19/01/03 23:17 (:単発/妄想(ジャンル無節操))
  鶴見中尉と。3
話題:妄想を語ろう
街 カフェー


店の中を

華やかな女達が
笑顔を振りまく


奥まった席は

小さな部屋の様になっていて其処ではチップ欲しさに

過剰なサービスをする女給もいるという

「‥私の席に着いてくれないか」


他の客を
相手にしていた女


声を掛け

振り返った姿を見て 思わず息を飲む


(う、美しい‥)


普段 化粧気の無い女だが‥


素朴な女性が
ここまで変わるとは

「鯉登様‥!」

小声で女が呼ぶ


「‥ですから、お席でお待ち下さいと」

「あっ、済まない」

見惚れている間に
返事があった様だ


今、私が居る奥の席
隣も斜め後ろの席も

客がチップを渡し

それぞれ
色が濃くなる


「お待たせしました」


梅の香

女の襟足から香る


無意識に
身体が強張る鯉登


「どうされたのですか」


軍服で来たら当然目立つので普段着


其処までして此処に来る理由


「‥これを」


テーブルの上に大金

他のテーブルに着いていた 女給達がざわめく

暫く自由に
生きられる程の金


「これで鶴見中尉殿から離れて欲しい」

鶴見中尉殿を金づるとみているなら‥


これで切れる筈


だが、反応しない女

「お金ではないのです‥鯉登様」


鯉登少尉の手を握る女


同時に


「ん〜‥鯉登少尉‥こんなに大金を積んで彼女とナニをしたいんだね!?」


「ッ〜〜つ!?」


二人が腰掛けるソファーの背もたれから顔を覗かせる


鶴見中尉


「あぁ驚いた!今日はお忙しいと聞いていましたから‥」


「丁度通りかかった所でな。鯉登少尉が此処に入ったから来てみた」


笑顔の二人と

震える鯉登少尉


(確実に鶴見中尉殿に叱られる‥!!)


帰りたくても帰れず
鶴見中尉に引き留められ


軽食を御一緒する


(あの女は)


鶴見中尉殿とカフェーの女給である

あの二人の利害関係は不明だが‥

少なくとも


鶴見中尉殿が
入れ込む芯の強さがある


金を拒否した時の

(意志の強さ‥)
正直 目がくらむ程の大金を出せば


簡単に去るものだと思っていた
「鯉登様も如何ですか」


つまみを差し出す女
ひとつ口にして

女の顔を見る


あどけなさと強かさ
その全てを包み込む
優しい微笑み


(‥いや、私は!!)


絶対に鶴見中尉殿を
お守りする!


その鯉登少尉の
意志に反し


疼く手の柔らかさ

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