あの子の泣き顔を見る度に、また笑える日はくるのかと、不安ばかり募る。

あの子と離れることしか選択権は無かったあの日。
逃げるという選択肢をくれたのは、別の子だった。
自分の元から居なくなるなら、そちらの選択をする。
結局、自分もあの子がいままで一緒にいた人間たちと変わりないんだろう。
あの子と一緒に居たいから、他はどうなったってかまわないだなんて。

あの子の嫌なことをした。
中途半端でわがままな自分の苛立ちを、そのままぶつけてしまった。

自分のなかの考えがまとまらない。
捻れに拗れて、なにをしたいのかもわからない。

あたしが居なくなれば、あの子は笑えるのだろうか。
もう、苦しませることはないのだろうか。
あたしは、あの子を幸せにしてあげられるのかな。
毎日が幸せだと、お互いに思って、笑える日はくるのだろうか。

あの子の世界が、自分だけになればいいのに。
そうしたら、他の怖いものはなにもないのに。