季節感0!
ただの妄☆想
勝手に妄想してしまった模様です
あくまで私個人の妄想です
***
今日は、初雪が降るらしい
底冷えがするほど寒い万事屋には神楽も新八も定春もいない。
なんでも、新八の実家で鍋をするらしくみんな行ってしまった。
俺は新八の実家に行くわけでもなく、仕事が入っているわけでもなくただ、一人の時間を満喫していた。
そんなとき
突然電話が鳴った
「はいはい、出ますよ、ったく人がせっかくのんびりしてたのに…」
意味もなく電話に語り掛けながら受話器を取った
『もしもし?俺アル』
クスッ
神楽だ
「はいはい、」
『俺アル!今な万事屋の可愛いらしいマスコット的な看板娘の女の子を誘拐したネ!返して欲しければ、マ〇ニーちゃん3袋と豚肉を買って6時に志村新八の家に来るヨロシ!』
ガチャン
おいおいー
拒否権なしかよ
ほんとちょっとした脅迫電話じゃん
しかもマロニ〇3袋って、どんだけ好きなの
まあ昨日パチンコで大儲けしたんだし金はあるからいっか〜
何か他にも買って行ってやろうかな?
と考えながら準備をしていると
ぴーんぽーん
ベルが鳴った
「ったく、今度は何だよ。」
「新聞ならいりませーん」
声を張って言うと
「新聞じゃない、桂だ」
ヅラが玄関に立っていた
「なんだ、ヅラじゃん」
「ヅラじゃない桂だ。そんなことよりもうすぐクリスマスだろう?」
コイツがクリスマスだなんて、ウケる
「ああ、そういえば」
「それでだ銀時!俺はお前のサンタになるべく、3ヶ月前から用意していたんだ!でそれを今日持ってきた」
えらくあわてんぼうのサンタクロースだ
まだクリスマスまで3日もある
「別に今日じゃなくていいじゃん。3日後に来いよ」
「3日後はというか今日じゃないとダメなんだ。今日渡したい。」
まあいいんだけど
しかし、時計の針はもうすぐ5時を指す
急がないと怒られる、神楽に
「分かった。でも俺今から急いで行かなきゃならねーとこがあんの。だからあんまし長居はできねぇよ?」
「…あい分かった。コレ」
ヅラが持っていたのは
赤色のマフラーだった
3ヶ月前から準備していた
と言っていたから
多分手編み。
何コイツ!無駄に可愛い
しかも赤って!
あー可愛い
「受け取ってくれぬのか?」
ちょっと涙目のヅラ
あーもう我慢できねぇ!
反射的にヅラを抱き寄せた
ヅラはマフラーを持ったままきょとんとしていた
「マフラーこれ、手編み?」
「ぅん。手編みだ」
「有り難く頂戴するよ。だからマフラー巻いて」
俺は少し顔を屈めてヅラに
巻いてもらう。
「まったく…貴様はマフラーも自分で巻けないのか…」
とぐちぐち言うヅラは寒さのせいなのか照れのせいなのか顔は紅潮している
ヅラの白い息がかかる
「よし、これでいいだろう」
「あ…なんとも可愛い結び方ありがとう」
びっくりした。まさかの蝶々結び
突っ込もうかと思ったが
やめた
「そういや、なんで今日じゃないとダメなんだよ」
「………だって今日は初雪が降る、から」
初雪
ああお天気お姉さんが言ってたな
だから寒いんだ
「で初雪を俺と見たかったわけ、ね」
ヅラの顔は真っ赤になった
そのとき
空から舞い降りてきた雪
今年最初の雪、初雪
「銀時とこうして初雪を眺めるのは何年振りだろうか」
「そうだな。また来年も初雪の日は来いよ。それでまた一緒に見ようぜ」
「来年は手袋を編んでやる」
「はいはい、」
「再来年は着流しを毛糸で編んでやる」
「難しいぜ?」
「編み物のネタがなくなっても、ずっと一緒に見たい」
「じゃあ今度は俺が編んでやるよ」
2人はどちらからともなく
初雪も融けてしまいそうなほど熱くて深い口付けを交わした
***
「あー!やっべ!あと30分!」
「なんだ?」
「6時に新八ん家行くの忘れてた」
「俺も、その、俺も一緒に行っていいか?」
「いいんじゃね?とにかく急いで買い出ししねーと神楽にしばかれる」
「リーダーにしばかれると痛いぞ、銀時」
あっはっはーと
ヅラは他人事のように笑った
「俺と行くならお前もしばかれんの!だから急ぐぞ!」
ヅラをバイクの後ろに乗せて大江戸マートに向かった
***
ギリギリセーフ
1分前
神楽がヤクザのような格好で
竹刀を持って待っていた
「おいそこの銀髪ヤロー!きちんと要求したもん持ってきたやろなー?」
変な関西弁を使って話しかけてきた
「ちょっと確認させてもらうでー。豚肉、豚肉、マロ〇ー、〇ロニー、マロ〇ー。よし、入りな!」
「すまんな遅くなって。あ、ヅラもいいか?」
「?ヅラいないアル……!あヅラ!なんでお前ズラ子の格好してるネ!」
さっきまで一緒だったのに、この一瞬で着替えたのか…?
指名手配犯ともなれば変装もお手のものだなと感心した
「お妙殿がいるということは、アイツがいるだろう?」
「あー、ゴリ?壺の中に隠れてたヨ。まあ捕まる心配はないネ!そんなべっぴんさんがヅラなんて誰も思わないアル〜ちょっとアネゴにヅラも来るって報告してくるから上がって待ってるネ!」
長文を話して神楽は家の中に消えていった
それにしても今日のズラ子(もといヅラ)はいつにも増して扇状的だ
「飯食ったらそのまま万事屋に直帰な?それから久しぶりにさ、ヤろうぜ?」
「アホか貴様。リーダーもいるではないか」
「大丈夫。神楽は泊まらすから」
「まったく…貴様は呆れた奴だ」
「とか言って〜」
「銀ちゃーん!クスッ。ズラ子ー!!何してるネ!早く入って来るヨロシ!」
「クスッ。そうよ銀さん、ズラ子さん。早く入ってきなさいな。クスッ」
「あ、ほんとだクスクス…銀さん、ズラ子さん、いらっしゃい」
何故か神楽も妙も新八も
クスクス笑っている
「「おじゃましまーす」」
「つか、さっきから何笑ってんの?」
クスクス笑ったまま神楽が俺の胸元を指した
「「あ」」
俺はマフラーが蝶々結びなのを忘れていた