2017.11.25 02:20 [Sat]
2016本


ねじまき鳥クロニクル1/2/3 村上春樹
久々に春樹の世界観を味わいたくて積読解除 やっぱり斜に構えて無感動気質な「僕」とクールで世界から距離を保つ「少女」が出てくる 意味わからないシーンも多いが、全体を通して印象深いシーンがいくつもある。井戸のシーンの光、皮剥ぎのシーンは物凄かった 知り合って間もない友人と語り合えた 妻に浮気されて逃げられるが、この主人公だったら私も一緒にいるのつらい


漁港の肉子ちゃん 西加奈子
西加奈子本人が思いを詰め込んで書いた作品 お母さんの愛 情景がこんなにも思い浮かぶものだろうか 人間ってなんだかんだでやっぱり素敵だと思わせてくれる 肉子ちゃん愛しい


美少年 団鬼六
団鬼六って意外と読みやすい 妻の不倫に生々しい描写 性描写がリアルでマニアックで変態
なのに文学的でずっと面白い 短編集だが最初の妻の話が最も印象深い


嫌われる勇気 岸見 一郎  古賀 史健
父に貰い受けた本 想像以上に影響力が強かった 哲学者と青年のやり取りにおいて身近な悩みを自分と重ね合わせた


アドラー流 一瞬で心をひらく聞き方 岩井俊憲
アドラーへ影響を受けて派生本も買ってしまった 一度読んだだけだといまいち入ってこない内容 再読予定


社会人一年目からのお金の教養 泉 正人
お金の知識はあるべき 本文組も面白い 日本経済を学びながらお金に依存しない生き方を目指す


殺戮にいたる病 我孫子武丸
これは稀に見る大当たりだった 今年度のベストは確実 叙述トリックの完成形を見た
文章中に気がつかないくらいの絶妙な伏線、生々しくもどこか美しい描写 ラストの驚きと事実
実直で品のある文章 ああ本当に面白い本に出会えることの喜びよ! タイトルも秀逸だなあ


けむたい後輩 柚木麻子
柚木さんは女を描くのが上手 とくに嫌な女を。『甘辛カルテット』は非常に良かったがこちらはもやりとしこりが残る終わり方 主人公のなんでもできちゃう感と先輩のいけすかなさ 周りを取り囲む男と本人の愚かさ


雨天炎天 村上春樹
春樹は小説よりもエッセイの方が面白いのではないか? 旅行記なのだが基本文句しかない
何かを食べても旨くないとか歩き疲れたとか「ピニャコラーダをカウンターバーで飲むおしゃれな僕」などが出てこない春樹の素の文章が本当に新鮮でめちゃくちゃ面白い 笑わせる意図がないのににやける雑文がシュールで最高だった 春樹の本の中でも上位 タイトルも好き


四季(春) 森博嗣
森博嗣が書く「天才」とは 謎に包まれた美少女の生い立ち 森博嗣の小説は全体を通して計算し尽くされた美しさのバランスがある ラストの文章に鳥肌
「今は春。彼女はそれを思い出す」


猫道楽 長野まゆみ
表紙も可愛いし中身もいやらしくて可愛い 猫の意味はああそっちね 青年や少年がおおいに耽美であった 一番最初の物語とお風呂へ入る物語が良い


我が性と生 瀬戸内晴美
光浦靖子推薦 エロ話を淡々と面白おかしく語る文章はチャーミングだなあ そして勉強になる
フリーダムで奔放さも素敵 「おとうと」の幸田文の思いがけない登場には笑った 昔の文学を学べる 本人の出家前と後の文通としたやり取りという発想が素晴らしい 晴美さんのあっけらかんさよ


大人の女はどう働くか? ロイス・P・フランケル
代官山蔦屋でおしゃれに購入 想像以上に実践的で参考になる 仕草や考え方まで きっと知的でいい女になれる


七回死んだ男 西澤保彦
今年のミステリは豊作で参る 主人公の高校生が最高に魅力的(理屈っぽくおじさんくさく少しキョンっぽい)とにかく読みやすく映像が流れる キャラクターの書き分けも凄いしギャグのセンスも抜群だ 二日で読んだ 発想の豊かさに心踊る


