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あるところに、
わたしがいて
あなたがいました。


ある日、
嘘つきな人が
嘘をつきすぎて
口が裂けてしまいました。

正直者のあなたは
正直者の口をあげました。

でも
嘘つきが正直者の口で
生きる事はできませんでした。

口をなくしたあなたは、
嘘つきのために
声にならない声で歌い
泣いてばかりのわたしに
キスをくれました。





ある日、
手癖の悪い人が
手を切り落とされてしまいました。

善意のあるあなたは
善意の手をあげました。

でも
手癖が悪い人が善意の手で
生きる事はできませんでした。

手を失ったあなたは
手癖の悪い人のために
足で花を摘み捧げ
不安で押しつぶされそうなわたしを
抱きしめてくれました。





ある日、
逃げ足の早い人が
足を折り曲げられてしまいました。

立ち向かうあなたは
立ち向かう足をあげました。

でも
逃げ足の早い人が立ち向かう足で
生き延びる事はできませんでした。

足を失ったあなたは
逃げ足の早かった人のために
転がって死に顔を看取り
黙って出て行ったわたしを
迎えにきてくれました。





ある日、
わたしのくすんだ心が
砕け散ってしまいました。
わたしは人ではなくなりました。

清らかなあなたは
清らかな心をくれました。

でも
わたしはくすんだ心でしか
生きられない人です。

心を失ったあなたは
それでも微笑みながら
わたしに刃を渡しました。
そして、





ぼくをころして
こころにくすみをつけて





でも
清らかな心をもらったわたしには
あなたに刃を突きつけることが
できませんでした。

わたしは自分の体に
刃を刺して死にました。





心を失ったあなたは
ただ、ただ、微笑んで
わたしのそばで静かに
眠りにつきました。


まとまらない言葉を
まとまらないまま
好き勝手に述べる
精一杯考えて
最後に出た言葉が
今日のまとめ
ということにしておこう

明日に踏み出せそうな予感
感じた…?




くらい暗い辺りが暗い

私はベッドに寝そべって
暖かい布団も被ってる

寒いさむい辺りが寒い

つけた灯りも
私の瞳も光がない


この場所が嫌いなわけじゃない
居心地悪いわけじゃない

今だけ、そうきっと今だけ
違う場所に焦がれるのは
背中に手を回したいのは

瞼で1日に蓋をして
私はさらに暗闇の中へ


1人また1人離れていく
そばにいるのが当たり前だったのに
大切な思い出だったのに
1人、また1人

人の蓑が剥がれ落ちて
私の素肌が晒される

温もりが足りないの
湿り気が足りないの
脆いの、弱いの、怖いの
削れて傷付いて腐って落ちて
助けてと言えた時には
気がつけば
誰もいない

絶対に剥がれない家が欲しい
戯言得意な私、蓑虫


殴られて切れた下唇
流れ出た汁から私の味がする
上八重歯の穴に居場所を感じる

まだ手を握れるのなら
心安らぐまで傷つけて
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