欧州「エンデミック」へ移行模索 続々と規制緩和

1/26(水) 21:41
産経新聞

【ロンドン=板東和正】欧州諸国で新型コロナウイルス禍の危機水準をパンデミック(世界的流行)からエンデミック(地域的流行)に引き下げてとらえようとの動きが目立ってきた。新変異株「オミクロン株」の重症化率は低く、ワクチン接種や免疫の獲得が進んだことで、新型コロナをインフルエンザと同様に扱えるとの見方が広がっているのだ。各国は行動規制を緩和し、「ウイルスとの共生」を模索している。

エンデミックは公衆衛生上の用語で、インフルエンザのように流行が特定の地域で一定期間繰り返し発生する状態を示す。感染が世界に拡大して社会の混乱を引き起こすパンデミックよりも危機の水準が下がる。

新型コロナを率先してエンデミックと捉え、行動規制の緩和につなげようとしているのが英国だ。英政府は27日から南部イングランドで公共交通機関や映画館などでのマスク着用義務を撤廃。イベント会場などでのワクチン接種証明の提示を免除し、在宅勤務の奨励も打ち切る方針だ。

ジャビド英保健相は20日、「英国はパンデミックからエンデミックへの移行で欧州をリードし、コロナと共生する方法を世界に示す」と述べた。