どんどん橋、落ちた 綾辻行人
十角館しか読んだことがなかったが新本格でメディア露出もあり有名な彼(京大ミステリ研)
変化球な短編集だった 他者の批判「人物が描けていない」ことを意識する綾辻氏 本編より、解説の篠原美也子の文章の方がいい 彼女の自然で飾らない文体がとても好ましかった


ハサミ男 殊能将之
なぜこんなにも面白い作品が書けるのか 年間ベストに躍り出る 叙述トリックだが全く最後までわからずしてやられたり 「ハサミ男」の考えや行動が知的で全く隙がなくてクール ラストの余韻も最高


京都ぎらい 井上章一
久々に新書 京都人に対する鬱屈したひがみ精神がとても面白い 「肥をくみにきてくれた」根に持ちすぎとか京都の人はそこんところをかみしめてほしいとか後醍醐の怨霊化とか笑う 京都女性のものごし柔らかだが鼻に付くしゃべり方の再現も非常にうまい


うつくしい人 西加奈子
西加奈子にしては鬱屈としている 瀬戸内のベネッセハウスが舞台 悩みすぎの主人公だが救われるものがある 「あなたは誰かのうつくしいひとだ。あなたが誰かをうつくしいと思う限り」
情景が浮かぶのがこの作者の素敵なところだ



2016.1.25 02:07 [Mon]
2015本


有限と微小のパン 森博嗣
S&Mシリーズついに最終巻 萌絵の恋がはっきりとは実らず、彼女が孤独を知るという切ないラスト
やはり四季の物語でもあるのだった また再読したい


円卓 西加奈子
2015年ナンバーワン 主人公の女の子が可愛いし大阪弁も愛嬌があり笑える 団地の雰囲気もよし
夕焼けのブランコのシーンで明け方に号泣した 西加奈子は口語体がめちゃくちゃ面白いしテンポもいいし人情味溢れる 最高だ


海のふた 吉本ばなな
照らされる夏の海、静かな夜の海、かき氷屋さんという商売が成り立つ夢のある環境とそこに存在する二人の少女 主人公の現実と目標の距離感で思い悩む姿や彼に対しての感情がよかった 読後すぐ映画化が決まりどきっとした


碧空 長野まゆみ
長野まゆみといったら耽美である 「白昼堂々」で美しさは思い知らされている 彼女の萌えツボが理解できてきた しかし白昼堂々を読んだ時の美しい余韻は越えない


彼ら 長野まゆみ
凛一シリーズ三作目 彼って自分の魅力を十分理解していて尚且つつビッチでいい 人としての弱さ、脆さ、人への依存が非常に危うい


若葉のころ 長野まゆみ
凛一シリーズ最終巻 読み終わって思うが主人公である凛一よりもその身内に心ときめく 千尋兄さんとか


服を買うなら捨てなさい 地曳いく子
買う服を絞り本当に自分に合うものを ミニマルライフ


スクールオブグラフィックデザイン
王子の北区立中央図書館で借りて読んだ 併設のカフェが落ち着く デザインの勉強にふさわしい空間 平林さんって本当に厳しいなと感じた


すべて真夜中の恋人たち 川上未映子
爆問太田が勧めていたがどうにも鬱屈とした文章に気が乗らずに最後は飛ばし読んだ


クリエイティブの授業
高校時代の友人おすすめ イラスト交えてものづくりの考え方を教えてくれる本 サクッと読めるので何度も読み返したい




2015.1.1 01:51 [Thu]
2014本


仕事がもっと上手くいく!ものの言い方 むらかみかずこ
職場の代表からもらった本1


仕事がもっと上手くいく!書き添える言葉 むらかみかずこ
職場の代表からもらった本2 いろいろと求められているのを感じる


電気グルーヴのメロン牧場 花嫁と死神 電気グルーヴ
活字だと頭のおかしさが際立つ ラジオを彷彿とさせる いつまでたっても悪ガキ


永遠の出口 森絵都
凄い このタイミングで読むことができて本当に良かった 小3から高校卒業までの少女たちの感情の揺れ 小学校時代の懐かしさ 家族旅行で訪れた紅葉の描写が圧倒的だった 「台風クラブ」が出てきたことも嬉しい


