僕は偏った思想家で
無力なキミと何も変わらないです
言葉は時に不自由すぎて
伝えたいことを探せないです
僕に僕の捜索願いを出す
地球上のどこかで
星にもなれず途方にくれて
土にでも還ったわけではないのなら
僕に帰れるはず
この世は善と悪の永久機関で
期間限定で僕は過ごします
僕の捜索願いは取り消され
いつかすべてから抹消されるのです
この不甲斐なさや貫きたい
でも折れそうで守りたいこと
忘れたくないから言葉にしたためる
長ったらい葛藤にも美しさが宿ると僕は知っているのです
葛藤が芸術を生みました
僕は捜索願いを出す
どうか僕を探してください
ぼくは化け物だった
小さな箱庭で石を投げつける人々
ぼくの背中は視線と消しカスで爛れ汚れた
ぼくは憎しみを抱いた
同じ真っ黒な顔をして嘲笑う奴等を
ぼくはすべてを消そうと思った
ぼくは殺意を抱いた
はじめての感情に震えた
自分自身が恐ろしかった
ぼくは狂気を抱いた
どうせ化け物でしかないのなら
ぼくは人間を辞めた
ぼくの狂気とは血塗れになった箱庭
後ろ指指される狼
おかしいのはぼく以外のすべて
イカれた目をしたぼくを彼女は笑った
それで良いと笑った
ぼくははじめて言葉を耳にした
彼女は誰をも気にしなかった
ただの興味だと笑う
人の笑顔を初めて美しいと思った
ぼくらはふたりでいる時間が増えた
夜になると彼女は落ち込んだ
安っぽい励ましすら言えない自分がもどかしかった
ぼくらは社会の隅で夢をみた
誰も危害を加えず安心して暮らせる世界があれば良いのに
彼女が笑うからつられてぼくも笑った
ぼくはただの嫌われもので
彼女は忌み嫌われた存在
だから、ぼくらは手を取り合った
ぼくは知ってしまった
すべての人間に生きる価値などないことを
ただ一人だけ生きるべき人のことを
彼女は泣きじゃくった
殺されるのは嫌だとすがる
彼女を変えてしまったのは、きっと僕だ
生きたいと願ってしまったぼくらは夜明けに手を取り合った
朝日が眩しく照らすから
非難しかないぼくらが祝福された気がした
この手だけは離したくないよ
失いたくないよ
いつか社会的に殺される日が来たとしても
ぼくらは人間だったんだ
話題:突発的文章・物語・詩
市場価値に商品価値
欲望の眼差しは少女を人形へと変えた
「こいつは高く売れる」
人形は頬を赤らめた
店主は値段を釣り上げて
決して人形を売らなかった
「この時代に新品の綺麗な人形なんて、そうそう買えねえぜ?」
人形は手垢が付いていない自分を誇りに思った
ある日、ひとりの青年が人形に魅入った
店主の隙を付いて人形を盗んだ
人形は泣いて震えた
自分の価値がなくなってしまうから
青年は人形を大切に扱った
世界でひとつだけの宝物
人形を愛でたけれど
愛を知らない人形は泣きじゃくるばかり
(わたしに触れないで…)
「世界にただひとつ」
それだけで価値はあるのに
愛されるために生まれてきたことを忘れてしまった人形
そして、少女を拗らせすぎてしまった哀れな人形
(私から価値を奪わないで…)
少女を拗らせすぎた哀れな女の子