書き留め


2016.5.6 06:23 [Fri]
『 欲』(カラ一←チョロ)



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2016.4.9 13:56 [Sat]
『  』(おそ一+カラ/↓続き)



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2016.4.9 09:25 [Sat]
『  』(おそ一+カラ)


『カラ松視点』
※ おそ松×一松←カラ松。



周りは真っ暗闇。不意に目蓋が開いて闇に慣れない目は一点をずっと見続ける。暫く無言を貫き、暗闇に慣れた目が少しずつ色や形を認識していくのがわかって、其処で漸く今の自分が何をしているかが分かった。場所は家で寝室である二階。周りは暗く明かりを灯さない電球に、身体を優しく包むのは暖かい布団、兄弟達の安らかな寝息はまるで綺麗なカエルの合唱のようだ。
窓からはほんのり月明かりが射し込まれ、暖かな布団の中で今しがた貪っていた惰眠の余韻が頭を休ませようと思考に命令をしてくるから、うつらうつらと微睡みから抜け出せない。滅多に目が覚めて起きるという事も無いから、もう少し月明かりを見たい気持ちも有る…が、二度寝の気持ち良さには何にも勝る物は無いのだ。しかも今日は皆夢見が良いのだろうか。普段なら高いびきをかく者が一人は必ずいるものだが、今に限って本当に静かなのだから宛ら子守唄の様にも聞こえてきてしまう。再び夢の世界へ旅立つ為に目蓋を閉じて寝返りを打つ。
良い夢は見られるだろうか、なんて、そんな小さな楽しみを胸中に抱きながら布団をほんの少し手繰り寄せて、『ああ、こんなに寄せたらそっちが寒いか』季節は春、日中は暖かいが夜は未だ肌寒い体感温度。兄弟の身を案じうっすらと閉じていた目蓋をもう一度開く、その時に気付いた。一番端で眠って居た筈の弟が其所に居ない事に。

トイレだろうか、弟の寝床…四男の眠る何時ものスペースへ片手を伸ばして敷き布団に触れてみる。直ぐ様ひやりとした感触が肌に伝わり、微量の体温すら感じられない事から今しがたトイレに場を離れた訳じゃないと知る。少なくとも数十分以上は前だろう。
体調でも悪いのだろうか、血を分けた兄弟で家族で…心配にならない訳が無い。弟が居ない事実に気付いてしまったら、何だか居ても立ってもいられなくて布団から身体を起こせば、眠気を訴える脳に渇を入れて寝惚け眼を人差し指で擦り上げていく。ちょっと強く擦り過ぎたのかチリチリとした痛みを感じたが、目を覚ますには調度良い痛みだと思う事にした。

体温で程良い温もりを保温する布団に名残惜しさを感じながら、横で眠る末弟を起こさない様に布団から這い出る。その際もぞっと身動いだが、幸い眠りが深いのか夢見が本当に良いのか。口をむにゃむにゃと動かし『兄さん、クソ痛いよぉ…馬鹿なの死ぬのぉ…』などと笑顔で寝言を紡ぐ。意味は良く分からないけど、きっと何か楽しい時間を過ごしているんだろうと頭を撫でてやったら、『…えへ』と何だか間の抜けた声を漏らして布団に顔を埋めてしまった。思惑笑みが溢れるのも束の間。

「…ん…?」

末弟の横、三男の横でサンドイッチにされて眠っていた筈の長男の姿が無かったのだ。
トイレ…だろうか。もしかしたら、二人して具合が悪いのかも知れない。心配する気持ちが加速していく中、布団の中ですやすやと眠る他の兄弟、三男と五男の顔を盗み見る。特に具合が悪そうな表情も見られない為、少しだけ安心して安堵からの溜め息が口から溢れ出た。二人を探そう。俺は襖を開け部屋から出て階段を降りて行く。


階段を降りて一階に着くと布団から離れた身体は体温の低下を訴え始め、日中とは違う空調の低下で口から吸う空気は冷たさを孕んでいる様に思えた。吐き出す吐息が屋内に居るのに微かに白み、儚く溶けていくから自分の体温と室内気温の温度差が明白なのだ。
早く二人を探して、具合が悪そうなら薬を飲まそう、そしてもう一度眠って起きたら朝日を浴びる。『フッ、完璧だ!』小さな声で台詞を放ち一人恥ずかし気も無くドヤ顔を決め、スケジュールを頭に描き計画を遂行すべく、トイレへ向かう前に玄関へと向かう。もしかしたら外に出て居るのか、そう思っての確認だったのだが、考えはまんまと外れて空振りする結果になってしまう。

