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「ただ今戻りました!」

――ファトバル・シティ「Gの組織・本部」

「あら、サイクロンズの皆ね! お疲れ様! 「幻想の花びら」を見つけてくれて、ありがとう!」

「はい! これがその――」

マルーはラビュラに、イロハ・シティで発見した「幻想の花びら」を見せた。


「まあ! とってもキレイじゃない! ……それはしっかり保管しておくことよ」

「ありがとうございます! これで道具はいくつになったんだっけ――」

「四つだろ、マルー」

「「悲しみの塊」と「神の雫」と「包む優しさ」と、その「幻想の花びら」だねー」

「そうだった! ありがとう、ボール、リュウ!」

「つまり、道具は半分以上見つけられた、ってことね!」

「あと三つ。頑張って見つけましょう、マルーさん」

「よーしっ! ラビュラさん、あと三つはどこにあるんですか!?」

「一つは判明していて、それはシャークズの皆に探してもらっているわ。あと二つはまだ――」


その時だった。ラビュラの席で、白い光の点灯と共に、ジリリと重いベルが鳴る。彼女は片方の人差し指で光を抑えてから、親指と小指だけ立てた手を、片耳に当てた。


「ラビュラよ、お疲れ様。……えっ!? なかったですって!? ――――分かったわ。ミナムーン・ネイトに寄ってからこっちに戻って来るのね。三人共、気を付けて」

こう言って、ラビュラは指を解き、その手を机に置いた。


「道具、なかったんですか?」

「ええ。リーダー・リツキの報告によると、遺跡の最深部に着いたはいいけど、戦いの跡が広がっていただけで、道具はなかったそうなの。しかも、その道具を守っているはずの魔生物もいなくて……」

「明らかにおかしいな……まさかカゲの連中が奪ったんじゃ――」

「それだったら大変だよ! 今すぐ確かめなくっちゃ!」

「落ち着いて下さい、マルーさん。どのようにしてミナムーンへ向かうのですか?」

「もちろんフライトだよ! すぐに飛んでいって――」

「そうしたいんだけどー。今、フライトはメンテナンス中だから、しばらく使えないんだー。丸一日かかるんだってー」

「そんなあ……」

「待つしかなさそうね、マルー」

「シュージさんからもらった煮物でも食べよー? 僕、お腹空いたー」

「……そうだね。腹ごしらえしよっか」

「それが良いわ。サイクロンズの皆、今はゆっくり休むことよ。何かあったらすぐに連絡するわ。いいわね?」

はい! と元気よく返事をしたサイクロンズは、ラビュラがいる部屋を離れたのだった。

─━─━─━─━─


「「 ごちそうさまでした! 」」

マルー率いるサイクロンズは、メンテナンス中のフライト内で食事を済ませたのだった。

「やっと食べきったぜ」

「僕、もうお腹いっぱいー」

「さてと。あたし、お茶を持って来るわ。皆、少し待ってて?」

「お、さんきゅー」
「ありがとうーリンゴ」

「あとはマルーだけよ? 早く食べちゃいなさい。お皿が洗えないわ」

やれやれといった顔で言葉を投げたリンゴは、食器を抱えてその場から離れた。


「そうだぞ、マルー」
「冷めて、美味しくなくなっちゃうよー?」

「……んああ! さっきのことが気になり過ぎて、食べるどころじゃないよ!」

立ったり座ったり、きょろきょろしたりと、マルーに落ち着きがない。


「呆れたぜ、全く」
「僕、マルーのそれ、食べちゃおうかなー」

「うん。食べていいよ、リュウ。今は食べる気分じゃないや」

「わーいいただきまーす」
「相変わらずだな……しかも美味しそうに食うし」

ボールは、二人の様子を横目に、伏し目がちに息を吐いた。


「たった一日だろ、マルー。そんなに待てないのか?」

「待てないよ。だって、きれいさっぱりなくなっているんだよ? 一分一秒でも早く取り返さないと!」

「その気持ちは分かるけどよ。ミナムーンっつーところは……どうやって行くんだ?」

「ミナムーン・ネイトは、ここから海を越えます」

「えっ!?」

アスカの言葉を聞き逃さなかったマルーは、目をらんらんに光らせながら、全速力でアスカに迫った。

「それって本当!?」

「はい。本当です。船で丸1日かかりますけど――」

「待つより全然良いよ! 早速行こう!」

「どこ行くんだよ」

「船が停まるところだよ! アスカ、場所分かるよね!」

「ええ。ですがマルーさん――」

「よーし! 早速支度して出発するよ!」

「……行ってしまいました」
「全く。急に生き生きとしやがって」

アスカとボールの唖然とした顔をよそに、マルーは水を得た魚のように駆け回るのだった。


「ちょっと、マルーどうしたの? ずいぶん張り切ってるじゃない」

「どうやらゆっくりお茶している場合じゃねぇみたいだぜ。今からミナムーンへ向かうらしい」

「どうやって行くつもりよ」

「船で向かうんです。出港まで、あと5分ですけれど」

「あ、あと5分だと!?」
「ここから船までは!?」

「歩いて10分です。走ればなんとか――」

「早くしねぇと――リュウ! 食べ終わったよな!」

「食べ終わったよー。皆慌てて、どうしたのー?」

「早く立って! 今すぐ船まで走るのよ!」

「えー。消化に悪い――」

「 は や く ー っ ! 」

「あれ? 皆急いでどうしたの?」

「マルーさん走りますよ。間に合わなくなります」

「え、待って! 私、皆の武器かかえてて早く動けないよ――!」






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