2020-10-14 05:33
……自分と同じ感想の人を全然見ない。
自分があまりにも天邪鬼なのだろうか、素直に受け取ればいいではないか、これをそのままよかったねといえる人間になれ。自分でもそう思う。そんな感想。
(追記:TLでは一切見なかったけどヤフーレビューで同じ感想いっぱいいて自分が冷血人間じゃなかったとちょっと安心した)
先日ブログに書いた通り、ヴァイオレット観てきた。
ちなみに前作映画と原作文庫以外はヴァイオレット全部リアタイで観てた程度の民。(前作映画は見逃してしまったので近々みたい)
※以下、続きを読むにて。
がっつりネタバレしてます。
言いたい感想は主に4つ。
1.最高の水橋さんショタ出てくるなら言っといてよぉ!!!!
出てきた瞬間、みずはす!!!??ってなった。
やはり水橋さんのショタは最高だぜ!!
ユリスの話、とてもとても辛くて号泣したけど、これでしか書けない話が盛り込まれててよい脚本と演出だった。
電波塔が出来て時代が移り変わろうとしている時に、新技術である電話だからこそ出来た事(間に合わなくても最後に言葉を交わせる技術の恩恵)、しかしそれでも手紙にしか出来なかった事(息を引き取った後に与えられる幸せ)
それら二つを両方うまく描いてた事に感動した。
言葉での説明0だったけど、時代が変わってドールも旧時代の職業になるかもね〜〜って話の後に電灯がつくのをみつめるモブの点灯夫のおじさんがいたりして、京アニはこういう分かりやすい演出するけどその率直さがいいなって思った。
2.子安の演技
「この大馬鹿野郎ーー!!」
に鳥肌が立った。
ホッジンズの機微が伝わってきて久々に子安演技うまっってなりました。
3.俺たちのディートフリート兄さんは最高だぜ!!!!!!
もうね、正直一番映画でいいたいのこれ。
このあと言う私の天邪鬼感想どうでもいいからみんな俺たちのディートフリートを見てくれ!!
本編から好きだったんですが、映画で本編の悪者感(性格的には違うんだけどそうあらざるを得なかった)どこ行った???って感じで……映画で良さ200パーセント増してめちゃくちゃ好きだった。
お兄ちゃん好きすぎて出てくるたびにフゥゥー!!ってなった。本編でこの人好きかも!?と思った私の目に狂いはなかった!!
若かりし頃のヴィジュアルも素晴らしかったですね…ありがとうツンデレ!!!!ディートフリートだいすき!!
4.少佐生きて、た………………
正直、少佐が生きてたことに違和感しかなくて。いや生きてたことより会おうとしてくれなかったことにめちゃくちゃモヤモヤしてしまった。
お母さんの葬式!出ろや!!!!!!
百歩譲って記憶喪失ならわかったんだけど「帰ってくれ!」でこ、このやろー!!ヴァイオレットやみんながどんな気持ちでっ!!!!ってなってしまった。
生存判明前に少佐らしき人が出てきた時は生きてたと見せかけて過去話か?とか記憶喪失パターンか?とか色々思ったんですがまさかまさか自分の意志で帰らなかったパターンだったとは……
あまりにもエエー!ってなったんで色々感想とか見たんですが、そうか、原作では序盤から生存判明して更にみんなは知ってるって感じなのか、だからこの完結作で最後に原作に寄せたのか。
それとも生きてたって話に、本編製作時の構想から急遽変更したのか。
そう思えてしまった。
というのも、
これは完全に私が本編アニメ+Extraから受け取った主観の感想なんだけど、
本編の描写だと私は少佐は完全に死んだように思えてて、さらにこのヴァイオレットエヴァーガーデンというアニメ自体が、『少佐に依存してしまって無感情で武器だったヴァイオレットが、少佐の喪失を経てそれでも自動手記人形という職業を通して、友を知り人を知りそしてついに愛を知る成長物語』だと思ってたんですよ。
感情のなかったヴァイオレットが、風に、空気に、世界のすべてに少佐を感じて痛烈に『これが愛してるなんだ、と今ならわかる』ってラスト展開が好きで。
更にExtraエピソードがまじでめちゃくちゃ大好きでそこで一度、ヴァイオレットなりの愛の解として『愛はいつも透き通る水のよう』『愛はいつも陽だまりの中にある』ってなったのに大号泣して。(触れられなくてもそばにあるように、で泣いた)
雄弁じゃないヴァイオレットの心から出た答えがこれなんだ!!って感動して。
私がこの物語はそういう一人の女の子の自立、というか成長物語なんだと捉えてたので『実は少佐生きてました〜結局幸せに暮らしました〜』という少女小説的シンデレラ展開にショックを受けてしまったというかなんというか……
も〜〜少佐が迷ってる時にさ!俺があの子を武器にしてしまった!両手もなくしてしまった!って言ってる時におまええええちょっと殴らせろ!海への賛歌聞いたっしょ!?武器じゃなくてもう立派に自立してんだよぉぉぉ手が無くても義手で立派になってんだよ!いつの話してんじゃい!!ってめっちゃ思った(笑)
本編アニメではわりとヴァイオレットの回想で、慈悲深く、やさしく、立派な人…のイメージだったから少佐像がガラガラと崩れ落ちたというか。
特典小説も読みました。特典や映画にあった『少佐自身の弱さ、家名からずっと逃げ出したかった自由になりたかった気持ち』
これさえ知ってたら確かに映画少佐のうだうだにも納得できるのよ!でも特典小説読んだのは鑑賞後なのよ!知らなかったの!
