話題:行くあてのない気持ち

あたしはまた恋をすることがあるのだろうか。感情の制御がむづかしく、衝動的に行動してしまうような。恋の力にうごかされる、自制の効かないあの状態に。恋はするのではなく、落ちるものというのは有名な話で、しようと思ってできるものでもなく、ひょんなことから落ちているのが今までのあたしの恋だった。結婚とか将来とかそういうものもハッピーな形で含まれたその恋はときめきや愛情を育て、与えてくれた。けれど、現実のなかに恋を落とし込もうとすると途端に具合がわるくなる。ハッピーに考えていた結婚や将来が突然と重くのしかかり、不安をすぐさま引き寄せる。恋だけをしていたらつながらないもの。それが結婚や将来なのかもしれない。

今の彼とあたしはどうなっていくのだろう。1ヶ月以上過ぎたホワイトデーや数ヵ月後には支払わないとならないアパートの更新料が現実を重たくさせる。期待しないということは簡単で、自己防衛でしかないこともわかっているけれど、期待してなにもされないことに慣れるのもいやだし、受け止めてつらくなることもいやだった。どうなるのかわからない、目的地の決まってないあたしたちのこれからに不安しかなく、せめて、なにかしらの方向性のようものを示してくれたらいいのにと思ってしまう。あたしがこうしたいと思っても、彼はまだだと受け入れない。いつまでもだらだらと一緒に暮らす(折半で、まるでルームシェアのように)だけの日々に意味はあるのだろうか。歳だけ重ね、どんなかたちにもならなかったら、ただ時間だけが過ぎただけで積み重ねたものなどなく、無意味だったと結論づけられるのがこわい。

過ごしてきた日々は馴れ合わせる。なにも決めずにきてしまったことが、期待や将来を失わさせた。新しくはじめることの不安、やっぱりなににもならなくても慣れているほうがいいと怖じ気づく日々。それでも、今年で28歳になってしまうという現実があたしには重く、そろそろ安心して眠りたいと思ってしまう。