紅茶一杯。



昨日の没
2017年4月12日 14:57

話題:ボツになったもの

昨日の記念日『ガッツポーズ』でネタ考えてたけどタイムアップ&どんどん逸れていって放棄してしまった。なんとなく陰干し。

※モブサイコ100
※それぞれのガッツポーズが書きたかったけど、まだ師匠しかしてない
※途中でぶつ切れ
※勢いで書いたほぼまんまなので誤字脱字、説明不足ありましたらすみません。


霊幻が受けた依頼に、助っ人として巻き込まれた律とエクボ。現場では悪霊がポルターガイストを起こして困ってるとの事だった。
さっさと除霊してしまえば終わるが、よりによって悪霊は数体いて、皆が小学校低学年ぐらいの歳だった。
戦時中に学校で命を落とした子供達の要求は、ただひたすら『遊びたい』だけで、遊び相手を探していた。
「俺達がお前らと遊んでやる。だからその子達は返してくれ。」
と霊幻が交渉すれば、悪霊達は素直に返した。生きている子供を拉致しポルターガイストで校内や近隣を荒らし、確かに迷惑をかけたので悪霊なのだが、その背景を知ってしまうと憎めなかった。
だから霊幻は溶かさず遊びに付き合うことにした。
そもそも、最初に除霊を拒んだのは茂夫だった。
茂夫が言うならば仕方がない。除霊が出来ない霊幻はそれを受け入れるしかない。
そして頭数を増やす為に律とエクボを巻き込んだ。


「ごめんね律。でも、ありがとう。」
「いいんだ兄さん。(勉強の)息抜きになるし。」
律は茂夫に笑いかけるが霊幻の足は踏んでいる。
「お前本当に器用だよなぁ…」
霊幻は乾いた笑いをこぼす。
子供達を無事に帰し、律達と合流して再び廃校に戻ると、悪霊達はさっきまでの陰気さはどこに行ったんだと言いたくなるほどに明るく無邪気な笑顔で群がってきた。
「イテテッ!おいコラ何してんだ!!」
下から引っ張られて伸びてるエクボが引っ張っている悪霊を叱る。悪霊の女の子はニコニコ笑ってエクボを可愛い可愛いと引っ張った。どうやら抱っこしたいようだ。
「や〜め〜ろォ〜〜!!」
踏ん張って抵抗するせいでエクボがかつてなく伸びている。
「いいじゃねーかエクボ。抱っこぐらい。」
「うるせぇ…!抱かれてたまるかッ!ガキは嫌いなんだよ!!」
汗を吹きだし必死に逃げきろうと前へ前へ進むエクボ。どんどん伸びていく。
「エクボが千切れそう。」
心配そうな茂夫。律は冷静に眺めている。
「せっかくのモテ期だろうが。」
「黙れ霊幻ッ!ガキなんざにモテても嬉しくねぇよ!」
必死なエクボだが無情にも他の女児が群がり、伸びたエクボに木の枝に掴まるように飛び付く。
「ぐああぁぁああぁあぁ…ッ!!」
負荷がかかりエクボが落ちる。女児達がキャッキャと群がる。
「なんかアトラクション扱いになったな…」
エクボと遊ぶというよりエクボで遊んでいる女児達を眺め、エクボに手を合わせ合掌する霊幻。
「霊幻テメェェェェ……!」
と憎々しそうに見てくるエクボを同情の眼差しで眺め、口パクで『ガ・ン・バ』と、片腕を上げてガッツポーズする霊幻。エクボが恨みがましい悲鳴を上げた。
「師匠ひどい。」
エクボに同情する茂夫。
「とりあえずあの子達はエクボに任せて、あとの子達は何して遊ぶんですか。」
とエクボを一瞥した律が霊幻に問う。
「そうだな…まとめて遊ぶとなったら、鬼ごっことか、かくれんぼだろうな。」
子供達はその言葉に自分のやりたい遊びを、挙手して叫んだ。
「あーあー待て待て。一斉に言われても分かんねーから。」
と霊幻は先生のように子供達を落ち着かせ、遊びは3つまでとした(残りメンバーが3人しかいないので)。
「じゃあ俺がかくれんぼチームで、モブが鬼ごっこチームな。んで律が缶蹴りチーム。」
勝手に割り振られた律は分け方に口を挟もうとしたが、適材適所だと察した。
体力勝負の鬼ごっこ、推理力と運動が緩やかなかくれんぼ、考察し機敏な反応と対応力が必要な缶蹴り。
「それじゃちょっと距離とるぞ。そうだな…30分くらいやるか。」
30分後に集合な。と霊幻はかくれんぼチームを連れて去った。現在が1階で、霊幻チームは2階を使ってかくれんぼをするらしい。
「じゃあ僕はあっち側に行こうかな。」
廃校は3階建てで、東と西で教室が分かれ6学年が収まっていた。
律は缶蹴りチームを引き連れて1階の東側へ向かった。
「僕等は…ここでやろうか。」
茂夫が子供達に言うと、子供達は早くやろうと興奮しだす。
「ちょっとまって、ルールを決めないと。範囲は1階の西側全部で…」
あとは何が必要かなと考える茂夫。
『鬼はひとりだけなのー?』
と手を挙げて質問する子供。
「あ…そうか。この人数だし……」
茂夫を含め15人いる。
「うーん…鬼は3人にしよう。あと、捕まったら鬼を交代するんじゃなくて、脱落式で。時間がまだ残ってたら2回目は鬼交代にしよう。」
大人数だと誰が鬼だか分からなくなるのでそう提案する茂夫。
『捕まったひとはどうする?』
「…うーん……ここで待機とか……」
えーつまんない!と文句が出た。狼狽える茂夫。
「あ、じゃあ、えっと……」
どうしよう…と焦る茂夫に挙手しながら
『捕まったら鬼が増えてくのにしよー!』
と悪霊から提案が出る。
「あっ じゃあそれで。」
即決する茂夫。かくして鬼ごっこは捕まった者は鬼になり、最終的に鬼のみになったら終了となった。ジャンケンで悪霊の子供二人と茂夫が最初の鬼になった。


