夕暮れ時、すごくすごく苦手だった。
夜が来るのが怖かった。
でも、そのひと時を、特別なものにしてくれた人がいた。
西の空に傾いた陽の光が、愛おしいと思えた。
でも、そのひと時は、特別だと思えた瞬間から、少しずつ
時計の針の様に、また元の感情へ戻っていくのも、感じていた。
嘘だと思いたくて、いやだいやだと足掻いたけれど、
気が付けば、夕日を見ることができなくなっていた。
夜はぬくもりと明るみを求めた。

また、特別だとか、そういう風に思ってしまう日が来るのだろうか。
また、特別だのに、恐ろしいとおもってしまう日が来るのだろうか。
だとしたら、いまのままがいい。
もういいかい、もういいよ。

誰そ彼、誰そ我。
きっと誰もわからない。


ToP
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