純白(?)物語9

不安な時…夢を見る。
必ずと言っていいほど、一度は夢を見る。
お兄ちゃんと居る…幸せな夢…

でも昔は、親に反対されているようでコッソリだったのが、今は、けっこう祝福(?)されている夢が多い。
やっぱり今でも、お兄ちゃんが殴られるのはイヤだからかなぁ…

でもね…夢から覚めると、苦しいんだ。
まだ夢を見ることに罪悪感を感じる。
それに、せつなくて…苦しくて…泣きたくなるんだ。
会いたい…でも会えない…二度と…

現実は残酷だ。
どんなに想っても、どうしようもない気持ちがある。
それに…2人とも歳をとったわ。
もし会えても…きっと幻滅する。
夢は…あの頃のままだからね…

私は、お兄ちゃんに恋をしているのか?
と問われれば、それは分からないとしか言いようがない。
確かに居心地がよくて幸せだったけれど…
それに憧れはしていたけどね。
だって、賢くて、カッコ良くて、オシャレで、面白くて、優しいんだよ〜
私は、世界中の普通の男の子は、みんな、そういうものだと思ってたよ。
( ̄▽ ̄;)ハハハ…

なんでも、お兄ちゃんが基準だった…
そして今でも、お兄ちゃんが基準なんだ。
若干、違うとするなら、それは私が責任感の強い男が好きということくらいかな…
やったこと、言ったことの責任感がとれる男…その点だけが、お兄ちゃんと違うかな。

純白(?)物語8

私が覚えていたこと。
それは、お兄ちゃんとの楽しい一時。幸せな時間だけだった。
そして、時は流れ、私は知った。
お兄ちゃんとのスキンシップは、彼氏彼女のそれだということを…
(主人に教わった)

そこで私は困惑してしまった。
と同時に少し思い出してしまった。
お兄ちゃんは、私をどう思っていたの?
裏切ったのは、もしかして、私の方?
戸籍上の結婚は出来ないけど、結婚するつもりだった?
私は、お兄ちゃんの何?
彼女より私を優先していた、お兄ちゃんの本意は何?

主人にイロイロ問われるうちに、私は忘れていたことを少しずつ思い出していった。
お兄ちゃんに何をされたか…
何を悩んだか…
そして最終的に私は捨てられたのだと思い出してしまった。

もしかしたら、私が泣き出す理由は、そこにあるのかもしれない…
怖かった…泣きたかった…最初の思い出…
そして、捨てられる絶望…

だけど、主人が言う。
私は愛されていたのだと…最期まで、愛されていたのだと…
でも主人はロマンチストな人だからなぁ…(笑)

純白(?)物語7

私は無言のまま進む親族会議。その結果、その女(不倫。しかも子捨て)のパチンコ借金は、上の叔父が立て替え返済する事になり、お兄ちゃんとその女は、私の父のとこで働くことになった。
(それはそうと、何故私が強制出頭させられたかは未だに謎である)

これで、一安心。
とりあえず私はまだ、お兄ちゃんに会えるらしいと、私はホッとしていた。
(思い出しはしても、まだ、お兄ちゃんに会いたかった)
が、そう都合よくはならなかった。
お兄ちゃんら逃亡。行方不明…
私の父は、探すかと思いきや、呆れてしまったようで、放っておくと言う。

この時、私は後悔した。
暴露してでも止めるべきだった。反対するべきだった。
お兄ちゃんは私のものだと主張するべきだった。
たとえ、自分が離婚になっても、お兄ちゃんを他の女に渡すべきではなかった。

お兄ちゃんは私のものだ…
私は、この時初めて自分の…お兄ちゃんに対する強い感情を知った。
幼い執着なんかじゃない。強い強い執着。
親に殴られてもいい…誰に罵られてもいい…
私はお兄ちゃんのことが…

でも、もうそれも遅い。
もう、お兄ちゃんはいない…
私は、お兄ちゃんに見捨てられたんだ…

そして私の記憶は閉じられた。
そう…主人がこじ開けるまで…

純白(?)物語6

それは、私が19歳の時だった。
親からの、親族会議出頭命令。
私は何も知らず、その場に出席した。
そこで私は思い出したのだ。
お兄ちゃんが私に何をしたのかを…

きっと私の顔は、般若と化していただろうな…
お兄ちゃんと、お兄ちゃんの体にベッタリくっついてる女を見て。
私は、お兄ちゃんを見据えた。
一時も目を離さずに、じっと…

私は、お兄ちゃんがその女に夢中なら、私の心情は関係ないだろうと思っていた。
だから、私がお兄ちゃんを見つめていても関係ないだろうとね。
でも…何かが違ったらしい。
お兄ちゃんは、私の方を一度も見なかった。
あからさまに、不自然に顔を背けていた。
私の怒りのオーラでも感じたのだろうか?
それとも、その場で、あの日のことを暴露される恐れ?
(いや、よっぽど暴露してやろうと思ったけど…お兄ちゃんが殴られるのはイヤだから堪えたんだけどね)

私の顔を一度も見ないお兄ちゃんなんて初めてだった。
どんな女と一緒にいても、私の顔を見ないなんてことなかったのに…
何故?どうして?
私の顔を見たくないほど、私のことが嫌いになったの?
それとも、その女がそんなに好きなの?
(のわりには、その女の顔も一度も見てなかったんだけど…)

私は、お兄ちゃんが益々、分からなくなった。

純白(?)物語5

それでも私は信じていた。いや…信じていたかったんだ。
お兄ちゃんとは、いつでも会える。
だって、叔父と姪だから。
たとえ、お兄ちゃんが結婚しても、私が結婚しても。
私は、私がお兄ちゃんに執着しているだけだと思っていたからね。幼い執着…お兄ちゃんは、とうに忘れているだろう執着…

結婚して…まあ、以前にも書いた通り、私は幸せではなかった。
でも、それも仕方ないと私は諦めていた。
コレは、ケジメなのだ。
そして、罰なのだ。
汚れた私が嫁げた。それが幸運。これ以上は無く、後は罰が残るのみ。

その間の私は、お兄ちゃんに思いを馳せる隙もなかった。
いや…忘れていたと言った方が正しいかもしれない。
私は思い出したくなかったんだ。
幸せだった場所…
でも、そこに何があったかは分からない場所…

お兄ちゃんの気持ちを考えるのは止めた。
たぶん、お兄ちゃんにとっては遊び…
だから思い出したくない。思い出さない。
でも、会えたら嬉しいんだ。
お兄ちゃんに会えたら幸せなんだ。
もう、何故かは分からなくなっていたけれど、お兄ちゃんに会えるのが楽しみだったんだ。
前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2012年10月 >>
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
アーカイブ