20/02/11 20:36 (:貝木泥舟)
  不毛な会話830〈魔界篇〉
話題:妄想を語ろう

女の手が触れる

カルエゴの頬に 触れる

女の肌に牙を突き立てる為
抱き締めた手が固まる

「‥ッ!?」

ススス、頬から首筋へ女の指が這う

こんな状態にいても噛み付きたくなる
匂い

カルエゴの襟に引っ掛かる指先

艶かしい その爪 その肌

ただ口を開け頷くだけで食せる、
その距離

しかし、そうしないのは

否、そう出来ないのは。

相変わらず微笑んだままの女の

隙だらけの無防備で

(悪魔の私からすれば赤子の様な‥!)

人間、まるで無力な彼女は。

(‥違う、目が)

カルエゴの襟に引っ掛かる右手

身体はカルエゴに委ねられているのに

女の瞳の奥だけは

(‥どうも苦手だ)

カルエゴの瞳の奥
その背後を見る女の目

「しかし違う。これは彼女ではない」

抱えたまま宣言するカルエゴ



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