話題:妄想を語ろう
ダイヤモンド
その輝く存在を失った部屋にいつもの静寂が訪れる
「‥静かになりましたね。 まだ眠くないですか?」
「うん、ゲームしたら興奮しちゃって‥私まだ起きている」
ベッドを抜け出し
窓辺に座る
満天の星は煌めき
息を飲む程美しい
「綺麗‥」
「此処には空を邪魔する物は無いから星が良く見えますよ」
「ルチル‥眠らなくていいの?」
「ええ。私も何だか眠れなくて‥貴方に付き合いますよ」
隣に腰かけるルチル
胸がざわめく理由
‥貴方には、内緒
「それにしても、あそこまで貴方に懐くとは思いませんでした。ダイヤモンドは元々人懐っこいタイプではありますが‥貴方の世界ではどの様な付き合いを?」
ダイヤモンドの態度
親密な、親愛の。
先程のダイヤモンドのキュートな様子を思い浮かべる
「ダイヤモンドは、結婚の証として最愛の人に贈られていました。」
「その‥証となるのはダイヤモンドだけですか?」
「誕生石や思い入れのある宝石とか‥愛する人と考える証です。ダイヤモンドが多く使われたのは、不変性や丈夫さで‥身に着けるのは指輪が多いかな」
「指輪‥成程だからしきりに貴方の指ばかり握っていたのですね」
『僕凄く懐かしい!』
素直に輝く
ダイヤモンドの笑顔
「はい‥結構ずっと手を握られていました」
「ダイヤモンドが‥愛の証」
俯くルチル
「眠い?寝ても良いよ」
ルチルの肩に手を置き
ゆらゆら揺らす
「私〈にんげん〉の柔らかさ‥好きです」
ルチルの身体が
〈にんげん〉に覆い被さり スルリと抱き締めたまま倒れ込む
「ルチ、うわ‥」
床の冷たい感覚
眠気が酷くて倒れ込んだのかと思った‥その瞳は
憂いを帯びながら
此方を見つめる
「ル、チル?」
「貴方、鈍感って言われませんか?」
「え」
「あぁーもう言いませんよ。それにしても貴方は柔らかいです‥抱き枕にしたい位ですよ」
「も、もうされてますよね。この状況」
ルチルの足に挟まれグッと抱き締められる〈にんげん〉
「‥ルチル‥何だろ怒っています、か?」
「おやすみなさい」
抱き枕にされたまま眠る深夜