「よーし。じゃあ俺が鬼をやる。お前ら隠れろ。」
『えっジャンケンは?』
『れーげんせんせーは隠れたくないの?』
すっかり手懐け、ちゃっかり先生呼びさせている霊幻。
「ああ、俺が鬼でいい。今から50数えるから、好きに隠れろ。あ、ただし範囲は二階の西側のみだ。東側に行ったやつは見つけ次第『負け!!』だからな。」
『負け』を強調することで子供達に念押しする。負けず嫌いな子供達は見事に術中にはまり力強く頷いた。



「えーと…。あれ、そういえば缶がないな。なにか替わりになる物はあるかな?」
悪霊といえども女なのか。悪霊にすらモテるのか。律のチームには女児が多かった。
缶蹴りの缶になるものを探す。廃校なのでゴミ以外にも誰かの忘れ物がそれなりにあった。
『律お兄ちゃんこれは〜?』
女児がにこやかに抱えて来た物は。
「…それは理科室に返しておこうか。勉強道具だし。」
苦笑する律。女児は骨格標本の頭蓋骨を持っていた。
それを踏みつけるのも蹴り飛ばすのも、あまりいい気はしない。
(昔の標本って本物を使ってるって聞いたことあるし…)
想像してゾクッとする律。
自分の腕をさすりながら窓の外を見れば、夕焼け空だった。
(妙だな……来たのは昼過ぎだったのに……)
もう夕方だなんて。と律は首を傾げ、まさか空間が歪んでたりするのだろうかと不安になった。
『律お兄ちゃん。缶あったよ。』
服を引かれ顔を向ける。見上げてくる女児は可愛げのある笑顔だが、その真っ暗な目を見た律は、少し寒気がした。





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モブサイコ100




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