つまりアニメ本編にもう〜〜少し少佐のこの弱さが描かれてたら私も文句言わなかったと思う。
一応本編でもちらっとディートフリートが全部押しつけてしまった的な事言ってた気がするけどそれでも圧倒的に少なかったと思う。
でもやっぱ本編は回想の美化された少佐ばかりだったから映画の生存少佐にはイライラしかなかった。
原作読んでた人は少佐の鬱屈を知ってたっぽいしやっぱアニメだけだからこんなに唐突だなぁと思ってしまったんだろうか〜〜〜〜〜残念。
あと少佐といえば、私は少佐とヴァイオレットの『愛してる』って、性別を越えた、人として、妹として、子供として、家族として、男でも女でも人間でもそうじゃなくても、それら全てを越えた大切な人という意味での『愛』だと感じてたんですよ。
そ、それがまさかの少佐→ヴァイオレットが普通に男女愛の愛してるだったんかーい!ってのも衝撃だった。
いやいいんだけどさ…特典小説でもめちゃくちゃ女としてみててマジか…年齢差…いやいいんだけど…ってなってしまった。
たぶん私自身が恋愛モノじゃなくて成長譚として鑑賞してた事による阻齬なんだろうなぁ〜〜
少佐が生きてた事、再会した事、それら全てが盛大な蛇足に思えてしまった。
と、文句色々思いつつも、
京アニ完全新作作品として、
ヴァイオレット完全完結作品として、
ヴァイオレットにとって一番幸せで嬉しい事とはなにか?と問われたらやっぱり少佐が生きてて再会して幸せに一緒に暮らす事なんですよね。
ヴァイオレットを想えば唐突感や違和感は全て吹っ飛び、海に飛び込み再会した二人に対して「ああよかったね…」と思い、色々駆け抜けたヴァイオレットへのご褒美だとも思えた。
少佐に対しては色々思ったけど泣きながら何も言葉が出なかったヴァイオレットへは幸せになれーって強く思えた。そんな結末。
少佐の扱いに対しては色々不満もあるけど、アニメだけ追ってた者には映画としても、ヴァイオレット完結作としても綺麗な終わり方だったと思う。
映像美は文句なしだし、音楽もいつも通りよかった。
影や焦点の当たり方の画面も見てて飽きなかったし。
アンの孫によるヴァイオレットを辿る冒頭とラスト、本編ヴァイオレットの仕事が達成した事もわかるし、過去の関わった人達が出てきたり、先述の通り時代の移り変りとそれでも変わらないもののよさとか、うまく二時間半にまとまっててよかった。
なにより功績からヴァイオレットが記念切手になっていた………というオチが素晴らしくよかった〜〜〜
すみれ色の切手、すごくよかった。
あと、エンドロールの不意打ちのお名前につらくなって最後にまた大泣きしたりした。
少佐ターン入ってからまったく泣いてなかったのに最後にマスクぐしょぐしょになった。見られて良かった。
ツイッターでは最初から最後まで大絶賛が多くて、ほんとに?みんな少佐あれでいいの?と首を傾げていたので以上正直な感想でした。
ここからどうでもいい話。
ツイッターの絶賛感想との阻齬を感じた時に思い出したのが剣君実彰さん√。
私は実彰さんの剣姿が好きで剣士のまま幸せに生きる道はないのか〜〜と思ってたんだけど、幸魂から察するに、剣を捨てキリシタンとして香夜ちゃんと穏やかに生きる事が実彰さんの求めてた幸せなんですよね。
実際さねかよ好きの人の創作見ても圧倒的隠れキリシタンED好きな人が多くて。
たぶん私が職業を突き詰めた人というか、恋愛ではなく、専門の道を突き詰めた孤高のキャラクターが好きで(ハッだから月森ひいては月日が好きなのか…)。
ヴァイオレットにもそうであって欲しかったのかもしれない。
でもヴァイオレットの幸せを考えればこの上ない最上のものだろう。
死んだかもしれない人が信じてたら生きて無事に再会できた、だれもが願った結末を見せてくれたなって思う。
あ〜完結したのか〜という余韻を感じつつ、以上感想でした。
P.S
観てない人は頼む!スペシャルのExtraエピソード、オペラ歌手のやつ絶対観て!!!!!!