2013年1月29日 20:48
第二話 【笑い=恐怖】

扉を開くと、また客両があった。駅員さんは一番 奥からか3番目のドアに向かい胸ポケットから不思 議な形の鍵を取りだしドアをあけた。

カチャ

ガラ ドアは開けられ中に入った。私も遅れて入る。その 部屋は真ん中に丸いテーブルに両端にオレンジ色の ソファ。そして窓。シンプルな部屋。そこにすでに 座っている駅員さん。

「…座って」

『あ、はい』

言われて向かい側のソファに座る。

「…」

『…』

無言。無言…無言 あ、この空間キツくなってきたも…。駅員さんは探 るような目で私を見る。それと同時にピリピリとし たオーラが駅員さんから放たれる。思わず生唾を飲 んでしまいそうになる。無言と威圧感に全身が震え る。あ、変な汗かいてきた。

『えっと…』

言葉が震える。涙が出そうだ…。膝に置いてる手が スカートにシワを作る。口がひきつる。怖い…それ だけが頭を一杯にする。額に大粒の汗が頬を伝い顎 を濡らし落ちる。すごい逃げたくなる。ドアを開け れば逃げられるけど…

腰が抜けて動けない。

うん。我ながら情けない。だってマジで腰が抜けて いるのだ。それにもし腰がぬけていなくても脚が絡 まって転ぶことはわかってる。で、なくても朝から の漫画的な不運が続きまくって体がボロボロなのに …。

『…は、ははははははは…』

笑いが出てくる。止まらない。今までだって嫌なこ とや危険が迫ってたとき自然に笑いが何故か出てき た。それを皆おかしいというけど私のとったら普通 なわけで……。そんなことはどうでもいいんだけど wつまり何がいいたいかっていうと

笑いすぎてマジで止まんない

ということ、無音だった客室に私の声が響く…駅員 さんはというと…

「……!」

…目を見開いて固まっていた。そうだよこれが普通 の反応。あぁ、腹筋崩壊。そろそろ止めようか。口 に手を当て止めようとする。若干酸欠。口のなかで まだ笑いが残ってるらしい。喉のなかでクツクツと こだまする。それだけ身が危ないと思っているらし い。私のなかでは笑いの度がの変化でどれだけ危険 かがわかる今はレッドゾーン…。あぁ、可笑しい。

『っ!………っはぁ』

息を詰めてわたしのなかで暴れまくっていた"笑い" は治まった。だって、駅員さんが威圧感を止めてく れたから…

「……大丈夫か?」

『ええ、スッキリしました。ありがとうございます 。』

するとまたかたまってしまった。それにまた笑いそ うになった。
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