話題:素直な気持ち

雨がしとしとと降る。気温も猛暑日つづきだったつい最近をわすれるほどに涼しくなった。気づけば、10月になり、今年も残すところ3ヶ月ほどになっていた。新しい生活にも慣れ、ふたり暮らしの要領もつかめてきたような気がする。衣食住に関しては、多少の不満はあるものの、不自由なく暮らしている。不満というのも些細なものだ。家事をしてくれないということだけが生活してく上では引っ掛かる。生活とかそういう以前の問題である、この土地に住みたくないという気持ちからはいつになっても解放されそうになかった。

あたしの地元愛がつよすぎるのが問題なのか、彼が地元から離れたくないのかわからないけれど、彼の地元まで30分ほどのところにふたりで暮らしている。彼は、仕事おわりに少し寄ってきたり、なにか用事があればすぐに実家に帰り、用が済めば帰ってくる。泊まるほどではないと彼は言う。それもそうだろう、簡単に帰れるのだから泊まらなくても立ち寄ればいい。彼は、あたしの気持ちは考えていない。自分の仕事のこと、遊びのこと、お金のことしか考えていない。結局のところ、あたしのために仕方なく一緒に住んであげたというスタンスでいたいだけ。だれのせいで一緒に住むことが早まったと思う?とかことあるごとに恩着せがましく言ってくる。あたしのせいだと言えば、満足なのだろうか。彼からすれば、ふたりで暮らすアパートは別荘くらいの感覚で、本拠地は実家のままなんだろう。
このまま、我慢していれば、いつかは地元愛も薄まるのだろうか。そんなことを思いながら彼のためにと彼の地元で一人暮らしをして1年、ふたりで住み始めて3ヶ月。心境の変化は特になく、ペースを落とすことなく地元へ通っている。そんなあたしを見ていても彼はなにも思わないのだろうか。あたしだけがこんな感じなのかと思えば、世間にはあたしみたいな人も一定数はいて、パートナーや世間にいろいろと言われながらも地元に通ったり、世間の目が気になって圧し殺しながら生きてたり。帰れるだけ、あたしは幸せなのかもしれない。今は、そう思う方が懸命だ。

きのうは、身内で集まり食事をしたようで、あたしは遠いから不参加である。(そういうのがまた、彼の地元をきらいにさせてく要因になっている。)送られてきた姪っこの写真に思わず、笑みがこぼれる。あたしも子どもがほしいな、結婚したいと願望がふつふつと沸き上がる。このまま、彼といれば、そんな望む未来はしばらく来ない。ならば、答えは簡単にわかっているけれど期待する。もう少し、もう少しだけ待っていたいと相も変わらず思ってしまう。