだったんですねぇ…
でも、それだけなら、私も彼の否定の言葉を受け入れていたかもしれません。
けど…彼は、事あるごとに、私と前の彼女を比べました。
結婚前…私と付き合ってる間に、前の彼女に会った…彼女の家に行ったことも彼本人から聞いています。
そして極めつけ…彼の母親が再婚し本家に引っ越さなくなった時…私、見ちゃったんですよ…
倉庫に眠る数々の彼女との思い出の品…彼の部屋にある彼女のアドレス…写真…彼女の名が入ったグッズ…交換日記…
そして、それを私の前で平気で使い続ける彼…
一応、捨ててくれと頼んだんですけどねぇ…ダメでした。
だから…ああ、この人は前の彼女が好きなんだなぁ…と思いました。
私は彼女の身代わり…
それ以来、私が彼に笑顔を向けることは、なかったですよ。
いつも軽蔑した目で見ていたと思います。
そうだなぁ…欲しい物を買ってくれた時くらい?
私が笑顔になるのは。
何故か彼は物だけは買い与えてくれたんですよ。
要らない…と言ってもね。
後にそれは、彼が私の笑顔を見たかったからだと知りました。
彼が泣き叫ぶような声で言ったんですよ。
「お前は他の男にばかり笑顔を見せて、俺には見せてくれない!」って。
当時は、この人バカか?と思いましたけどね。
だって、私から笑顔を奪ったのは、他ならぬ彼だったわけですから…
(厳密に言えば、彼を取り巻く人間のせいでもあります。特に姑…)