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更新というほどのものでもないですが

サイトを少しいじりました。それに合わせていくつかリンクも整理しています。
あとで即興小説とカクヨムへのリンクも貼る予定です。

覆面作家企画8 あとがき

ありがとうございました!

■作者名
神儺(かんな)

■サイト名&アドレス
晴耕雨読 nanos.jp

■参加ブロック、作品番号、作品タイトル、作品アドレス
E9「夜の谷で」 hkmn.html.xdomain.jp

■ジャンル

ど直球ファンタジーの裏

■あらすじ
夜の谷で語られる英雄譚。誰の耳にも残らない物語。

■意気込みテンプレを使用された方は、URLを教えてください。
mblg.tv

■推理をかわすための作戦は?

普段やらないことやってみようとして冒頭に()書きで一言入れてみたりしましたが、蓋を開けたらEブロック、形の似たものが多くてすげーな…ってなりました。
うっっっすら嘘をついたのがここくらいなので意気込みに「ウソをつくこと」と書きましたが、この一言の方が思いの外働いた感があるような気がしないでもない。

■この企画のために書いた作品、他にもありましたか?

■その作品を提出しなかった理由は?
なし!

■作品のネタを思いついたきっかけは?
手というと手当て…手当てって、手を当てることで癒す意味もあったな…そういやいまファンタジー書いてたなあ…でもあまり優しい話にするとつまらねえなあ…というぼんやり連想ゲームです。

■ストーリーの構築において気を使った点、苦労した点などあれば教えて下さい。
ざっくり書き終えた時点で7000字越えしていたので、そこから削るのに時間がかかりました。今思えば何を手間取ってたのかと思うくらいなんですが。

■削ったエピソードなどありましたか? 作成裏話歓迎です。
もう覚えていない…まあその程度の内容だったということで。

■その作品の続編または長編化のご予定は?
ないです。
以下ネタバレ。独自に解釈したいという方は流してください。


ベダクの最後がどういうものだったのか、真相を知るのは戦場へ赴いたベダク本人でしかないわけで。そしてそういう戦いの場から遠い人々がそれを知ることはこの先きっとないだろうなと。だけどトラッドだけはベダクという人と、英雄譚の真実を知っている。周りが英雄たちを褒めそやす中で、一人、あの手を忘れずにじっと夜の思い出を握り続けるトラッドという感じ。幸福でも不幸でもない感情。


■その作品で気に入っている箇所はどこですか?
ベダクの人物像と最後。


■推理期間中、褒められた点は?
冬木さんに表現について言及されていて嬉しかったです…というかそこまで気にしたことがなくてですね。比喩表現あるあるというか、みんなこれくらい普通にやってるだろうってつもりでしたが案外そうでもなかったのに驚きました。
あとは剣士ひどいとかしれっと残酷とか書いている本人は全くそのつもりはなかったんですよ…でも改めて読み返したらこいつひでーな…
光石については「夜道!暗いし走るの怖いし明るいのねえと!松明面白くないから、あっ石光らせたらファンタジーっぽくね?」→爆誕。剣士〜パーティ組みましたの流れは最初から考えにあったので、それを補強する意味で精霊にも登場、獣使いのエピソードもついでに。ベダクの口から懐かしい口調で仲間の語りをしてほしかったんですよね…それはそれでひどいのか。
通り過ぎる物語というような感想が歩く猫さんのものであったと思うのですが、そのものずばりでした。本来なら誰にも残らないはずの物語で、トラッドが聞いたところで砂漠に米粒一つ落とすだけのもので特に意味はない。それでも、という時間が夜の谷で行われただけの話なのです。

■推理されてみて、いかがでしたか?
探偵の皆さんの情熱に笑ったりおののいたり拍手したりと祭のようでした。
アヤキさんや塩中さんのハイテンション推理も面白く読ませてもらっていました。あの推理記事も覆面名物と思います。

■あなたの作品だと推理された作品はありましたか?
最終推理投票を思い出して…
E2、E4、E6、E7、E8
どう引っくり返ってもこのお話は書けませんってものに名前が挙がるので本当に驚いていました.
E7楽園の手は拝読して、話の雰囲気は私が目指しそうだけどこの題材は思いつきませんし。名前がちょっと挙がっただけでも嬉しかったです。
でもバレる人には一発でバレる(笑)まあ、被っていたのは紐パンなので。

