スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

最初に+小説解説・目次



ここは辻村 桂が運営するコード ギアスサイト愛玩レトロの片隅ブログです。
ちまちまと気まぐれ連載をしていく場所になります。

CPはシュナスザやジノスザが中心かつ主におにゃのこスザクなお話になるかと。




●小説解説・目次●

エデンの林檎
シュナスザ♀
R2のOPのルル+C.C.シーンをシュナスザに置き換え妄想したことから生まれたパラレル。
C.C.たちと同じ存在なスザクと、契約者な殿下。

メルト
ジノスザ♀
学園パラレル。初音 ミクの「メルト」から妄想したためにこの題名。コテコテな少女漫画。

メルト 目次



メ ル ト
いつだって気が気じゃない。
キミが隣にいるだけで




大型犬です!/その子に何をする!/頼むから/あの子も十七なんですよ?/可愛いよ!/君じゃなきゃ、ダメなんだけど/鋭意口説き中/好きなんじゃないの?/何か嫌われるようなことした?/どっちも蟻地獄/好き、だ/誰なんだよ/おやすみ/面白くない/恋してるんだ/大好きだ!/


後日談
その後のふたり〜クラス篇〜






※学園パラレル同級生なジノとスザク♀。
初音 ミク「メルト」からの妄想の産物だったりする。


エデンの林檎 目次


エデンの林檎
触れてはならない果実
けれどいなくならないで
掴んだ手を離さないで
そばにいると誓ったから
そばにいると誓ったなら
私も、きっと離さないから、だから
──……信じて 。




The Icecold Discord 1 2 3 // 花とアリス 1 2 3




※シュナイゼル殿下と、C.C.たちと類似存在のスザク♀


その後のふたり〜枢木家編〜



梅雨も明けたかと思われる七月の初頭、ポロリと母親がこぼした言葉にスザクは箸を動かす手を止めた。


「そういえば、もうすぐ誕生日ねえ」

「あ、うん…そういえばそうだね」


そんな会話を交わす間も、ゲンブはひとり黙々と箸を休めない。
だが見た目に似合わず娘を溺愛する性格をよく知る妻は、さり気なく彼が誕生日の話題に神経を巡らせていることに気付いていた。
クスリと笑う。


「今年も生徒会の皆がお祝いしてくれるの?」

「あ、ううん。今年はジノと──」


ハタ、とスザクが言葉を切った。
ついつい落としてしまった情報に、みるみるその頬が赤く染まっていく。


「っち、ちが、いや、あのね…っ!」

「ジノ君って、前に送ってくれた彼よね? 良さそうな子だったけど、やっぱりお付き合いしてるの?」

「お、お母さんっ」


ワクワクと身を乗り出す母親にスザクはワタワタと慌てるばかりで次第に目を回す。
いつの間にか、聞き耳をたてていたゲンブの手は完璧に止まっていた。



「あら、いいじゃない。お母さんあの子なら賛成よ?」


ニコニコと話す母親にスザクはガックリと肩を落とし、先ほどから黙ったままの父親をチラリと横目で盗み見る。
明らかに気にしている様子なのが丸わかりで、素直に白状すべきか誤魔化すか、どう話したものかと頭を抱えるのだった。



その後のふたり〜クラス編〜




「おはよう!」


教室の扉を開いて入ってきたスザクが、ニコニコと明るい笑顔を浮かべてカレンとその隣にいたシャーリーに挨拶をする。


「おはよう、スザク。なんかご機嫌ね?」

「え、そう見える?」

「わかりやすいくらいね。ね、シャーリー?」

「うん。どうしたの?」


尋ねるとスザクの柔らかな頬の血色が良くなって、おや、とカレンは目を見開く。


「うん、あのね、その……カレンとシャーリーに、一番に報告したいことがあるの」


もじもじと照れたように笑うスザクは女であるカレンたちの目から見ても、文句なしに可愛い。
現に、輪に加わろうと近寄ってきたルルーシュも、スザクを見ると明らかにいつもより顔がデレデレとしている。



