2014/4/19 Sat 01:32
ケシの花

話題:突発的文章・物語・詩
・犬と飼い主予備軍
・暴力表現
・クスリ
以上に危機感を感じた方は回れ右。
以下本文



細胞の1つ1つが気持ちいい。
全身がふわふわと、全身性感帯の様だ。
今の俺は何だって出来る。
思った事は何だってやった。

ただ歩いてるおっさんを急に殴ったり、女を犯したり、あまつさえは人殺しもした。
どれも楽しい。
もっともっと、もっと楽しい事をしたい。

ふと俺は何をやってるんだろう、と思ってしまった。
次第に俺がしてきた事に後悔を感じた。
心が痛むと身体も痛む気がした。
全身がじくじくと痛む。

その痛みは気のせいじゃなかった。
痛みは増して、細胞の1つ1つが焼かれているのではないかと思った。
痛い痛い、痛い苦しい。

外も内臓ももっと奥の奥も痛いよ、苦しいよ。
気が付くと俺は拘束されていた。
自殺しようにもそれが邪魔をする。
もうヤダ、終わらせてくれよ。
のたうち回るしか出来ない。
気絶しようにも鋭い痛みがそれを許さない。
あ゛あ゛あ゛――――。

「その苦痛を乗り越えればきっと君はいい兵士になれるよ」

誰かが笑う声は今はまだ聞こえてない。


***


強い兵士が必要だった。
手っ取り早く薬でそれを作ることにした。
素質のある奴を僕の駒にする。
副作用を乗り越えれば躾けは簡単だ。
僕の命令で仕事をする快感を覚えさせる。

「その苦痛を乗り越えればきっと君はいい兵士になれるよ」

悪夢を見続けている男たちに微笑みかける。
ごろごろと芋虫の様にのたうち回る姿はいつ見ても笑える。
やりたい事をやらせてやったんだ。
気持ち良いの反対は痛いだろ。
じゃぁ、自由の反対は?

楽しみだね。
君たちがどんな兵士になるのか。

でも僕からは逃げられないよ。
僕の血は麻薬だから…。




おわり。
***
仕事で草むしりしててケシが普通にあった。
あの花が咲いてたのは違うのかな?
まぁどうでもいいか。
全部抜いてゴミ袋に突っ込んだ。




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