■あなたの作品が他の方の作品だと推理された作者さんはいましたか?
最終推理投票を…
GBさん、だもさん、青柳さん、天崎さん
印象推理だとウルさん、だもさん、彪峰さん以外全員でしたね。あれ、最終でだもさんで票が入っていたのか…何がひっくり返ったんだろう。
そうそうたるメンバーの薄いラップ程度の膜になれて幸せです。

■推理してみて、いかがでしたか?
今回、骨平さんは当てる…!と息巻いていたので、Aブロック公開した時にタイトルでそれっぽいものに絞り、読んで巡り〜に決めました。直近で読んでいた空アンソロが決定打だったと思います。でも、もし空アンソロを読んでいなかったとしても多分辿りつけたかもなあとは。完全にフェイクに走られていたらわかりませんwあとは読んでいく中で「あれ、これって?」と思った心の推理で冬木さんと盲管さんは当てられましたw!
今回は雰囲気推理×ピンポイント推理が上手く機能できました。でも探偵さんたちのようなガチ推理は無理やで…あれ凄いで…執念やで…

■あなたの正解率、どのくらいでしたか?
超ピンポイントなので100パーです。

■この企画に参加して、改めて気づいたことはありますか?
こんだけファンタジー書いているつもりでも、ど直球ファンタジーを書くようには思われていなかったんだなあと面白かったです。あと比喩表現次はもっと普通にライトに…あと残酷じゃなくして…ファンタジーじゃなくして…漢字開いて…それと―ダッシュ─罫線使い…半角スペース…幕間記号…文末のおわり表記…「」使い…

■参加作品の中で印象深い作品をあげてください。
E10 夢の異世界ダンジョンへGO!
すね毛ww棺桶www
E06 幕張でバーチャルアイドルミゾレと握手
ミゾレちゃん売ってそう
E05 キズアト
ほんのりエロいのと延髄蹴り
D10 吾輩はルンタくんである
ルンタくん(声.玉川 ◯記子さん)で脳内再生余裕でした。か!わ!い!い!!!

D06 ヴォストーク・デイ
じわじわディストピア→ふんわり昇華with虚無
C09 プディヤの祈りは銀の蝶になって
物語の背景が心地いい。環境というか文化というか
C08 ナインティーン・イレブン
カッコイイとはこういうことさ
B10 ローマでも長安でも洛陽でもない、ある都の休日
異世界の…そういう…なるほど…
B04 マリー・アントワネットの手を取って
息継ぎする暇のないような女の子の語り口が好き
B01 ── ス・ガ・ル・テ
こわいけどもうちょい長いバージョンでじっくり日本ホラーを堪能したい
A08 巡り巡って
くじらの絵のイメージが印象的
A07 最果ての巫女
耽美。
A04 地面に手が生えていた
ああ!手!そういう!

■参加作品の中で印象深いタイトルの作品をあげてください。
E06 幕張でバーチャルアイドルミゾレと握手
このタイトルからおじさんに共感するとは思わなかった。
A05 現代人外住宅事情
声に出して読みたいタイトル。
E02 五月の庭、蕾の君は目を閉じたまま
題名だけで既に美しい。

■参加作品の中で面白かった3作品&一言感想、お願いします。
どれかなあと作品一覧を眺めてみましたが、挙げるのが難しい…絵を描きたいのもあって、どれも読み返してどれも面白かったです…これ本当に。あ、そういう感じのこういう感じのスゲー!!って。一回目と内容を知っている二回目では味わいがまるで違う。描こうと思ってイメージしながら二回目三回目と読み込むからまた色合いが違う。全ての作品が全て面白かったです。とても楽しく拝読させてもらいました。めっちゃ楽しかったです!ありがとうございました!
今回はブロックごとに作品公開、推理期間とブロックごとに向き合える時間を提供してもらえたので、私のような奴にはほんと親切設計でした…重ね重ね覆面主催さまには感謝です。本当にありがとうございました。

