スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

死へ歌う

「なーらんだー、なーらんだー赤ー白ー黄色ー。」

「・・・」

「ど、どーのはーなみーてーもー、きーれーいーだーなー・・・」

「・・・」

「・・・」

「何だ、そのふざけた歌は。」

「ふ、ふざけ!?チューリップのうたですよ!ふざけてないです!」


何故私がタナトス様の前で歌っているのか。それは数分前に至る。

今日、目が覚めた私は花でも見ながら散歩でもしようかなと思い外へ出た。が、少し歩いた後、最近仲良くなりはじめた妖精さん達に「今日も一緒に歌いましょ!」と誘われ、楽しく歌っていたら「ほぅ。キサマ、歌えるのか?」とあの神が。そう、タナトス様が現れたのだ。

一緒に歌っていた妖精さん達が「タナトス様よ!」「今日は何を弾かせて聞かせてくれるんですか?」と、一気にタナトス様の近くに集まる。
相変わらず凄い人気だなー、モテるんだなーと、のほほんとしながらその光景を眺めていたら、タナトス様が私の目の前に来て、「続きを歌え」と言い出すではないか。いや、この可愛い妖精さん達を愛でてあげてくださいよ。
それに一人で歌えとか、公開処刑もいいところですよね。軽く恥ずか死ねる自信がありますよ。
しかし「嫌です」と言ったところで、この神様が「そうか、嫌なら仕方あるまい。」と引くようなお方でもない。無理矢理にでも歌わざるを得ない状況にしてくるだろう。それにこの間の言い合いでも思ったけど、あまり逆らわないほうが利口なんだろうな。


「・・・」

「・・・」


利口、なんだろうけど・・・
どうしたって恥ずかしい。
でもこのまま歌わないでタナトス様が不機嫌になって、吹き飛ばされてしまったら!あの時はきっとタナトス様の気まぐれでこの身が吹き飛ばされなかったから良かったものの、次は、もしかしたら無いかもしれない。歌うしかない。
タナトス様を睨み付けるように見上げた後


「・・・歌います。」

そして歌ったのがチューリップのうた。
そして冒頭の会話に至る。


「俺は続きを歌え、と言った。それにチューリップのうたなどと・・・もっとマシな歌は歌えんのか?」

「(マシって、チューリップのうたと作った人に謝ってください。)歌えません。これが私の限界です。」

「嘘をつくな。先ほどニンフ達と一緒に歌っていただろう。」

「あれは、妖精さん達が歌っていて、いつもそれに何となく混ざって歌っているという感じなので。一人ではちょっと・・・」

「ならば、歌えるようになれ。」

「え。」


チューリップのうたを歌って、はい終わり。じゃないんですか?と、首を傾げている私に

「俺は、キサマの声をとても気に入っている。」

そう言ってタナトス様は自身の右手を私の左頬に添え、真っ直ぐに私の目を見てくる。
その予想もしてなかった行為と、いつもの意地悪な笑みではなく少し優しく笑っているように見えるタナトス様の表情にドギマギする。次第に自分の顔に熱が集中していくのを感じ、「タ、タナトス様?」と声を掛けると、添えられていた手が離れる。そしていつも見る意地悪な笑みに戻りフン、と鼻で笑った後


「阿呆な顔だ。」

「な!」

「覚えたら聞かせに来い。」


そう言い残し、妖精さん達と共に何処かへ行ってしまった。
何て失礼な、そして勝手な神様だ。そんな事は今更、とも思うけど。
今度、妖精さん達に歌を教えてもらおう。覚えないとあの神様は煩さそうだ。
そう思い、花を見ながら散歩を再開させた。







お久しぶりなタナトス様。
書こう書こうと思いつつもなかなか文章とか話の内容が浮かんでこなくて放置してたんだけど、つい最近パソコン開いて打ち込んでみたらすんなり出来て良かった(笑)
自己満だからこそ好きに自由に書いてるけど、これもうタナトス様じゃねーよなって毎回思って書いてる(笑)

死と喧嘩

感情の起伏はどちらかと言うと激しい方だと思う。

それは過去にあった出来事や、過去に自分が他人や友達に放った言動や態度、そして周りから言われた事を思い出して。
又は何かあった訳じゃないけど泣きたくなる日もあれば、気分が良い日もある。

そういった理由は様々だけど、上がる時は上がって、下がる時はとことん下がる。
ここエリシオンに来てから色々あって、暫くは無かったが・・・

今日はどうやらダメな日らしく、気持ちが安定しない。
しかも性質の悪いほうだ。
久し振りに何とも言えないあの嫌な感覚が襲う。
理由が分かれば少しは違うのかもしれないけど、理由無しの起伏は本当にどうしようもない。

