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『日本のいちばん長い日』
2015.8.23 Sun 05:16 :φ(.. )




『日本のいちばん長い日』
2015.08.22.sat.

祖父が、珍しく観たいと言ったので。ジジちゃん孝行にチケット買いました。
何十年ぶりの映画館らしいよ。

このところ、70年の節目で報道なども多くなっていた為か今まで一切話さなかった戦時中のことをポツポツと話し始めた祖父。尾道に居た話だけは聞いたことあったけど、まさか8/5に東京を発って広島に行ってたとは。
そんな祖父が、「いい役者が出てるんだよ〜」と言うので一緒に観てきました。

ほんとは他に観たい映画いっぱいあったんだがね。そしてこの作品は観る気がなかったんだが……

戦争の話は苦手なんだよ……泣くのが分かってるんだもの。

という訳で、原作も読まず、実際の政治の動きも知らぬままに観てきました。
過去の作品もいい役者が揃っているので、機会があれば観てみたいな。

一番長い日とは言えど、物語の始まりは4月から。そして8/9から順を追って、激動する内閣を描く。
和平派、強固派、そして将校のクーデター。

玉音原盤を奪回せんと動く将校たちの想いはどんなものだったんだろうか……高いプライドを持っていたからこそ、宮城を襲撃するようなことになったのだろうけれど。
感情移入はまったく出来なかったなぁ。


右の人間ではないけれど、矢っ張り感覚というか思想的なものは右寄りだと自覚してる。というか、日本人としては右寄りになって当然と思っているのね。
(だから左の人がどうにも理解出来ないし、その思想さえなければいい人なのにと思う)

それに、天皇陛下を神格化しているんだろうなぁ。どこか心の奥で。

なので、どんなふうに演じるんだろうかと思っていたのだけど、モッくんすげぇ。
ほんとに。崇めたいくらい。

話し方とか、すごく良かった。
「あ、そう」の返答に胸がぎゅっとしたり。ああ、昭和天皇だと。
阿南の娘の結婚式を気に留めていたほんの一言、短いシーンだけで涙腺決壊。

ほんとうに国民の為に心を砕いておられたのだという、そのことに胸を打たれて。
なんというか、どうにも言葉にならないのだけど、陛下の聖断に涙が止まらなかった。
み心のままに。
あの時代に生きていても、崇拝したであろうなと思う。本当に、神であられた方なんだと。

色々なシーンでぐっときたのだけど、幾度も泣いたのはモッくんの各シーンでした。モッくんばっかり見てた。
相当のプレッシャーで演じたのだろうな、と思う。
(こういう想いで観る人も多いだろうし)


役所さんも、山崎さんもそれはそれはいい演技なさってて、南方の葉巻のシーンなんか見せ方がものすごく上手い。ここは泣いた。

山崎さんが終始“身体にガタのきた老人”で居て、この方随分とお爺ちゃんになっちゃって……と途中まで本気で思ってた。
うちのじいちゃんより全然若いのにw
ほんと役者って凄いね。


自決のところの鬼気迫る空気なんて、息を詰めて観てた。
腹を切り、介錯は不要と自ら首に刃を突き立てる。自害が素晴らしいという訳ではないけれど、大和魂、サムライの精神が格好良かった。
役所さん格好良い。


画の見せ方、シーンの回し方は監督の手腕なんだろうけど、2時間もの長さを感じさせない、テンポよく繋いでいるのが良かった。中弛みもなく、最後まで緊張感を持って観ていられた。

身体がもつかなと心配だった祖父も、きちんと観られたし、4回も泣いてた(自己申告)くらい良かったみたい。
え、そこ? みたいなシーンで泣いてたので、多分、当時を色々と思い出したんだろうね。気が変わらない内に色々と聞いておきたいわ。

あとはもう少し時代背景や政府のことなんかを知っていたら良かったのかなと。知らなくても十分面白い(史実を面白いと表現するのはどうかと思うが)兎に角、よく出来た作品だと思った。
二度と観たいとは思わないが。

素晴らしいからこそ。魂削られるんだよ。
戦争話は苦手だ。(と言いつつ毎年のように終戦記念日前後にそういう話を観に行っちゃうのは何故なのか)


取り敢えずじいちゃんが「いい映画観た」って喜んでばあちゃんに報告してたから何でもいいです。
ということで、本来観たかった(観に行くつもりだった)映画に行ってきます。






つうち

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