玄関先の靴はしっかりと兄弟六人分、父と母の分が揃えられていた。基本的に各々帰宅時は意識しないで靴を脱ぎ散らかす始末で。今日も皆で銭湯に行った後、帰宅したが靴を揃えた記憶は全く無かったから、綺麗に整頓された靴はきっと母が眠る前にしてくれたのだろう。有難うmumy…!沁々と母親の有り難さを感じていた時、居間の方から何か物音が聞こえて顔を上げる。とても小さな、軽く床が軋む様なそんな音が。例えるならば猫が棚の上から床に飛び降りる時の、トンッと体重を地面に移動させた時の物に似ている気がする。耳を澄ますとなにやらボソボソ話し声も聞こえて来た気がして。案外早くに探していた二人が見付かった、と気持ちが逸る。それでも会話のやり取りが気になって、わざと慎重に忍び足で居間の方へと向かった。

『二人で居間に居たのか。』
『なんだ相談事か?』
『俺にも話してくれたら良いのに、水臭いぜbrother!』
『ん?俺か?なに、闇夜に包まれ安寧の一時を楽しむ最中、運命の悪戯で目が冴えてしまって…箱庭に射し込むmoon lightはまた格別d(ry)』
『冗談だ、起きたら二人共居なかったから…具合が悪いのかと思ってな。心配したんだぞ。』

冗談を含む台詞を頭の中で考えながらトンットンッ、忍び足で歩く廊下に響く自分の足音。何時もより響かない様にはしているのに、周りの生活音や喧騒が無いだけでこうも違うのか。そうこうしてる内に居間に着いてしまった。
部屋を隔てる襖を開いて、二人を見付けた時に言おうと思っていた言葉は、此処で出番を無くすのだった。






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2011.10.6 02:31 [Thu]
誰も居ない教室(アラルカ/学パロ)



静けさだけが辺りに漂った学校の中に、男女二人が校内の廊下を歩んでいた。そこは普段、人が来る事でとても賑わう場所でもある。何しろ学生、教師共に通る道なのだから。
何故二人だけなのか。理由は学校内で階段話がブームの為、調べようとアラギが無理強いした発言によるもの。時間帯はすっかり夕刻を過ぎ、深夜を回っている。ザイオンには最初から声を掛けなかったのか待ち合わせた場所には来なかった。
人の気配は当然無くあるとしたら自分自身とその隣を歩く人物のみ。目の前の廊下は普段の賑やかしいその面影は何一つ無く、賑やかさとは違う暗闇が辺りを包み込んでいる。コツ、コツと靴音がやけに廊下に響き暗闇に飲まれてしまった。

「ルカ、怖くねえか?」

互いに何も話さなかったが突然アラギが口を開く。暗闇に包まれた廊下に宿る照明と言えば、窓に差し込む月明かりのみ。隣を歩きながらどうせ怖いとは言わないだろうけれど、と付け加えるアラギをルカは睨むような目付きで見て、直ぐに目を反らした。

「馬鹿言ってんじゃないよ。そんな事言って、アンタが怖いんじゃない?」

冷たく返事をされてしまい、それがまたアラギの予想通りだった為、思惑声を出して笑ってしまった。その様子を冷めた目でルカは睨む。月明かりに照らされ、眼光は増すがそれがまた彼女特有の妖艶さを醸し出すのだ。本人には言ったら殴られるのが目に見えているから言わないが。

「んじゃ、そーゆー事にしとく」

不意にルカのがら空きの手を拐い指先と指先を絡ませる。明らかに振りほどこうとする手の動きが笑えてしまう。

「っ離せ!アタシに触るなっ」
「良いじゃん。怖いから手くらい握らせろって」

尚も振りほどこうと手は世話しなく上下左右に揺らされるが、アラギはそんな簡単に離す気は無かった。手の力は強く、男女の差は明らか。やがて面倒になったのか、『馬鹿』と言うキツい言葉と溜め息を吐いて、手の甲を思いっきり抓った。痛みに手の力が緩まる隙を見て勢い良くルカとアラギの手は離れ、歩く速度を上げ前へ一人で歩いて行ってしまう。

「…照れちゃって。可愛いんだから」

痛む手の甲を擦りながら、先に行ってしまったルカの後をアラギは追い掛けるのだった。







(何年幼馴染みやってても、アイツがする事はいまいち理解出来ない)

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2011.10.5 16:13 [Wed]
身長差と手の大きさ(ジュド+リタ/学パロ/※なりきりネタ)


遂先日、最近出来た学校に転入した。理由は特に無いけど、しいて言うなら校則が厳しくなさそうだったから。正直、学園生活において付き物ではあるが…校則程面倒な物は無いと思う。