その日が過ぎるのをボーッと待つか、何かをして気分を紛らわすか、その日を早く終わらせるために寝るか


どうしようかな・・・

傍にあった色んな楽器の内の一つ、竪琴を手に取り適当に音を紡ぐ。
弾き方は教えてもらったものの、何をどういうふうに弾けばいいのか分からないから本当に適当だ。


「ふん、相変わらず下手くそだな。」


が、少し弾いた後に後悔する。
音が聴こえたから来たのか、視線を上げると「今は」会いたくない人物が、いや神が姿をみせる

あぁまた嫌味を言われるんだろうな、なんて考えている今でも、目の前に居る神は馬鹿にしたような視線をこちらに投げかけ、「何だその音は?」と言っている。


「俺が折角教えてやっているというのにな?」


ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべながら、その神、タナトス様は私の目の前までゆっくりと歩いて来る。
その言葉に苦笑し、また視線を竪琴に戻す。

いつもなら冗談交じりに怒ったり、笑ながら聞き流したりする事が出来るのだけど、今日はそうもいかない。聞き慣れている筈の些細な嫌味も今は凶器と化し、タナトス様が放つ一つ一つの言葉がグサリグサリと私の心を刺していく。

だから会いたくなかったというのに。

何もしないで寝ていればよかった・・・

そう思い、気まぐれに音を奏でた自分に酷く後悔した。

心の中で溜息をつき、竪琴を触りながら口を開いた。


「ヒュプノス様は優しく教えてくれるのに。」

「ほぅ・・・俺に優しく教えろと?」

「はい。」


私は以前から思っていたことを口に出した後、またも後悔した。
こんな事を言ったらこの神は何倍もの嫌味で返してきそうだし、今日はその嫌味を受け止めることが出来そうにない

やってしまった、と思いチラッとタナトス様を見たら、相変わらず意地の悪い笑みを浮かべた顔と目が合った、と同時に


「ふん、出来の悪いお前に優しく教えたところで何も変わらんだろう?」

「・・・」

「他の楽器もヒュプノスに優しく教えてもらっているというのにその程度だしな?」

「・・・」

「それを、俺の教え方が悪いと?物覚えの悪いお前が悪いのだ、この馬鹿め。」

「・・・」


案の定予想していた嫌味の連発が、死を司る神の口から出てくる出てくる。それはもう、これでもかって言うぐらいに、私の心にズシズシと伸し掛かってきた。
少し泣きそうになりながらも、同時に「何でここまで言われなきゃいけないんだ」という怒りの感情が芽生えてくる。

後先考えないで言葉を発したのも、出来の悪い自分も確かに悪いけど。
自分が思っていることを少し口に出しただけでそこまで言わなくたって・・・あ、ヤバイ。泣きそう。
これ以上聞きたくない、けどこのまま言われっぱなしでここを出て行くのも、何か、腹立つ!!

そう思って未だ何かを言っているタナトス様をキッ!と涙目で睨みあげると、少し目を見開き驚いた表情が見えた気がしたが構わず口を開く


「煩いです。」

「何?」

「煩いって言ったんですよ!この嫌味馬鹿!!」

声を張り上げるつもりはなかったのに、向こうの聞き返しと怒りもあってつい声をあげてしまった。ついでに普段なら絶対に言わない暴言も。
その暴言に反応し、タナトス様の眉間に少し皺が寄ったのが見えた。


「人間の分際で、神であるこの俺に嫌味馬鹿だと?物覚えの悪い馬鹿に言われたくないわ。」

「どうせ物覚えが悪いですよ!でも、まだ数週間しか楽器を触ってないし弾いてないのに!そこまで言わなくても!!」

「ふん、本当のことを言って何が悪い?」

「でも!そんなふうに言わなくてもいいじゃないですか!!」


一言言って出て行こうと思っていたのに、怒りでここまでの言い合いに。このままではいつか泣いて、言葉にならない言葉を言ってしまいそうだ。そうなる前に一言「もういいです!」と強めに言って部屋を出て行こうとしたら、タナトス様にその腕を掴まれ、部屋から出ることを阻まれた。

