寝台特急北斗星チケット争奪記


【夢のブルートレイン】
昔からなんとなく寝台特急への憧れがありました。
それはもしかしたら銀河鉄道の夜に起因するものかもしれないけど。

寝台列車は友達と出雲に行った時、サンライズ出雲にのった事があるんですが、とんでもなく酔って(笑)
わりとトラウマになりながらもブルートレインへの憧れは消えずにいました。
そんな中、飛び込んできたブルートレイン廃止のニュース。
一応8月まで臨時列車は通るらしいけど、廃止となってはチケットがより取りづらくなる。ならば、今行くしかないではないか…!
そんなわけでブルートレインチケットの取り方をまず事前にネットで調べたのでした。
すると、やはり廃止のニュースもあって、今までも取れなかったチケットがより取りにくいとの事。
これは覚悟する必要があるな…と思いました。



【チケットの取り方】
空いてたらすぐ駅やネットで買えますが瞬殺でなくなってしまうのがしばしば。
いくつか取り方があって、ざっくり説明すると…

@寝台が組み込まれているツアーを予約する

Aオークションに出されている、キャンセル待ちをする

B乗車日の一ヶ月前の10時に、JRみどりの窓口に10時打ちをしてもらう。
10時打ちとは?
→正しくは10時というより、みどりの窓口に事前に申し込んで10時になったら駅員さんにマルス(切符を買う機械)を叩いてもらうというもの。

しかし、全国のみどりの窓口が10時にいっせいに買おうとするので、そのみどりの窓口の予約一番手にならないといけないわけです。
我々の業界で言うぴあの10時発売と一緒で。
二番目じゃまず無理、一番目でも買えない可能性は高いので保険でいくつかの窓口で一番目になる必要があります。
複数の窓口で一番目になれたとしても、買えない可能性はあります。
全ては時の運。
また、10時前に申込をしたくても、10時打ちを受付ていない窓口もたくさんあります(買えなくても駅員さんのせいじゃないのに駅員さんのせいにする輩もいるため)



【事前準備】
そんなわけで、私はます@でカシオペアツアーを保険に予約。
乗りたいのは北斗星ですが、北斗星のチケットが取れなくても心折れないように。

そして特急券購入申し込み用紙をみどりの窓口で複数もらい、事前に記入。



そして姉と、どの駅に頼みに行くかを決めました。
ポイントとしては

@あまり大きすぎず小さくない駅(池袋や新宿は論外)(他業務を優先されてしまう可能性)

Aベテラン駅員さんや、慣れていそうな人がいる駅

B一番のり出来そうな駅


この時、裏技というかずるというか、北斗星のチケットを画像検索しまくって発券駅をさらしてしまってる人の写真を見て、過去に取れた可能性のある駅を調べておきました。
(本来レイヤーのロケ地黙秘の暗黙の了解と同じ理由で駅をさらす人は少ないです。鉄道オタクの方のブログ等では駅名全部隠してありました)



【決戦の日】
話は遡ること、一ヶ月前の1/24。
2/24に北海道に行くことに決めた私と姉は憧れの北斗星に乗るため、二手に分かれてみどりの窓口を回ることに。
みどりの窓口の始業時間は駅ごとに違うので6時はじまり、7時はじまり、8時はじまりの駅をそれぞれ狙います。



【姉の動き】
(駅名は全て仮称です)
始発で家出発。
α線をしらみつぶす事に。
@6時〜のA駅へ
(前日受付もいたらしく4番目)


A7時〜のB駅へ
(1番目確保)


B8時〜のC駅へ
(1番目確保したけど前日受付もあって4番目)



【私の動き】
姉より少し遅く家を出て、7時8時始まりの駅が密集してる沿線を狙う。
しかし計算がくるって線を何本か乗り換え。

@あ線D駅
(みどりの窓口みつけられず)


Aい線E駅
(乗り継ぎで折り立つもネットで10時打ちしてくれないと聞いてスルー)


Bう線F駅
(すでに二人並んでおり無理と判断。すぐに改札に戻る)


Cう線G駅
(すでに一人並んでたので諦めて次の駅へ)


Dう線H駅
始業前、シャッター前に誰も並んでなかったのでやったー!と並んで8時。
意気揚々と始業と同時に頼むと10時打ちは受付けてないとの事。
絶望しながら改札に戻る。


Eう線I駅
10時打ち受付なし


Fう線J駅
10時打ち受付なし


この時点で収穫なしの私。
受付してるか事前に聞いておけばよかったと半分涙目。
みなさん始業前から並んでるのにもう8時過ぎて受付てたてしても一番手は絶望的。
みどりの窓口は改札外にしかないため、いたずらに電車賃だけがJRにとられていく……
最後の頼みとしてほぼ反対側に位置する9時始業の駅に行く事にしました。


Gう線K駅
9時始業ですが、着いたのは10分頃。
一応頼んでみると「大丈夫ですよ」の声。
しかも「ちなみに何番目ですか?」と聞いたら「一番です」と言われ!
始業から時間経ってるのに!
まだ取れてないのに泣きそうになった私。

10時にこの辺にいて下さいと言われてとりあえず駅近くのカフェで朝ご飯としてパンをむしゃむしゃ。
一つ心配だったのは対応してくれた駅員さんが新人さんらしくものすごく遅くて(^o^;)
横の先輩駅員さんが教えてる形だったので通常業務も時間がかかって、みどりの窓口大行列状態。
(後ろの先輩がやってくれ〜〜!)と失礼な事を思いつつ、わりと諦めながら、ひとつでも申し込めた事に満足しながら紅茶をすすって、その時を待っていました。

カフェを出て9時50分。
すると、みどりの窓口の前には2人の男の人がいました。
どうやらその人達も10時打ちを頼んだ様子。
皆でドキドキしながら時計を気にしていました。
気のせいかみどりの窓口も空気が張り詰めた様子でその場にいる一部の人間は皆固唾を飲んで待っていました。

55分。
突如みどりの窓口の受付が降り、しばらくお待ち下さいの文字。
10時打ちしてくれる所はこうやって一時通常業務を止めるんですね。

そして10時。
緊張の一瞬。
あの新人さんぽい駅員さんが私の前にいた2人の男の人に「駄目でした」と言ってました。
私はやっぱりな〜〜と思いつつ見てたんですが、奥にいた先輩駅員さんが私を手招き。
お?と思って行くと、



「ご用意出来ました」

との声。
おもわず「エエエエエエ!」と叫んでしまってありがとうございますを連呼しました(笑)
しかし私、この時致命的なミスをしたのです〜。

今までが今までだっただけに喜びすぎて他の事に頭が回らなかったんですね。
北斗星は夜に食堂車のディナーを頼みたかったら同時にそれも予約しないといけないんです。
申し込み用紙に「食堂車ディナー希望」と書いたんですが和食かフレンチかを伝え忘れてて。
「どちらにしますか?」と聞かれ、一度姉に聞かなきゃ!(事前にフレンチがいいって話したのを忘れてた)と思った私は「後でまた来ます」と言ってしまい…。

その直後に姉に電話し、慌てて予約したんですが既に満席でした(T_T)
試合に買って勝負に負けた気分〜〜


そんなわけでかなり落ち込んだのですが、保険で申し込んだはずのツアーのカシオペアが取れなかったという連絡が来て改めてチケット争奪戦の凄まじさを知ったのでした。

後日乗車券買いに行った旅行代理店では取れた事をすごく驚かれました(´∀`)

ようやく取れたチケットには北斗星の文字が刻まれていてなんだか嬉しくなりました。