時間厳守に食事管理、スカート丈は膝下に自転車通学にはヘルメット。下校時間は部活動を含めて7時迄、挙げ句の果てに帰りは必ず寄り道禁止だの二人以上で下校しろ…エトセトラ。

校則は大事だし分かるけど、頭が痛くなる。
頭を悩ませ苛立ちがピークに達する直前、そんな時にパンフレットが届いたのだ。
新しく出来た高等学園。中を開くと出来たばかりなのも有り、内装はとても綺麗で何よりも校則が驚く位少なかった。好きな時間帯に授業や勉強も可能らしく、その他中庭や屋上へも自由に行き来出来る。そして学校と街が近く、この学校自体は高台に有るが数分足らずで街へ行き来が可能。
とはいえ、この学園は通う為に寮生活を強いられる。寮というと普通はルームメイトが付き物、人付き合いは得意では無いし干渉される事自体あたしには無理。
…が、どうやら敷地が大きい為かはたまたお金が有るのか。入学した生徒には一人部屋が用意されるらしい。こうして、あたしはそのおいしい条件に釣られ転入したのだった。


そして現在(いま)、時刻は夜の9時を過ぎた頃。校内にある図書室に居るあたしの目の前には大きな棚が並び、幾つか有る本棚の隅に有る棚の前に立ち本を見上げている。
何を読むとか特に決めていなかったからか、さ迷わせた目線は丁度一冊の本に目が止まった。背表紙には猫の写真集とタイトルが付けられていて、少し分厚めの表紙。
読みたい物、というより興味を惹いた物が出来た所で問題は高さ。

「何でこんな妙な場所に片付いてんの…!?」

本は微妙な位置に納まっていて、あたしの身長よりは上。でも手を伸ばせば届くか届かないか、そんな微妙な位置だった。
取り敢えず普通に手を伸ばして見る事にするが、まず届く筈が無かった。次に爪先立ちで精一杯手を伸ばす。指先の腹が背表紙の一番下、角を撫でただけに終わった。
椅子や梯子、脚立を取りに行けば良かったと後で気付くものの、今更取りに行くのも面倒に感じてしまう。でもどうしても手に取りたい。その一心から、あたしは辺りを見渡す。

「………、」

話し声はおろか本のページを捲る音も聞こえない…周りには誰も居ない、それを目で確認後その場で膝を曲げてバネを作り力一杯床を蹴り上げた。

「っあ…!も、もうちょっと…!」

先程よりは指先が本に触れる様子に自然と心が躍る。あと少し、そう思ってもう一度ジャンプしようとした時だ。背後から手が伸びてあたしの取ろうとした本を掴み上げたのだ。

(あたしが取ろうとしてたのに!)

時間を掛けて取ろうとした物を突然背後からかっさらうなんて!しかも簡単に。沸々と苛立ちが込み上げ、文句を言おうとした刹那。

「はい。…君が読みたかったのってこれ?」

肩を叩かれて振り向くと、さっきの本を差し出す人物が居た。見た所歳は同じ位、でも身長は少し高い気がする。

「あ、あの…」
「え?あ、ああ…」

じろじろと眺めて反応を見せないあたしに、目の前の人物は困惑していた。本を差し出した侭何とも言えない顔をしている。本の表紙には可愛い白と黒の猫が仲良く眠る写真が印刷されていて、つい口元が綻ぶも慌ててそれを引たくる。恥ずかしさで顔から火が出そう。

「あ、あ…り、がと」
「うん、どう致しまして」

普段言い慣れぬ礼を呟くように吐き出すと、そいつはにっこりと笑う。そして本とあたしの顔を見比べてから意気なり笑い声を漏らしたのだ。

「猫の写真集…可愛いよね、猫。好きなの?」

突然何を言うのかと眉を寄せた瞬間、思い出した。今手元に有る本を取ってくれたのは"目の前のこいつ"だったって事を。
笑いながら問う人物を前に恥ずかしさから湧き出る殺意を覚え、この時程本で人間を原型を留めない位、滅茶苦茶に殴りたくなった事は無い。



(何よ、どうせ似合わないって思ったんでしょ。ああもうっ、ちょっと背が高いからって…!なんかムカつく…)
(そんな事思って無いよ!だって僕は男の子だし。背も手の大きさも、君より大きいのは仕方無いよ)
(そのわりに顔の方は随分と女顔よね)
(う…。言わないでよ、ちょっと気にしてるのに…)






だって、"似合わない"って思われたく無かったから人が居ない時間帯を狙ったのに。

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