生存確認
モ゛氷(dcst)
2020/8/29
01:26
いたずらな風が、想い人の纏うマントを捲り上げる。そこそこの重量を持つそれがはためく度ばさばさと音が立ち、その音を拾う度顔がそちらへと向いてしまう。
太ももまでを覆う長靴に包まれた長い脚、太ももさえ覆えない程短い腰巻きに包まれた形の良い尻。運がよければ、腰巻きまで捲れて下着を拝む事も出来る。さて今回はどうなるか。
「っ……、」
「ッ!!!??」
強風が持ち上げたのはマントだけではなく、邪魔な腰巻きもだった。よっしゃ、と心でガッツポーズをしたのも束の間、俺の目は晒された下半身から外せなくなった。
短い腰巻きの下、いつもならば褌が顔を見せるが、今回はそれがない。余計な布が巻き付いていない、ただの尻がそこにある。
「…!? ……!!? ………!!!??」
戦士らしく逞しい筋肉の隆起した、きゅっと上がった小振りな尻。ヨーとかいう奴がキリサメちゃんを見て言っていた、あれはノーパンと言われる状態だ。何故だ。
「…あぁ、クソ。やはり駄目か…」
風が収まった頃、氷月が忌々しげに呟いて、背後で硬直する俺を振り返る。私は一度戻りますとか言っていなくなったけど、俺は何て返したのかすら覚えてない。
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