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雨の日だけ流行るレストラン

耐えきれなかった雲が、朝露の上から大きな葉を濡らす。
ようこそ。ここはレストランです。
ここの雨はとても甘くてね。
コーヒーに落とすととても美味しいんですよ。
見かけない顔をなさっている。
レストランがあるなんて知らなかった?
まあ、しかたないですよ。
ここは、雨の日だけ流行るレストランですから。
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ヴィタール

先生殺したの、わたしなの。
大学に入る前から付き合っててね。
始めは先輩の紹介で、学校のこと相談してただけだったんだけど。
妻子持ちだけど、優しくて優秀で。
でも段々嫌になって、距離を置こうとしたの。
遺書もなくて誰もわたしとの関係を知らないみたいだったの。
わたしはわたしのせいじゃないって思おうとした。
現に家に帰ってもお父さんもお母さんも明るくわたしを迎えてくれたの。
テレビではよその国で戦争が始まったって、変な顔のアナウンサーが言ってた。
でもわたしの家はいつもと何も変わらない明るい毎日だったの。
その内わたしは、先生が死んだことが、気にならなくなってた。
先生どうなっちゃったのかなあ。
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欲しい言葉(※PJ)

「P、お前カッコいいなあ」
「何、急に」
「今月の」
「ああ、何、お前そういうのチェックしてんの?」
「貰ったの」
「なあ、俺とお前、どっちの方がカッコいいかな」
「何、どうしたの」
「ね、これ、見てよ」
「お前のページ?凄いじゃん、一人で」
「カッコいい?」
「あ?ああ」
「カッコいいって言ってよ!」
「何なの」
「いいから!」
「カッコいいよ」
「心がこもってない!」
「何なんだよ!」
「だって」
「そんなにカッコいいって言われるの好き?」
「大好き!」
「だってそんなの、女の子に散々言われ慣れてるだろ」
「言われ慣れてるけどさ」
「飽きるほど」
「飽きねえな!」
「可愛い奴」
「可愛いはやめろ。ぶっ殺すぞ」
「おーこわ」
「いいもん。女の子に言わせまくるから」
「ふうん」
「あれ?あれ?焦った?」
「ふふん」
「え?」
「Jはぁ、女の子にカッコいいって言われるのと、俺から好きって言われるのどっちが好き?」
「……P!」
「何、その間」
「嘘!嘘!Pがいいの!」
「ふふん」
「でも俺はカッコいいだろ?」
「カッコ悪いお前も好きだよ」
「……俺の負けだよ」
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ああまた怒られた。
ただ友達と飲みに行っただけなのに、しかもそれを隠しもせずに報告したのに、あ、報告したのがまずかったのかな、とにかく、わたしは彼に怒られた。
「別にそういうんじゃないのよ、友達だもの」
「友達って、それ男だろ?しかも二人で」
「いいじゃない、友達だもの」
「よくないよ。友達だ何だって言って男は常に余計なこと考えているんだから。大体二人で飲みに行くなんて下心があるに決まっているじゃないか。特に君はね、隙が多すぎるんだよ。男はそういう付け入る隙がある女を狙ってくるんだからね」
それだけまくし立てると、勢い余って立ち上がってしまった彼はふう、と溜め息を吐いて椅子に座った。
「隙?隙?分かんないなぁ。わたしってそんなに隙だらけ?」
「隙だらけだよ」
「分かった。じゃあ今から、わたしが隙を見せたら言って」
今からね、と、パン、と手を叩いた拍子に、わたしはテーブルの一輪挿しを倒してしまった。
「ああ!」
一輪挿しは落ちなかったけれど、水は漏れ花は落ちてしまった。
「ほら、さっそく」
わたしは直ぐに花を拾おうと屈んだ。
隙に、着ていたワンピースから胸元が覗き、ブラジャーの肩紐が腕に下がった。
彼が立ち上がった。
「そこがスキ」
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愛しのmay

あなたはわたしのことをいろいろなあだ名で呼ぶから、わたしはもうどれが本当の名前か分からなくなってしまった。
今や
「姫!」
そう呼ばれて振り返るわたし。
何をもってわたしを姫と呼ぶのか。
あなたのネーミングセンスはちょっと可笑しい。
水槽を泳ぐ金魚に「ぎょ」という名前をつけたり、ほんと、笑える。
「めい!」
「めいちゃん!」
「めい子!」
「めいめい!」
「姫!」
「犬!」
そうかわたしは犬なのか。
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