話題:最近買った漫画
それでも佐治なら…佐治ならなんとかしてくれる…。
※ネタバレあり。先日買ったこの漫画の詳しい感想を書いてみました。
追記より。
読んだ後思ったのが、とにかく悲しいって事だった。
そして読んだ後しばらくしてから思ったのが、「これ、須藤さんが会長を撃てば丸く収まるんじゃね?」という畜生染みた感想だった。
(今から飛び抜けてクズなことを言います。)
その報われない人生を他人の役に立てるための最後のチャンスじゃん。須藤さんが会長を撃って、そのあと自殺するか逮捕されるか殺されるかは関知しないけど、とにかく須藤さんが会長を殺せば、菊池は新谷とハッピーにエンドですよ。(二人がヤクザから解放されるかは微妙なところですが。)
そうすればどうしようもない須藤さんが、須藤さんだけが、不幸を一身に背負って地獄行きなだけで他の人はハッピーですよ。そう、佐治が言う「痴情のもつれで殺された」という建前も、愛人である須藤さんが会長を殺したとなればオールオッケーじゃないですか。ね?
そう。
須藤さんだけが、かわいそう。
それで丸く収まる。なんて、そんなの…
そんなの耐えられない…。
3巻読了の現時点で、すでに須藤さんがかわいそうでならない。菊池はある意味もう報われたでしょう。菊池はどん底なりに幸せになれているよ。例え僅かな時間だとしてもね。
でも、須藤さん。須藤さんが「愛してる」とまで言った新谷と、援交や脅しでしかセックスできてないし、ましてや新谷の気持ちを手に入れることができた事なんて、全く無い。新谷だけじゃない。たぶんこれまでもずっと愛してほしいのに愛されないで、誰からも必要とされないで生きてきたんだよね。
そして今は覚醒剤で身体も心もボロボロですよ。そこから這い上がることって出来ないんじゃないかな?そろそろ限界そうだよね、須藤さん。トイレでのシーン見るに禁断症状半端無さそうだし。これはもうすぐ死ぬのかな…。
願わくばその死の間際に、一瞬でも幸せになってほしい。自分の人生は糞だったけど、この一瞬のためにあった人生だったんだと思えるような何かが欲しい。悲しいこともあったけど、最後は微笑んで死ねますように。
なんだか須藤さんが死ぬことが私の中で決定事項みたいだけど、そんなことないです。ほんとは生きていて欲しいし、須藤さんが菊池の代わりに会長を殺すエンドは色々良いこと無さそうだからあんまり期待したくない。(でもその未来しか見えない…。)
そして最近やっぱり気になるのが、佐治ですよ。
こいつよく分からないんだけど…。何者なの?
ただの出世したいだけのヤクザさんなんですかね。ただのクズなんですかね。というか、菊池と新谷はもちろん駒の一つなんだろうけど、須藤さんも駒の一つなんですかね?
だったら須藤さんに会長を殺すように仕向けることってできなかったのかな?だって何年も須藤さんの世話をしてきた風なことを言われていたよね、同僚(?)のヤクザから。ならそう仕向けることだってできたはずでは?
ちょっとこれは願望なんだけど、佐治は須藤さんのことをもう少し大事に思ってたり…しないかな…。ただの駒、ただの会長の愛人とか、そうじゃなくてさ…。須藤さんを見ていて可哀想に思ったとか、同情とか…無いかな…無さそうだな…。なんとも思ってなさそうだもん佐治…。ましてや愛情なんて望めないよね?そうだよね?(ほんとは佐治が須藤さんを好きでしたエンド…は、あまりにもご都合主義過ぎですね。二巻で菊池を虐めながら「ソッチの気は無い」とか言ってたし。)
もう一つ願望なんだけど、もし、もしかすると、ひょっとすると、本当に上で書いたように須藤さんが会長を撃つ流れになるかもしれない。だとしたら佐治はそれを阻止してはくれないかな。阻止して欲しいなぁ。(阻止しないだろうな…。)
須藤さんが報われますように。あまりにも悲しいです。
(そしてその悲しさがあってこそ「寄越す犬、めくる夜」という素晴らしい作品の純度を上げているんだと思う。)