占星術殺人事件 島田荘司
やられた 読者への挑戦が二度もありこれだけヒントがあるにもかかわらず種明かしのこの驚愕 御手洗はADHDぽい天才 石岡くんが、小じわ!? と蝋人形に必死になる様子が馬鹿かわいい


ぬるい毒 本谷有希子
かわいいことのヒエラルキーの高さ 顔がいい異性への劣等感と高揚感と苦手意識 わかる


仕事は楽しいかね? デイル・ドーテン
仕事に対する自分の取り組み 仕事を続けることに自信がなくなったときに再読することにしよう


あの子の考えることは変 本谷有希子
確かに変 特有の勢いのまま書きなぐったような雑だけど疾走感のある文章 荒さがいい


あまからカルテット 柚木麻子
美味しそうな料理描写 湯気が漂ってきそう 「誰かが私に恋する瞬間だ」というフレーズがいい この警備員の男性がとてもタイプだった


気遣いの基本 三上ナナエ
元CAの女性が教える押し付けがましくない気遣い 自分から自然に湧き出るその心が大切

2014.6.29 20:06 [Sun]
2013本


ポートレイト・イン・ジャズ 和田誠 村上春樹
和田さんの描く味のあるジャズメンたち 春樹のエッセイは時代のにおいまで伝えてくれます 深〜い愛と音


第2図書係補佐 又吉直樹
文章が面白すぎてずっと笑っていました 本の批評ではなく本のそばで起きた日常の思い出 読書芸人の真髄


出禁上等! ゲッツ板谷
微塵も興味のないイベントに片っ端から乗り込んだ体験記 話し方教室から豆腐早食い大会まで 強面サブカルヤクザ でもいい人


できるかな 西原理恵子
なんでもやってみる西原さん 行動力と度胸がすごい 下ネタの突き抜け方もすごい


イニシエーション・ラブ 乾くるみ
大どんでん返しに茫然 計算されたチープさと伏線と静岡ローカルネタ


オトーさんという男 益田ミリ
ださくて格好いいお父さん 益田さんの気の抜けたイラストになごみます じんわりとした感動も


本格ミステリの王国 有栖川有栖
有栖川さんのエッセイ ルーツや書評の随所に並々ならない愛を感じる ミステリおたくへ送る一冊


少年エスパー戦隊 豊田有恒
長門有希の100冊 専門用語も出てくるけれど児童向けなので簡素 気軽に読めるジュブナイルSF 角川文庫版はちゃんとたたかうみたい


テクノディフィニティブ 三田格
テクノの歴史とアルバム紹介 すごい情報量 おしゃれな装丁とフォント


絵と言葉の一研究 寄藤文平
寄藤さんが普段考えているシンプルなこと 楽しくて読みやすい 自分チャンネルの話がおもしろかった


数奇にして模型 森博嗣
もじると「好きにしてもOK」    今までで一番読者の推理力が必要らしい    ラストもぜんぜん分からなかった!


社会人大学人見知り学部卒業見込み 若林正恭
昔のブログの青くさい感じはすっかり消えて浮上できない泥臭さとじめついた考えはもうない    さわやかなやる気をもらった    いつの間にか立派な大人になっていた


少し変わった子あります 森博嗣
最後の、すーっとさりげなくある恐ろしさ    森博嗣の終始静かな食と空気と色気


かわいそうだね? 綿矢りさ
女子は強いし、か弱いなあ    二編の「亜美ちゃんは美人」の女の子故の容姿への執着。すべては可愛ければよしの世界 可愛い人は孤独 さかきちゃんの最後の言葉にぐっときた


