小話

(落乱) 鉢屋
11/12/25 23:08







ぴんぽーん


「はーい今開けまーす」

「よっ。遅くなってわりぃ」

「鉢屋。寒かったでしょ、あがって」

「この家も寒いっちゃ寒いけどな」

「うっさいじゃあ入るな」

「ちょ、待てって!」

「早くー」

「おじゃまします」

「ココアでいい?」

「おう」

「分かった」







「へいお待ち」

「寿司じゃねーだろココアだろ」

「えへ」

「ったく…」

「で、こんな遅い時間にどうしたの?昨日のプレゼントは明日って話?」

「鋭いな」

「絶対そうだと思って」

「ったく、がめつい奴だな」

「わるーござんしたー。待ってたんだからね。昨日、また明日な、って言って別れたのに来たのはこんな時間。もうクリスマス終わっちゃうよー」

「イブは1日中一緒だったから良いだろ。それに、俺今日仕事だったし」

「あれ、仕事だったの?」

「ああ」

「そっか」

「あ、そうだ。これつまみな」

「たべっこどうぶつ!」

「ほんと好きだよな」

「はっ、まさかこれがプレゼ…」

「ちげーよ」

「鉢屋だからあり得るかな、と思って」

「ふざけんなよお前」

「ごっめーん」

「こっちが、プレゼントな」

「おや、微妙な大きさの箱だね。時計…という大きさじゃないし、」

「開けてみりゃ分かる」

「んー」

「……」

「……え、鍵?どこの?」

「家」

「だれの?」

「俺達の」

「達って?」

「…俺とお前、の」

「え?え、」

「家、建てた」

「は、え?うそ」

「ほんとだよ。駅もデパートも近いしかなりいい場所」

「う、そぉ…」

「一緒に住みませんか?」

「鉢屋っ…、もうほんと、大好きだ…っ」

「おいおい泣くなよ」

「だってぇ…!」

「で、どうなの?」

「もち、もちろん、よろこ、んで…!」

「ま、断る理由なんてねーだろーな」

「はちやぁぁあ」

「おっと、もう鉢屋は終わりな。その内お前も鉢屋になるんだし、いつまでもそれはねぇ…」

「三郎ぉぉお」

「よし。えっと、明日…は仕事か。明後日、家具見に行こうな」

「うん、うんっ」

「はは、ひでー顔」



***
ながい



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