月曜日の水玉模様/加納朋子/集英社文庫



いつもと同じ電車、その同じ車両、同じつり革につかまり、一週間が始まるはずだった――。
丸の内に勤めるOL・片桐陶子は、通勤電車の中でリサーチ会社調査員・萩と知り合う。
やがて二人は、身近に起こる不思議な事件を解明する〈名探偵と助手〉というもう一つの顔を持つように……。
謎解きを通して、ほろ苦くも愛しい「普通」の毎日の輝きを描く連作短編ミステリー。

***

これも再読です。

加納作品はドラマ化された『てるてるあした』等で人気を博しているので、お好きな方も多いのでは無いでしょうか。

私が初めて出会った加納朋子作品は『ななつのこ』でした。当たり前過ぎて済みません。

勧めてくれた相手は友人で、その説明は「北村薫に似ているよ」というものでした。

読んでみると確かに良く似ているのですが、北村さんが温もりあるミステリーなのに対して、加納さんはやっぱりほろ苦いかな、と思います。

共通してどちらも優しい文章を描き、北村作品の主人公は時々哀しい思いをするのに対し、加納作品は時々苦い思いをする、そう言えば伝わるでしょうか。

北村作品の哀しさは胸が張り裂ける様な痛烈さを帯び、加納作品の苦さは鈍い痛みを感じます。それ位の違いがある。

加納さんの文章は優しいのですが、優しさと共に抉る様な痛みも兼ね備えた恐るべき文章です。

***

この物語は主人公である陶子の月曜日から日曜日までを描いた連作形式になっています。

一応日常のささやかな謎を描いた“日常系”というミステリーに入るのでしょうが、社会に出た試しのある方には胸にズーンと響く複雑な思いが去来すると思います。

社会人として社会で生きるリアルな感覚が陶子を通して伝わります。

学生の方には難しいかもしれませんが、社会に出ると“ムカつく会議があるからボイコット”とか、“ムカつく奴の発言だから野次でかき消す”とか、そうそう出来ません。

どんなに苛々する依頼内容でも取り合えずは笑顔で聞かなければなりませんし、上司に言われたらやりたくない仕事でもやらなければなりません。

どんな人間にも苦労があって、自分の思い通りに行かない事も多くて、それでも自分の気持ちをセーブして生きなければならない局面も多くて。

それでありながら強く逞しく生きる陶子の姿には、大人として生きるマナーを教わった気がしします。

自由に生きる訳でも規律に縛られて生きる訳でも無く、要領良く生きる陶子は大人の女性だ、と思いました。

***

一番好きな物語は『土曜日の嫁菜寿司』です。再読前から好きでしたが、再読したら余計に好きになりました。

ババロアケーキに割と決定的な告白をフルーツで書いて、好きな男の子に渡した女の子。

しかし彼からはそれに対する返答は「美味しかったよ」以外に無く、フラれたんだと落ち込む彼女に陶子は「諦めるのはまだ早い」というのでしたが、その言葉の意味は?

…という、実に素朴なミステリーでした。

次点が『水曜日の探偵志願』です。

ワトソン役の萩がかつて、好奇心からとある男性を探偵よろしく尾行した事がある、という内容を語るミステリーです。

ミステリー好きなら1度位は「この人、何者なんだろう?尾行してみようかな」と思った事がある筈です。

尾行とは心躍る大冒険だと思います。

そしてそうやってワクワクしながら読み進めて行くと、最後に返し技があるのです。

ちなみに主人公・陶子はワトソン・萩に好かれていて、その恋模様は萩の一人相撲になりつつありますが、それでもめげない前向きな萩は可愛いと思います。

ベタベタした恋愛ものが苦手な方にもお勧め出来る1冊です。





「そうじゃないの、さっきの話。普通は生活の中で、何かおかしなことに出くわしても、結局はその理由ってわからないことが多いでしょ。今回だってそういうものだと思っていたわ。でも時間を作って調べてみて、それから萩君に話してみて、そしたらちゃんとわかっちゃったんだもの、驚いた」

石包みのネックレス。

こんにちは〜、彼方です(*´∇`)