「どうしたんだスザク。ずいぶんと嬉しそうじゃないか」

「あ、おはようルルーシュ!そうだ、ルルーシュも聞いてよ」

「なんだ?そんなに嬉しいことなのか?」

「うん。ルルーシュは大切な幼なじみだから……知っててもらいたいんだ」


大切。


その言葉に浮かれた顔をするルルーシュを、カレンはつめたーい目で見つめる。
気付いたルルーシュは慌てて普段どおりのクールキャラを装うが、遅い。その証拠にシャーリーまでもが微妙な表情をしていた。


「っそ、それで何があったんだ?」

「あのね、実は僕……」


と、言いかけたスザクの後ろから巨大な影がヌッと現れた。



「おっはよ〜う!スザクぅ、会いたかったよ〜っ」


──ジノだ。


「ひゃあっ!」


ハートマークを飛び散らせながら後ろから思い切り抱き付くジノに、スザクは真っ赤な顔をして振り返ろうと身を捩る。
この距離感にカレンは違和感を覚え、しかし同時に以前よりも躊躇いなく抱き付くジノと、慌てたり恥ずかしがったりしながらも抵抗はしないスザクに何となく、わかってしまった気がした。


「やっ、ジノ!もうっ、離して……っ」

「やだ!あースザクやわらかい……」

「ば、バカっ!」


いちゃいちゃ。
そんな文字をカレンは幻視した気がする。

しかし、そこで空気を読めない男がいた。
否、スザクに恋するあの男は、スザクに関してのみは空気を読めなくなるのだ。


「な、なぁ……っ!?」

「7?」


古典的なボケで返すジノをブルブルと指差すのはもちろんルルーシュだ。
青くなったり赤くなったりしているあたりは、怒りやら『やわらかい』発言への羨みやらからだろう。



「き、貴様スザクになにをそんな、は、破廉恥なっ!」


ムッツリなお前のほうがよほど脳内は破廉恥だろうに。
とはカレンの心の声だ。


「なんかルルーシュお父さんみたい」

「おとっ……」


スザクの発言に落ち込むも、ポジティブシンキングな男はめげずにジノを睨みつける。


「おい!スザクから離れろ!迷惑してるだろう」

「え、スザク迷惑?」


後ろからジノが覗き込むとスザクは近くなった顔にさらに赤くなってブンブン首を振った。


「いっ、いやじゃないよ!ただ、教室とかは……恥ずかしいから……」

「スザク……うわあっ、可愛いぃいいいい!スザク、すっごく可愛い!」

「な……す、スザク!?」


大袈裟に愕然とするルルーシュを、哀れんだ目で見つめるクラスメイトが多数。
カレンはとりあえず目の前の男に現実をわからせてやろうと、まだいちゃいちゃするふたりに声をかけた。


「結局、話したいことってコレなんでしょ?スザク」

「あ、えっと……うん……そう、なんだ」


はにかむ姿に、なにがどう上手く転んだのかはわからないまでも、良かったと素直に安心した。


「おめでとう。ジノ、スザク泣かせたら許さないわよ」

「俺がスザクを泣かせるわけがない」

「自信家……」


お泊まり会には参加できなかったアーニャが、その鬱憤を晴らさんとばかりにジノとスザクを連写しながら呟いた。
そんな彼女を見下ろしながら、カレンはルルーシュに言い放つ。


「……と、いうわけよ。ルルーシュ、諦めなさい」

「は……?」

「理解が遅い……ジノとスザクは、今ラブラブ」

「……ほぁぁあああああっ!?」



カレンに続きアーニャが放った棘のある言葉を飲み込むまでに数秒。

ルルーシュは、素っ頓狂な声をあげてふたりを凝視するのだった。


前の記事へ 次の記事へ