2012-8-21 18:43
今日もっかいビックカメラに返品しに行ったら、丁寧な店員さんがすぐ対応してくれたのは良かったんだけど、その後他の奴で試してみても音は鳴らず……
「これはもうお客様のケータイ内部が故障してる可能性大ですね」
…………
……………………
ユルユルのガバガバですってか(`曲´#)
まあ確かに今の子はもう4年以上俺の酷使を耐えてくれたんで、そりゃまあユルユルのガバガバにもなるかもしれない。
途中で問題部分のカバー、理性と共にどっかやっちまったしな。
買い替え時だな。
よし、今度の週末買い替えに行こう……ちょうどポイントが今月末で消え失せちゃうはずだしな。
今週末ペンタブ買うぜ!って決意した途端これだから……まあ、何故か電化製品買わなきゃって時期は飛び火します。
『それでもなおこの道を行くO』
その姿は滑り込んで来た黒塗りの車に飲み込まれて、あっという間に見えなくなった。相変わらず再会した余韻など微塵も残さない男だ。
銀時はゆっくりと坂本に視線を向けた。
その先で彼は困ったように頬を掻いている。サングラス越しにでもハッキリと苦笑が浮かんでいるのが見て取れた。
「辰馬」
「困ったのう……副長さんと同じこと言いよる」
「……同じこと?」
訝しく眉を寄せた銀時に構わず、坂本は肩を竦めてヒラヒラと手を振った。
「降参じゃ。おんしらの勝ちにしちゅう」
「…………」
「ワシ、おんしが誑かされとんのなら、絆されて宥めすかされて騙されて弱味握られてあの狗と付き合うとるなら、絶対別れさせちゃろうと思っとった」
「んな訳ねえだろ」
「……そうじゃな。付け入る隙なんかミジンコほどもないわ。おんしが本気なら、殺すかもしれんことも殺されるかもしれんことも覚悟しとるなら、もう何も言うことはないき」
表情を隠すようにサングラスを押し上げて位置を正すと、坂本は少しだけ苦さを滲ませた笑みを浮かべた。
「おんしにそこまで愛されるあの男は、ほんに幸せ者じゃの」
「辰馬……」
ハッキリと――
くっきり別れていることを理解してしまった。
銀時の中で自分たちに対する思いと土方に対する想いとは、矛盾することなく同立平行で存在しているのだろう。
きちんと質問した訳ではなかったが、坂本には銀時が答える文句が一言一句違わない自信があった。
『幕府のことを恨んでない訳じゃねえ。俺はあの時のことを絶対忘れたりしない……でもな、センセーを殺したのはアイツじゃ、土方じゃない』
ゆっくりと踵を返す。
「さて、そろそろ戻らんとまた陸奥にどやされるろ。この取引ばぁ、反対押し切って強引に進めたしの」
「辰馬、あのな……」
「心配せんでももうおんしの旦那にゃちょっかい出さんよ」
何か言いかけた銀時の言葉を遮って、坂本は手を振った。
「ほんじゃ、元気での金時。また地球に寄った時は酒でも飲もうぜ」
本当は解っていた。
初めて言葉を交わした時から土方の銀時に対する並々ならぬ想いは、揺らぐことがないものだと直感が告げていた。
ただそれがあんまりにも癪だったから、銀時を揺さぶってみようと思っただけだ。結果は見事なカウンターパンチを貰ってしまった訳だが。
――癪なことに変わりはないが……結局ワシらは誰が来ても、例えワシらの中の誰かであっても、納得なんか出来んのじゃき……
ダダダダダッ、と駆け寄って来る足音。
何か言い忘れたことがあったのか、もしかしたら気が変わって一緒に宇宙に行くと言ってくれるのか、そんな万が一にもない可能性に期待を込めて、坂本は振り返る。
「きん……」
「銀時だっつってんだろいい加減覚えろこのもじゃ毛がああああっ!!」
視界いっぱいに映ったのは、繰り出されたドロップキックとして迫る銀時のブーツの底だった。
→続く