覆面作家企画8 Eブロック感想

E01 銀の御手のサジタリウス
無音の物語。ずっと押し殺したような沈黙が傍にある。語る声も、草の揺れる音も、鏃の飛ぶ音も、一角獣が倒れた時の音さえも、この世界を壊さないようにと抑えているような。でもプロメが現れると音が活き活きとする。サジを通した世界の形。だからプロメの声や姿はいつも暖かい。

E02 五月の庭、蕾の君は目を閉じたまま
おっと今度は緑の手だ。薔薇の庭を手入れするこうちゃん。「内緒」という言い方にそこはかとなく漂うエロスだわ〜よいわ〜このじわっとくる感じ。薔薇の存在感と、五月の暑さと麦茶と氷と、と舞台の道具が妙に艶めかしい。「僕」はどうなのだろう。どこまで続くかわからない二人だけの楽園に、最後吹き込む五月の風がとてもさわやかでした。

E03 機械細工職人と機械義手
冷たい手が紡ぐ奇蹟のような細工。は〜説明を読んでいるだけでも実際に見てみたくなる。教室通いたい。雑然とした工房の細かな様子や、クリフォードの目を細めて笑う姿など彩りに事欠かない。素敵。加齢臭とか細かいなあ(笑)ライザと共に冷たい手を追いかけて、そして最後にストン、と落とされてしまう瞬間があってめっちゃびっくりしました…でも余韻は不思議と暖か。これがライザの眼差しなのかなとか。

E04 飲み干す残滓
おーおお、びっくりした。どきどきしたー!冒頭のモノローグは孝之のものかな。二人の時と親がいる時とで呼び方が変わるとあるけど、食卓で「咲希」と呼んでいるのは孝之だよな…ということはこの時点でもう覚悟を決めていたりしたんだろうか。お父さんだったらすみません。残滓は家族の形、それを飲み干して手に残るものは何だろう。

E05 キズアト
漢字にカタカナのルビ振り。よいSFの匂いがするぞ→最後まで読みました→よいミリタリーと恋愛の匂いもする…すげえ贅沢セット。恋愛や男女の繋がりが規制された未来、そこで発禁図書として扱われる名作の数々を見ているとニュー・シネマ・パラダイスを思い出して涙が…きっと映画も音楽も熱や色を失った世界なんだろうなあ。その中でクレアが人らしさを取り戻し、彼女の名前の本当の文字が明らかになっていくと彼女自身の本能も明らかになっていくような。自力でこじ開けていくクレアつよい。

E06 幕張でバーチャルアイドルミゾレと握手
好きなものを追いかけるのに年齢は関係ないよね…立ちっぱなし、腕ふりっぱなし、声だしっぱなしで最終的には満身創痍、その後の回復に時間がかかるところに年齢を感じるけどさ…澤良木さんの「年甲斐もない」という呟きは「それでも好き」な熱を感じる。ハプニングに対して澤良木さんと一緒に動転したり、思いがけない同士を見つけて喜んだり、冷や汗を流したり。握手した手の冷たさは喜んでいいものと思いたい。

E07 楽園の手
は〜〜……いい読後感。いい落としっぷり。いい残酷さ。手が妙に官能的。それを食べるという行為もどこか背徳的。だけど手の描写は美味しそうなんですよね。最初、仏手柑で想像していたんですがそれではこの話の「手」には物足りない。それこそ人の手のような…と思っていたらの、楽園の姿。「僕」がどうしてこの楽園で過ごすことができているのか、が紐解かれてぞっとする。最後、ぷつっと手を収穫する音で楽園の姿が消える、そんな気持ちで読了しました。ファーストインプレッションでここに投票されていてありがたや。

E08 それは手記にも似た
そういう…そういうあれかー…ああ。不定形な「私」の語りが続いていく。動物なのか、植物なのか、あるいは生き物ですらないのか。触れる「何か」の形がわかった瞬間、ぱっと風景が開いていくようでした。だけどそれはどこか霞がかっている。こんなにも沢山の記憶と感情とを込めて綴られたのは「手記にも似た」もので、想いの塊で、そしてそれを綴る「私」の姿は…と読み終えて最初の呟きに戻る。そういうあれかー…同じような形で繋がっていると思っていたらそうじゃなかった時の断絶感。でも彼女にとっては確かな繋がりだったんだよな。