(かなり)久々に、作品なんかUPしてみます。

ヘンプ作品は初めてですが、気が向いて製作した物です♪

***



始まりはこのネックレスでした。

トップの石をヘンプで石包みにして、上に適当なビーズを付けて、首の後ろは蝶々結びで結んで提げる、という作品。

本当は2本作って二重に提げるとゴージャスで可愛いのですが、力尽きて…(汗)

真っ白いかぎ針編みチュニック(※市販品です)の胸元が寂しかった為、何と無く提げていたら母が、

母「これ、どうしたの?」

私「作った(`´)」

母「Σ嘘?石、どうやってんの?これ」

私「穴が空いて無いから、石包みというテクニックで包んだ。ビーズは纏め買いした福袋のヤツね」

母「だって、この編まれてる部分は…」

私「そういう結び方が存在するのね^^残りは三つ編みして行くだけだから、大した事無いわ」

母「おかんも欲しい(゜∀゜)!」

たまたま説明調の会話をしたので、ブログ書く時まで覚えていたら記事に書こう〜♪と思っていたのですが…またもやクレクレされました〜(笑)

***



母に作ったネックレスがこちらです。

トップの石を選んで貰おうと思い、手持ちの瑪瑙とかの研磨された石達を見せたら「綺麗〜!迷う〜!」と。

結局、赤に微妙に霜降りの様に黄色が混ざった瑪瑙にしました。

ヘンプの色やビーズは自由に決めて良いと言われ、妹にアドバイスを貰いながら何とか仕上げました。

1枚めと違う点は、ネックレスの紐に留め具代わりにウッドビーズを通した、という所。

余裕で首が入るサイズに仕上げて置いて、ウッドビーズの左右から紐を引くと、少し短めにもなったりして、長さの調節が可能なタイプにしました。

1番上の、白に藍色ビーズはお気に入りだったダイソーの陶器ビーズ。

私「こうやって紐を引くと、長くなったり短くなったりするのね」

母「良いなぁ〜!これなら会社の人達も欲しいって言い出すかも…ぐふw」

私、今は忙しいから勘弁してね^^;

母は最近天然石に興味を持ち始めたらしく、外国人が経営しているお店に通っています。

お洋服屋さんでも、可愛いネックレスがあるとついつい買ってしまいます。

だから、ネックレスと聞いたら欲しくなったらしい…(;´`)

***

ラスト。



自分用のネックレス。やはり石包みです♪

トップの包む部分をやたらと細かく編み過ぎて、小さい石しか入らなくなってしまいました…私のミスです。。

予定していた石ではどうやっても入らない為、石の在庫から探しに探して、漸くぴったり来るのを見つけましたヽ(・v・)ノ

結果的に、この碧色でも良かった気がします。綺麗です。

サイズは小さいですが、その分軽いし(笑)

上にはこれまたお気に入りだったダイソーの鼈甲風とターコイズ風のビーズを付けました。

難点は1つ。

後ろの留め具代わりのウッドビーズが色落ちした事(´・ω:;.:..

これだと売り物にはならないなぁ…。

色落ちしないウッドビーズを探しています。。

***

たまにはヘンプも良いものでした。

次はミ.サ.ン.ガとかブレスレットとか指輪とか…ヘンプで編んでも可愛い作品が作れますから、色々作ってみたいです♪

巷説百物語/京極夏彦/角川文庫



怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議な者たちと出会う。
御行姿の男、垢抜けた女、初老の商人、そして、なにやら顔色の悪い僧――。長雨の一夜を、江戸で流行りの百物語で明かすことになったのだが……。
闇に葬られる事件の決着を金で請け負う御行一味。その裏世界に、百介は足を踏み入れてゆく。
小豆洗い、舞首、柳女――彼らが操るあやかしの姿は、人間の深き業への裁きか、弔いか――。
世の理(ことわり)と、人の情(なさけ)がやるせない、物語の奇術師が放つ、妖怪時代小説、シリーズ第一弾!

