ぱぶりっくこーど
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2011.3.26 00:11 [Sat]
闇に染まる橙
あんたが好きだと言ってくれた色に戻ったことに安堵したのはほんのわずかな間のことで、力を失うことに本当は恐怖していたんだ。
だってあんたにとって俺は利用価値のある子供で、力をなくした俺に価値なんかなくて、だからもう、繋がりが無くなると、あの瞬間、何よりもそれが頭を占めてたんだ。
あんたはきっと馬鹿にすらしてくれないんだろうな。
こんなことを考えてた俺のことを。
知ってたよ。
本当のところを。
俺を利用するためにあんたが俺に言葉と熱を与えてくれてたことを。
知ってたよ。
でも、
それでも、
よかったんだ。
あんたが、近いなら、よかったんだ。
もう俺に価値はない。
あの時、力を失うことになるとわかっていて、それでも決断した時、本当は怖かったんだ。
あんたにとって価値がなくなったら、あんたを失うと、繋がりを絶つことになると、それしか術はないのに、躊躇しそうになったんだ。
なぁ、情けねぇよな。
けど、
そう思うくらい、
それほどまでに、
好きなんだ。

ああ、過去にも出来やしない。








【哀しみに沈む太陽】
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