黒博物館ゴースト&レディ
藤田和日郎

某所でも書いたんだけどこっちでも。
軽くネタバレあるので見たくない方はご注意下さい。


読後、読みきった満足感でいっぱい。
登場人物がナイチンゲールとわかった瞬間、あれこれはもしや月光条例系なの?と一抹の不安に襲われたけどなんのなんの。
人は知らず誰もが生き霊をもち、人の目には映らないが互いに攻撃しているというとんでも設定をぶちこんで実在の人物に落とし込み、その人格と行動に説得力をもたせて物語を展開する藤田先生のすさまじい力量を見た。
そして絵で語る。
ひとコマのキャラの表情や仕草から読み取れる情報のなんと多いこと。
フローの感情に忠実な表情は一級品です。
そしてグレイが喧騒に包まれた劇場で「静かでいい」と宣う姿に興味を引かれ、自分を取り殺せと言うフローのはりつめた表情を見た瞬間もう完全にゴースト&レディの世界に入り込んでました。

グレイと一緒にいたくて一生懸命なフロー可愛いなぁ。
愛する人を見送るグレイが一瞬見せたやりきれない思い。
ふたりの交錯する思いが切ないいぃ。泣かせやがってちくしょう。

ひとつだけ気になるのは、女であり男でもあるという殺し屋デオン。
男でもある…?え…じゃあそのたわわな乳は一体…。
確かに初見は随分男前な顔立ちだと思ったけどどう見ても立派過ぎるくらいご立派なチチが2つ…。
?…???
なんだろうここはきっと理解するんじゃなく感じるところなんだ。きっとそうだ。

最後に…読み終わって思わず調べた人物がふたり。
料理人アレクシス・ソワイエと軍医ジョン・ホール。
実在の人物なのに記録がなくて謎が多い。不思議な人達だ…。