***

小股潜りの又市、山猫廻しのおぎん、事触れの治平、考物の百介。小悪党一味(百介は違いますが)が妖怪の力を借りて、四方八方を丸く収めて事件を解決する人気シリーズの第1巻です。

京極作品の中だと妖怪シリーズ(京極堂シリーズ)と同じ位有名で、メディアミックス化されているので、知っている方もいるかと思います。

DVD化しました。“京極夏彦 怪”で検索すると見つけられます。


「京極夏彦 怪 七人みさき」

他、アニメ化・漫画化等されています。

映画化こそされていませんが、作品世界のリンクした『嗤う伊右衛門』(京極夏彦・角川文庫)は映画化しています。

***

京極作品に共通して言えるのが、言葉に含まれる力の使い方が上手いという所では無いかと思います。

デビュー作、『姑獲鳥の夏』(京極夏彦/講談社文庫)の主人公・京極堂は本屋兼神主兼拝み屋です。

人から憑き物落としをする際、その人に合った適切な言葉を使います。

この『巷説百物語』の又市も、正にそんな感じです。

口八丁手八丁、舌先三寸二枚舌。口先だけで世を渡る弥勒三千の小股潜りです。

このシリーズを読んでいると、私も言葉の力を強く感じます。

きっと又市が平成の現代に生きていたら、弁護士とか政治家になれたと思います(笑)

良くもまぁこんなに…と呆れる程に又市は口が達者です。

日本語に酔いたい方は是非、読んで頂きたいものです。

***

小悪党一味は事件解決の為、それぞれに役を割り振ります。

あやかしの役を引き受けたり、裏方をしたり、表舞台に立ったりします。
その為、彼等は如何にも初対面であるかの様な話し方をしたり、役になりきる事が多いです。

そんな彼等が舞台を降りてオフレコで会話している場面を見るのが心臓に悪くて仕方ありません(笑)

又市とおぎんとか、又市と治平の喧嘩友達的な小競り合いに萌えます。

仲が良いから言える皮肉の応酬をしていて、そんなキャラクター同士を見ていると動悸がして背筋がゾクゾクします。

やっぱり京極キャラクターが好き過ぎる!

単に貶し合っているだけでは無く、やっぱり言葉の力を借りて事件を解決している一味なので、特に又市は自分の言葉が発する力の強さを良く解っているみたいです。

言葉の力、そして妖怪の力を借りて、四方八方丸く収めてもそこはかと無く残るやるせなさ、切なさが大好きです。

楽しい会話、そしてある意味ミステリー的な展開にゾクゾクしながら読んで、最後はどこかやるせなく、切ない読後感です。

短編集なので、普通の京極本を読むより遙かに読み易いかと思います。

***

ちょっとだけ腐的妄想。苦手な方はリターンして下さい。

又市×百介イイネ!

巻き込まれて小悪党一味に参加、結果的に上手く順応して行く百介はかなり又市の手の上で踊らされていると思います。

最後の物語、『帷子辻』では又市が昔の話を告白して、珍しく落ち込む小股潜りに庇護欲煽られまくりでした…。

又市と百介のあの辺りの会話は、何回読んでも百介の背中どつきたいです…又市慰めてやれよ、と。





「悲しいやねえ、人ってェのはさあ」

絵描き脳エクササイズ。

こんばんは♪

眠気の抜けない彼方です(゜゜;)

はぁ…眠い…。

熟睡出来れば良いのですが、出来ないからなぁ…。

眠剤でも飲んで、ぐっすり寝た方が良いのかもしれない。

相変わらず居眠りも毎日しています。だって眠い…(=_=)

今日はお買い物日記。

***

セリアに行きました。



母があまりにも、モチーフのバッグを誉めるので、材料をまたも購入。セリア製。

前にUPした分に使ったのは“いろどり彩色”でしたが、今年は売っていないのだからどうしようも無くて。

仲間の“彩色・杢”を買いました♪

“彩色・杢”はベスト(自分用)を編みたいなぁ(*´∇`)

何色にするか決めていないけれど、赤はパスかな(汗)

この赤は似合わない気がする。

ウエアを沢山作りたいのですよ。無いから。

バッグにはアンティークモールも必要ですが、一応あるからそれを使って製作しようかな。

***



塗り絵。セリア製。

何と無く目に付いて、面白そうでついつい購入ヽ(≧ω≦)ノ

表紙はボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」ですが、中身はダ・ヴィンチの「モナ・リザ」やゴッホの「ひまわり」、後は私が好きなルノワールの「ピアノに向かう娘たち」なんかもあったりします♪