「何処へ行く?」

「ヒュプノス様の所です。」

「お前をこのエリシオンへ連れてきたのは俺だ。お前は俺の相手だけをしていれば良い。」

「今は嫌です。」

「ほぅ・・・」

「いっ、た・・・」

タナトス様の目が少し細められ、同時に掴まれていた腕に力を込められる。痛さで顔を歪め、振り解こうと反抗する私なんかお構い無しに、腕を掴むその力は更に強まる。


「今日は随分と反抗的だな。」

「・・・っ」

「少し、躾が必要か?」

「!?」


タナトス様のその一言に今まであった「怒り」や「悲しみ」といった感情が涙と一緒に一気に引っ込み、代わりに今度は「恐怖」という感情が冷や汗と共に出てきた。

そんなこと言われたのは初めてだし、その躾とやらで何をされるのかは分からないけど・・・
タナトス様が言うと洒落にならない。
絶対酷い目に合うに違いない。
考えただけで・・・いや、考えたくもない。

顔を青ざめながら抵抗しなくなった私を見て、タナトス様は満足そうに、それはもう物凄く満足そうに見下ろしてきた。
そして「何か言うことがあるだろう?」と言う視線も同時に投げてくる。
私は少しむすっとしながらも、今のタナトス様には逆らわないほうが懸命だと判断し、渋々と向こうが待っているだろう言葉を口に出した。

「ご、ごめんなさい。」

「分かれば良い。」

「・・・」

散々な目にあった。今日はやっぱり寝ていればよかったな、と心の中で思っていたら、そのまま腕を引っ張られタナトス様の身体へ引き込まれるように倒れ込んだ。

え、何事?と考えているうちにタナトス様は近くにあった椅子に座り、私はタナトス様の膝の上に座る形になる。
突然の状況にポカーンとしつつも、あぁそうかと一人納得。
俺の相手をしろとかなんとか言っていたな。そういうことだろうか?と考えていたら、手に持っていた竪琴をタナトス様に取られた。
慣れた手つきで竪琴を奏でる指先を綺麗だなーと思いながら見つめ、「そういえば」と私は口を開いた。

「タナトス様、結局何しに来たんですか?」

戯れる妖精さん達がいなくてここへ暇つぶしに来たのか?それとも私の下手糞な音を聞いて嫌味を言いに来たのか?・・・後者なんだろうな、なんて思いながらタナトス様を見上げる。


「相も変わらず不快な音が聞こえてくるからな・・・」

「どうせ下手糞ですよ。」

すみませんねー、と言いながらやっぱり後者だったかとふて腐れる。
そんな私をタナトス様が鼻で笑い、指を動かしながら口を開いた。


「だから改めて教えに来てやったのだ。」

「はぁ、そうなんですか。・・・え?そうなんですか?」

「何だその顔は。」

ただ嫌味を言いに来ただけだと思っていた私は、その意外な言葉に驚きながら聞き返すと、タナトス様に少し睨まれた。
だっていつもは私から頼み込んで教えてもらっていたから。言い方きついけど、

「タナトス様って」

「何だ?」

「意外と優しいんですね。」

タナトス様に睨まれながらも私は思ったことを素直に口に出す。その言葉に動かしていた指を止めて、今度はタナトス様が驚いた表情をしてこちらを見てきた。え、何その顔?


「お前は本当に頭が悪いらしいな。この俺に優しいなどと・・・」

「いや、タナトス様なら「もう貴様になど教える価値もないわ!」とか「時間の無駄だな」とか冷めた目をしながら言いそうじゃないですか。」

タナトス様の真似をし、「ついでに下手したら殺されそう」と笑いながら付け足して言うと、タナトス様は目を閉じ、「そうだな」と少し笑いながら、次に恐ろしいことを言ってきた。


「貴様じゃなかったら、「嫌味馬鹿」と言われた時点で消し飛ばしている。」

「わ、わぁー・・・」

根に持っていらっしゃる。と思い同時に、「これでも十分優しく教えている、感謝するんだな」と言われたような気がした。
私、今までよく生きてたな。


「暴言吐いてすいませんでした。ありがとうございます。」

「さっさと弾けるようになることだな。」

「絶対綺麗に、上手に弾けるようにします。」


今日の失言に侘びと、感謝の言葉と決意(?)を言うとタナトス様は止めていた指を再び動かし、「まぁ何年掛かるか分からんがな」と、馬鹿にしたようにまたも鼻で笑ってきた。
その態度に、はいはい、と溜息を吐きながらも、いつの間にか何とも言えないあの嫌な感覚が消えていることに気付く。心の中で少し笑いながら、同時に「もう絶対にこの神には逆らわないようにしよう」と、チラッとタナトス様を見ながら心に誓った。





去年の三月頃完成してたみたいです(笑)パソコンの更新日時がそうなってるからそうなんだろう(ー ー;)
パソコンから送れたら楽なんだけど、繋いでないからなー。いやー打つの疲れた。
久し振りなタナトス様でした(^ω^)

死と遊ぶ?