風の歌を聴け 村上春樹
デビュー作 お洒落すぎる登場人物たち 生活をしているだけでこんなお洒落なんて 彼のまわりを通り過ぎて行く美女たち 前半のラジオのくだりにめっちゃくちゃ笑った


白昼堂々    長野まゆみ
静かで流れるような文体に惹き込まれた   草花の描写が本当に丁寧で、空気を感じる    凛一のじわりとした淫らさが匂いたつ    人物の名前も文学的で美しい    千尋さんが好き 大人の色香


2013.1.1 22:48 [Tue]
2012本


アクロイド殺し アガサ・クリスティ
まさかまさかのラストにまんまと騙された! あまりの驚きにしばらく動けず この興奮と敗北感をぜひ


笑っちゃうけどほんとのイタリア 多田洋子
美味しいお店や観光地だけではなくイタリア人の性質や行動についてなどを深く より親しみを感じられます


幻惑の死と使途 森博嗣
世紀の奇術師の周辺で起こる謎 犀川先生の言葉の真意がめずらしくしっかり理解できた タイトルも余韻も美しい


サ道 タナカカツキ
サ道=サウナ道 本気でサウナをきわめるとこうなる どんどん魅力の虜になる様子を見ていると自分も入りたくてうずうず 興味深い本!


陰翳礼讃 谷崎潤一郎
谷崎さんのさまざまな日常についてのエッセイ 深い考察とユーモア デザイン関係者必読 とくに最後の章が面白い


100均フリーダム 内海慶一
「唐突なコンセプトにざっくりしたデザイン」 ゆるい100均の用途不明商品たちを写真付きで紹介していく 冷静な解説文がシュール 笑い疲れた


夏のレプリカ 森博嗣
幻惑の〜と同じ時期に起きていたもうひとつの話 萌絵の親友の杜萌ちゃんは美しい兄と‥ 残る余韻と色気 萌絵が真相に気づくシーンの描写が素晴らしすぎる


ダンスがすんだ 猫の恋が終わるとき フジモトマサル
すべてが回文で物語が進んでいくすごい本 絵本のようなかわいい絵とは裏腹に内容は超社会的 闇と問題提起 ふたつの意味で鳥肌!


海辺のカフカ 上下 村上春樹
頭の中で一つの世界が作られていく感じ 研究しつくされた高松 土地を深く知るとなお面白い 終わりかたが本当に好き


芸人交換日記 鈴木おさむ
くすぶっている売れない芸人の苦しみや葛藤や夢 独白の部分は胸にせまる 舞台がすごくよかった


乱暴と待機 本谷有希子
本谷さんの書く女は毎回嫌な部分が誇張されていて笑ってしまう でもあてはまる部分もあって黙るしかない 奈々瀬のような子はきっと多い‥ 映画もおすすめ


箱の中 木原音瀬
冤罪で刑務所にいれられた男が出会った一人の男 理不尽さと欲望とまっすぐささるほどの愛 心臓をグサグサにやられました


檻の外 木原音瀬
箱の中の続編 苦しくて悔しくて辛くて悲惨 でも変わらず傍にいる 書き下ろしのあたたかい読後感に涙


20代にしておきたい17のこと〈恋愛編〉 本田健
前作が素直に入ってきた分恋愛となるとあまり共感できなかった こればっかりは人それぞれな気もするなあ


苦役列車 西村賢太
本を投げつけたくなったのは初めて でも自分にこの堕落の可能性が絶対にないとは言いきれない 絶望的で圧倒的 凄かった 素晴らしかった


今はもうない 森博嗣
シリーズ中最もラストで鳥肌が立った作品 やられた!とお見事!二つの感動 森ミステリをずっと読んできてよかった 土屋賢二の解説は本編に全く触れてなくておもしろい