計8枚が収められていて、何で塗っても良いみたいなので、塗ってみようかな。

色鉛筆程度しかありませんが、塗ってみれば楽しいかもしれない。

前にTwitterで「大人げない塗り絵」というツイートと一緒にUPされた画像があり、

見てみたら、それはどこにでも売っているプリキュアの塗り絵を、コピックやホワイト(多分)でがっつり塗ったというものでした。

女児用の塗り絵が輝いていて、あれは本当に凄かったなぁ(*´`)

名画はコピック塗りに向かない気がしますが、他の画材で気の向く侭に塗ってみます♪

ダイソーにもこんな塗り絵、あった気がするなぁ。。。

久々に行きたいな、ダイソー。

***

ラスト。



ボディシェーバーです。セリア製。

見つけた時にとても興味を惹かれ、購入してみました(・v・)

脚みたいな、広範囲を一気に剃るのに便利です。

替え刃も付いていて長持ちしそうですが、水洗いしたら中に内蔵されている替え刃は錆びたりしないのか、若干心配。。

錆びないの(;´`)?

もう使ってみましたが、確かに剃り易くて良い感じでした。

問題は、替え刃が即座に錆びないかどうか。

ちなみに私の場合、お風呂用品は小さい籠に纏めて入れて置いて、お風呂に入る時は籠を持ってお風呂場へ向かいます。

そうやって、湿気の無い部屋に移動させて置けば錆びないかもですが…

お風呂場にずっと置いていたら、錆びてしまうんじゃないかなぁ(・ω・`)

まぁ、それはこのタイプのシェーバーに限った事では無いけれど(汗)

***

塗り絵はとても楽しみです\(^ー^)/

色を塗る、という行為は脳全体を活性化させて行う行為だそうで、疲れた脳を日々のストレスから癒してくれるのだそうです。

UPした画像の塗り絵の監修は、脳神経外科・心療内科の専門医の医師でした。

最近脳がフル稼働気味だから、ちょっと癒しを求めてみようかな(≧ω≦;)

大人の塗り絵、という言葉を最近良く聞く気がしますが、そう言えば完成作品というのはまだ目にした事がありません。

検索したら見られるかな?

1度、見てみたいものです♪





塗り絵、チラッと色鉛筆で塗ってみた分を添付。

面白い!

お花モチーフのグラニーバッグ。

おはようございます、彼方です(*´∇`)

グラニーバッグを編みました♪



見辛いかと思いますが、ピンク、青、紫のお花モチーフを、しっとりした手触りのモールヤーンで繋いであります\(^ー^)/

たまにはバッグも良いかも、と思い、去年購入してあった毛糸の袋を開けて、作りました。

2日で完成です♪



母に見せた所、「ボタンでか過ぎじゃね?横から見たら出臍みたいじゃんw」って…(汗)

出臍、ってこんな臍の人なんか漫画でしかお目に掛かった事無いわ!!

編み図には無いのですが、完成写真にはあるので、色々考えて作ってみました。



私の左手と対比すると、結構大きい事が解るかと思います。

って、あまり解り難いですが…。

モチーフは8cm程の大きさです。

編み図は去年のぴえろさんの本の物(セリアで購入)、使用糸はアンティークモールといろどり彩色(共にぴえろ)。

本に掲載された作品と全く同じ色です。

***

母に見せてみたら、「可愛い!」と騒いでいました。

母「直ぐ出来るんでしょ?」

私「うん、まぁね。これは2日で完成したし」

母「会社に持って行って、オーダー取って来ようかなw」

Σ(´д`;)止めて!!

私「私、暇が無いって話してるよね;´`ろくに寝てる暇も無い、毎日必死になってるって」

母「そうだっけ?」

嗚呼、何でこんなに忘れっぽいんだ…。

「もう1個作ろうかな〜」と呟くと必ず「おかんがオーダー受けて来てあげるw」と返します。

はぁ…。

祖母に見せたら、祖母も何か言いたげな顔をして見ていました(;´∀`)

私「婆ちゃんも欲しい?(笑)」

と試しに訊いてみたら、頷くのが見えた様な…。

ちなみにこの作品は、セリアに毛糸を買いに行った時に、好みの毛糸が手に入らなかった事がショックで、鬱憤晴らしをする為に集中して作ってみました(笑)

確かに、もう1個位あっても良いデザインだなぁ(*´∀`*)
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