E09 夜の谷で
\(^o^)/
ファースト推理でも最終推理でもほぼ色んな人が書いてそうな塩梅でお名前入っているのに驚いた。

E10 夢の異世界ダンジョンへGO!
最後にwwwこれwww手がそうくるかと爆笑。いいね、下心を山積みにして入り込んだ夢の世界。そこでの姿がもうw描写が「スケート界の皇帝似」で体は洋風棺桶姿とかなので、今度からあの方の顔を見る度に棺桶もセットで思い出しそうです。ついでにすね毛触手も思い出しそうでもうまともに見られない。そして最後にたたみかけるようにやってくるうりんこ(両前足は人の手)はもはやプレイヤーの姿ではないのではというこちらの思いは余所に猪王へと突進していくので、第二話お待ちしております。


Eブロック、地を這うようなテンションの話が続くなあと思ったら最後に天元突破でぶち抜いていった。振り分けの妙ですね。しかもここまで物語の構成が似たものが揃うんだなあ。

覆面作家企画8 Dブロック感想

D01 秘密が見える目の彼女
最初は薄いパステルカラーですっと物語の幕が引かれるような感覚でしたが、メグミちゃんと中居くんの登場で一気に話に弾みがついて読み進めてしまう。二人の「めぐみ」と中居くんの会話や態度の差がもう年頃の子らしくて微笑ましかったです。探偵面白そう(笑)

D02 神の庭
しっとり、どっしりと、こう絨毯を広げるようにして世界観と物語が広がっていく。その上で語られるリュミエレとディノの絶妙な距離感の良さよ…そしてそこに何かしらの秘密も潜んでいそうで、ナイスファンタジー…(親指を立てて溶鉱炉に沈みながら)

D03 couturiere
息を詰めるような、しんと静かな空間が夜に沈んでいるような。そこで聞こえるのは針と人の動きの音のみ。針に、服に、仕事に、迷信に、かつての自分に、と向き合いながら生まれ変わっていくドレスが綺麗。決意のような指の痛みを忘れないようにと戦う姿がかっこいい。

D04 子どもを助けたら勇者と呼ばれた件について
「俺」目線で淡々と語られるんですが、どこか色をなくしたような、それこそが彼にとって平凡な日常だったってことでしょうか。二人旅をしていくうちに彼の目にも、聖女様の表情にも色がついてきて、最後には色彩に溢れた世界で「二人」が出会うように見えました。

D05 夢を視ないという夢
これ読み手は自分のおばあちゃんを思い出してしまうのではないでしょうか。私は思い出してちょっと涙した。半ばのホラー展開で心臓がキュッとなりましたが、おばあちゃんの存在が偉大すぎて。皺だらけの暖かい手が今も守ってくれているんだなあ。好き。

D06 ヴォストーク・デイ
ああ、これいいな。緩やかに滅んでいく。爆発的な環境の変化に抗いきれない。非常事態の中にあっても日常の延長のように見えてしまう緩やかな言葉で語られるから、ペンギンのくだりは胸が塞ぐような感じがしながらもホッとしている。ちょっと映画を思い出しました。

D07 オズ─知識の光をもたらした魔女─
こちらは滅びに向かって猛進していくような勢い。過ぎたものを手にした人は、どうなるのか。オズの魔法使いのオズ王国かなあ…魔女はオズに該当するのだろうか。願わくば、と希望をもって今度こそ、と祈りを込めて渡したものを。

D08 嗚呼 美しき兄妹愛哉
冬哉さんも怖いが存外克巳さんも怖いのでは。しれっと出来てしまう気遣い、冷静な判断力。さすがおっさn…お兄さん。短い話の中で兄妹と克巳さん、その仕事とこれ一本読むだけで魅力が全部伝わってくる。言葉選びや動きが上手いんだろうなあ…羨ましいなあ…

D09 てとてとて
最初、テトちゃんの視線の高さをどこへ持って行こうか考えながら、合間合間に出てくる言葉でその位置が調整されて、明らかになっていくテトちゃん。絵本のようにふんわりと優しくちょっと切ない。リュックを抱いているテトちゃんがめっちゃかわいいんですよこれがまた。