趣味は読書。 斉藤美奈子
読書好きほど敬遠するベストセラーは売れてるほど面白いのか? 著者が読み正直に感想をのべる 的確なつっこみと痛烈な辛口にスッキリ


100人の森博嗣 森博嗣
自作の後書きやルーツの本など盛りだくさん 一冊まるごと森博嗣 普段よりおどけてる森さん


ジェローム神父 マルキ・ド・サド
文章の残酷さと会田誠さんの絵の絶妙なバランス これでもかってくらいの少女趣味


皮膚と心 太宰治
日本女性の恥じらいの趣 妻を想う旦那さんの優しさがいつまでも残ります


おとなの進路教室 山田ズーニー
仕事と生活に関する生きた文章 ひっかかったところをくり返し読むのがいい モヤモヤの答えが見つかりそう


ジャズの名盤入門 中山康樹
メジャーなものから少しマニアックなものまであらゆる名盤を一枚ずつレビュー さっそくたくさん借りてきました


読んでから聴け!ジャズ100名盤 中山康樹
ジャケット写真つきでわかりやすい 聴きながら読むとまた良し


ダンス・ダンス・ダンス 上下 村上春樹
長門有希の100冊 ひとつのホテルと事件に関わりながら増減する人々 さまざまな土地を舞台に行ったりきたり 季節と食と音楽の描写がとてもいい


星の王子さま サンテグジュペリ
哲学的 あらゆる種類の人間と人生 まるで世界の縮図のよう 児童書とあなどるべからず!


ウは宇宙船のウ レイ・ブラッドベリ
SF短編集 少年たちの憧れる世界そのもの ひとつ読み終えるごとに宇宙の空気を吸いこんだみたい


九つの、物語 橋本紡
料理と読書と女の子が大好きなお兄ちゃんと妹のゆきな 本はいつもそこにある 過ごす時間と生きることの尊さ


タイムマシンをつくろう! ポール・デイヴィス
現実的な時間遡航について 「ワームホール」から「母親殺しのパラドックス」まで幅広く大きい夢と近い未来


生きるための「お金」のはなし 高取しづか
生きる上でのお金の知識 お金より大切なものを知る 分かりやすい文体 子どもに読ませたい



2012.1.3 01:46 [Tue]
2011本


李歐 高村薫
893と刑事と鉄筋工場とハードボイルドてんこもりなのに強烈な色気をかんじる 中国語の妖艶な発音のせい? 人の一生を歩みきったような読後感


狼と香辛料 支倉凍砂
あっさりで読みやすい文体 雰囲気や世界感がとても魅力的なお話でした 無愛想で損得勘定しかしない商人がホロにふりまわされる様子がかわいい


そして誰もいなくなった アガサ・クリスティ
まさに古典であり金字塔 これでミステリ漬けになる人も多いはず 登場人物は多いけれどみんな個性的で明確 最後まで犯人がまったく分からない!


あたりまえのアダムス ロバート・アップデグラフ
物事の根本にある「あたりまえ」の重要さ 平凡な人が大手広告代理店の重役になった実にあたりまえの理由とは? 素直に感じ自ら歩きまわることって大切なんだなあ 広告マンの必読書だそうです


夜は短し歩けよ乙女 森見登美彦
すこし癖があるので好き嫌いが別れそう 個性的すぎる登場人物や展開にどんどん引っぱられます ドラマチックなラストはぜひ映像で観たい


ぼくのメジャースプーン 辻村深月
続きが気になってしょうがなかった丸二日間‥ 陰惨な事件がきっかけで声を無くしてしまった少女と彼女を助ける少年の話 映画『ブタがいた教室』についても触れています


その日のまえに 重松清
何ヶ所かぐっときてデザイナーと店長のやりとりでついにぽろり さまざまな命の重みとそれを受けとめる人 泣いたけど読後はすとんと落ち着いた気持ち