『はぁー!ギャラクシー流星拳!!』


「そんな軟弱なパンチ、このタナトスには利かん。」


『なんの、まだまだー!ギャラクシー彗星拳!!』


「ふん、先程と変わらず軟弱なパンチだな。」


『・・・』


「何だその顔は?」


『いや、ちゃんと相手してくれるんだなーと思いまして。』


「・・・」


『ヒュプノス様にやったら反応薄かったんですよ。というか無視に近い反応で。』


「・・・ふん、くだらん。」


『あ、待ってください!相手してくれて嬉しかったです!!』


「煩い・・・」



5.死と遊ぶ?


友達とも話したんだけど、タナトスは割と相手をしてくれるんじゃないかなーと思いまして

相手してくれるんですねーって言われてから、ハッとなって俺としたことが、とか思っていればいい(笑)

イラストは色々遊びすぎたなーと少し後悔(笑)でも楽しかった←

死に攫われる

ソレは・・・
例の女か?タナトスよ。


そうだ。
幾度も悲痛に祈る声が聞こえ、どんな女か直接見に行ってみたが・・・
見ろ、ヒュプノスよ。
この女の魂、とても美しい。


・・・見るだけでは足りなくなって攫ってきた、か?


攫う?ふん、違うな。
女が求めて来たのだ。
拾った、とでも言っておこうか。




2.死に攫われる

でも詳しい事情聞いてないから攫った事になるんじゃないかなー(´・_・`)

死との出会い

外に、出たい。


どうせこのまま死を待つぐらいなら
ここから出て、好きなことをして、自由に生きて・・・そして死を迎えたい。

どうせ死ぬって分かっているんだから・・・


外に、出たいな・・・


もう何度そう思ったか、願ったか、分からない。
私の言葉を聞いてくれない人達は、私をずっとこの場所に縛り付ける。
何をしても無駄だって分かっているのにどうして此処に居なければいけないのか。


外に・・・


「出してやろうか?」


不意に聴こえたその声に、無表情のまま顔を向けると、知らない男の人が妖しく笑いながら立っていた。

黒を基調とした服装は、明らかにここに居る人じゃない。知り合いでもない。私と同じ病人さん?それとも誰かのお見舞い?は無いか。こんな夜遅くに。


「誰、ですか?」


頭の中で冷静に考えながらも、少し不安げに口を開いた私を見て、その人は表情をそのままにこちらへ近付いて来た。


「タナトス。死を司る神だ。」


・・・は?
死を司る、神?
何を言って・・・あぁ、そうか。


「私、もう死ぬんですか?」


あーあ、こんなことなら無理してでもここから出て、好きなように生きればよかったな・・・
自嘲気味に笑いながら、神と名乗る目の前にいる人物を見ると、今度は呆れた表情をこちらに向けてきた。


「なぜそう思う?」


「死を司る神って言ったじゃないですか。」


「そうだな。」


「死神さんなんでしょう?」


私の命を取りに来たんですよね?
続けて言う私に死神さんはまたも妖しく笑う。


「どうやら勘違いをしているようだな。」


「?」


「死の迎えではない。」


じゃあ何しに?
死に近い者をあの世に連れて行くのが死神さんの仕事でしょ?
それとも目の前に居るのはただの人間で、私をからかっているんだろうか?それか本当はここに居る人で、私があまりにも死んだ表情をしているから、元気付けようとこんなことをしているんだろうか?

ジッと自称神と名乗るタナトスさんを見詰め、次の言葉を待っていると


「ずっと祈っていただろう?」

「・・・」

「ここから出て、自由に生きたいと。」


・・・
そういえば最初にこの男は何て言ってただろうか?
「出してやろうか?」
そんなことを言っていた。

もしかして・・・

私は期待を込めた眼差しをタナトスさんに向けて、少しドキドキしながら口を開いた。


「出して、くれるんですか?」


私の言葉を聞いたタナトスさんは口元を緩ませ、私を見下ろしてくる。

それを肯定と勝手に受け取った私は、目の前に居るタナトスさんに手を伸ばす。
この男が本当に神なのか、はたまたただの人間で私を騙しているのかは分からないけれど・・・
ここから連れ出してくれると言っている。
連れ出された先に何が待っているのかは分からないけど・・・
どうせ長くはない命だ。


心の中で苦笑しながら、タナトスさんの目を見詰める。


「何処でも良いです。連れてって下さい。」


その言葉を聞いたタナトスさんは更に笑みを深く浮かべ、私が伸ばしていたその手を握り、そして・・・


「二度と『ここへ』は帰って来れないがな。」


「え?」


どういう意味か聞き返す暇も無く、その言葉を最後に、意識が途切れた。






1.死との出会い


細かい設定は省きます←

前の記事へ 次の記事へ