D10 吾輩はルンタくんである
自称が「吾輩」なところから、ヘルプミー!なところも効果音も意気揚揚と出陣してオーナーのために奮闘するところもやたら畏まった話し方もどこもかしこもかわいい。はーかわいい…ルンタくんの声が松重豊さんの声で再生される…かわいい…

覆面作家企画8 Cブロック感想

C01 その手が隠したものは
人の動き、現場の動き、世の中の動きと動いていくものの大きさが変わっても、その躍動感が消えない。冒頭のイタタタタ場面はいいイタさでした…そこで題名を見て、なるほどーと思いながら読了してなるほど!と合点合点。すかっと面白かったです。

C02 月下鴨川、モノノケ踊りて、絵師が狩る。
猫かわいい…もう目の前で踊ってる。ああかわいい。彼岸と此岸、真と贋、理解者と敵対者と様々な対比で魅せてくれる京の一画。涼やかに淡々と進められていく仕事の一挙一動が綺麗。水羊羹や南部鉄器の風鈴など小道具に粋を感じる中で飛び出る圧力釜が好き。

C03 死の手招き
年配の人の話し方そのものだ、と思いました。伝えたいことに辿り着くまでに色々な話や脱線を経る語り口。でもその脱線した先にも、その人の真意や思い出が潜んでいることがあるんだよなあと。手招きが恐怖から…と変化していくのが哀しい。

C04 なにも宿らない
…そんなことないってー!!リスト弾けるなんて凄いじゃないか。心動かす演奏というのは技術だけでなくそれを奏でる人を通して人は音楽を聞く、とも聞くけれど。「私」にとってピアノは呪縛なのだろうか。であればそれを壊しうる手は彼女なのだろうか。

C05 鏡の中にいて私の中にいなくてあなたの中にいるもの
軽快に弾むようにやってくるホラー。学友としては、のくだりも面白かったし、非日常を閉じ込めるものにどのご家庭にもあります魔法瓶が登場したことで現実と地続きのような感覚に。考えるアシの部分は、はーなるほどと目から鱗。

C06 憎たらしい愛にさよなら
さだまさしの関白宣言が流れてくる…でもマイルドになってる感…と思っていたら。家のそこここに感じる、もういない人のかつての痕跡。カーディガン、味噌汁、縁側、と追えば追うほどに溢れてくるもの。溢れだしたものをそっと包み込める手であるように。

C07 迷い子の手
こういう関係なさそうで最後にはちゃんと繋がってる系の話好き…。音に関わる描写が読んでいて心に染みつくように綺麗。熱をもって、とか、夏のにおいを、とか。それだけで色んなものを含んで感じ取れる。手によって繋がる人たちのその後が気になる。

C08 ナインティーン・イレブン
コルトってなるほど。そのコルトか。翻訳風のかっとばすような言葉の応酬がかっこいい。啖呵を切るってこういう風にするのかあ。コルトの重さ、冷たさを知っている手が誰かの手を取ることができるのなら、と光の見える終わり方に嬉しくなる。

C09 プディヤの祈りは銀の蝶になって
この文字数の中で村の仕組みや風習を凝縮して伝えられて、読み終えた後にものすごい満足感。<糸の姉妹>とか刺繍の文化だとか好き。生活の傍らにある一つの物語。プディヤの迷いと優しさがちょっと大人びて見えて、それがまたかわいいです。

C10 奇病と難病
病院のベッドから、ゲームの世界で遊ぶ。現実の自分と乖離したはずの所に、不意に差し込まれる現実。驚きと好奇心と自己嫌悪とでいっぱいになりながら、それでも進んでいった「ボク」。「彼」の言葉は毒のように薬のように、優しいと思いました。

C11 トゥルーエンド
あ〜これも話の構成が面白い。トゥルーエンドってなるほど、そういうことですね。彼女がいるからこその物語。持っている力が話の道筋まで作っちゃうのか。すごい。数多の道が数多の未来になって彼女に教えてくれる。その結果取る道の強さがとても綺麗。
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