グッドデザインカンパニーの仕事 水野学
有名な水野学さんのお仕事に対する考え方 コンセプトの大切さ ブランドは細部に宿る これはぜひ見習いたい


オレンジアンドタール 藤沢周
若林おすすめの本 終わり方が印象的 若い頃の彼はまさしくこんなブログを書いていたような


クレープを二度食えば とり・みき
長門有希の100冊 王道なタイムトラベルSFだけど当時はすごく新鮮だったはず 可愛くてノスタルジックな夏の話


結婚しなくていいですか? 益田ミリ
スーちゃんシリーズ二冊目 変わらずリアルな大人の女性を描いていて苦しいけど共感 自分が羨ましく思っていた相手もまた誰かを羨ましく思っている でもこのような未来はちょっと嫌です‥


涼宮ハルヒの驚愕上下 谷川流
四年ぶりの新刊 ずっとずっと読んできたので感動もひとしお あいかわらずぼやきながらも仲間をなにより大切にするキョンが愛しい どんどん増えていく伏線の回収はどうなることやら? 未読の方はまずは憂鬱から


20代にしておきたい17のこと 本田健
これをせよあれをせよと細かく指定をしていなくて、大きなくくりで読者の背中をポンと押してくれるような内容でした とても読みやすく前向きになれるのでおすすめ


海がきこえる 氷室冴子
長門有希の100冊 映画にもなっていてジブリの中では一番好きな作品 懐かしい木造校舎と高知弁がとてもいい 優しくてちょっと駄目だけど思い切りはよくて深夜ラジオを聴いていて親友思いな杜崎くん‥ラブ


夏への扉 ロバート・A・ハインライン
長門有希の100冊 好きなSF作品で毎回名前があがる名作 お人好しで要領のわるい主人公がコールドスリープで30年後へ つじつまがぴったり合っていく終盤は鳥肌もの すべての猫好きに


ライ麦畑でつかまえて J・D・サリンジャー
口が悪くて常に文句ばかりのホールデンにドキリとさせられる 若さのもやもやがあらゆる場面でぶつかっては打ち消され堂々めぐり 「自分がインチキでないとどうしてわかる?」


ナチュラル・ウーマン 松浦理英子
これほど生々しく匂い立つような文章は初めて でも嫌な感じは全くしません 女性同士の濃厚で過敏な恋愛 グサリと刺さったままずっと抜けない


風と木の詩 竹宮恵子
高校の時初めて読んだときとは感じ方が変わっていました 読了一週間は放心状態 本当に出会えてよかった作品


絵画で読む聖書 中丸明
下品! キリスト教の知識は皆無でしたがシモの話ばかりなのでとっても記憶に残ります なぜか名古屋弁


詩的私的ジャック 森博嗣
犯人や動機には無関心で事実だけを着実に明らかにしていく犀川先生 この巻で一気に加速する二人のやり取り 終わりの一文にしばらくじたばたした


ラジオにもほどがある 藤井青銅
放送作家のお仕事の歴史 裏方でこんなに大勢の人が頑張っていることはただ聴いているだけでは分からなかったなあ どこでも飛び回るフットワークの軽さも


封印再度 森博嗣
犀川先生のシュールなギャグの数々 飄々としてる彼のあんなにうろたえた姿は初めて! あいかわらずじれったい二人 今まで読んだシリーズの中では終盤が少しもやもやかも?



2011.1.2 18:40 [Sun]
2010本


雨はコーラが飲めない 江國香織
江國さんと犬の雨くんとのエッセイ ふたりの間に流れるゆったりした空気が素敵です


聖なる黒夜 柴田よしき
全二巻 ぐちゃぐちゃのアナルセックス 日本警察の中身と893 ずっしりと重くて深い この本のラストは一生忘れることはないと思う


僕のキュートナ 荒井良二
可愛い絵と直球な言葉にきゅんとくる絵本 男の人なら彼女へプレゼントしたらすごく喜ばれると思います


昭和歌謡大全集 村上龍
長門有希の100冊 皮肉と風刺でグサグサ 現代を見ているとこの異常性の強調もあながち間違ってはいないのかも‥


キッチン 吉本ばなな
恋愛小説なのだけど、愛とか恋だけを追いかけている感じでは無くてすきです 同時収録の一本がため息ものの美しさ


すべてがFになる 森博嗣
長門有希の100冊『有限と微小のパン』のシリーズ一作目 残りは九巻あります 今まで読んだミステリのどれともカテゴリされないお話 あとからじわじわ来る余韻 科学は偉大で美しい


ほぼ日刊イトイ新聞の本 糸井重里
あの有名サイトができるまで 地道に信念を持って出来ることいろいろ こんな大人たちとお仕事できたら凄く楽しいだろうなあ


ぼくは勉強ができない 山田詠美
読みやすくて面白い みずみずしい思春期の感情描写に記憶がどんどん蘇る! 私が高校生のときはこんなに物事を考え込んではいませんでした 太宰の人間失格が出てきてちょっぴり感動


クワイエットルームにようこそ 松尾スズキ
まともって自分が思っているほど実はそうではないのかも エキセントリックすぎる状況も鮮明に浮かぶのですごい
本谷有希子の『生きてるだけで、愛。』を思い出した 映画もぜひ観たい


銀河ヒッチハイク・ガイド ダグラス・アダムス
パニクるな シュールな名言が多数 普段SFが苦手な人でも充分に楽しめると思います 映画もブラックでセンスが良くかなり笑える 全ての答えは42!


笑わない数学者 森博嗣
S&Mシリーズ第三段 すべてが〜に比べてドキドキ感は薄れるけどやっぱり主人公たちのセリフが数学的で哲学的 読後は頭が良くなったかんじ


もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら 岩崎夏海
今年度話題の本 あの難しそうな本をここまで分かりやすくするとは凄い! 挿し絵もあってラノベに近いかも 文章が稚拙だという意見もあるけど、そういう細かい部分よりも主人公の成長とマネジメントの奥深さに感動


砂糖菓子の弾丸は打ち抜けない 桜庭一樹
読み手を惹き込ませるのが相当巧いと思いました 見事に脳内を少女二人で埋めつくされてしまった! 読みやすいのにとても深い上質ライトノベル 間違いなく上半期ベスト入りです


孤島の鬼 江戸川乱歩
同性愛的要素が明らかにあるのに、それを自然だと思わせる技量‥脱帽 ぐいぐい夢中になれるミステリに最後は深く悲しい愛、切ないです


告白 湊かなえ
話題すぎる本 映画を観て興味が沸いたので文庫版を購入 原作はラストが違うのでどう解釈するかは自由? 全て人物の独白なのでスラスラ読めます もし映画を先に観ていなければ読後感は沈み込んでいたかも‥ シュウヤくんの中二病っぷりに萌えますね


腑抜けども、悲しみの愛を見せろ 本谷有希子
情景がとてつもなく鮮やかで映像的 自己愛をこじらせるとこうなる 救いは無いけどどこかスッキリするラスト 映画も観たいなあ


奇子 手塚治虫
全二巻 こっちは救いもなければスッキリもしないラスト! 欲におぼれた人間は残酷であまりにも理不尽 深くて重くのしかかるような、考えさせられる内容でした


どうしても嫌いな人 益田ミリ
すーちゃんシリーズ初読 絵がゆる〜くてかわいいけど扱っている内容は現実味があり共感を得そう ラストに少しぐっときました 社会人になったらまた受け取り方が変わるのかな


きよしこ 重松清
吃音を持たない人にとってそれがどれほどのものなのか 紆余曲折ありながらも彼が大人になっていく様子に動かされます


痴人の愛 谷崎潤一郎
ナオミはとんでもない悪魔だ! 堕落した性活から逃れられない男性 情けなくも抗えない愛の形とは 古い文学なのに驚くほど色っぽい現代風な描写


江利子と絶対 本谷有希子
表題作より『暗狩』のインパクトの強さよ‥! 読み終えたその日に夢に出てくるほどの恐怖 映画一本観終えたみたい


センセイの鞄 川上弘美
ご飯がとっても美味しそう 中年と初老のふたりなのにこの初々しさは何かしら? 一日がゆったり流れていく雰囲気に和みました ラストを読み終えぽろぽろっと涙が出た、と思ったら数分止まらなかった



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