話題:妄想を語ろう
頭の中 耳鳴りの様に響く、音
霞がかった頭のまま
目を開ける。
目を開ける?私は何で、眠いのに‥
「おい、お‥」
煩い 眉根を寄せ向こうに行ってよ
不快感を露にした途端
額に衝撃
(いたっ‥誰、なんなの)
「おい○○!しっかりしろ」
私の名前を呼ぶ 貴方は
「うん‥何かあったのか?」
カルエゴが振り返り彼女に問う
「いいえ。何も‥それより少し疲れたので」
「それなら部屋で休むといい。先輩‥オペラさんには私から伝えておく」
オペラが居ない間の悶着を伝える
部屋の前で一礼し
去る直前に言葉を掛けるカルエゴ
「もうひとりの貴方なら」
女は首を傾げる
「‥いや。私も少し休みます、ごゆっくり」
カルエゴの言葉が遠退く
目眩の感覚に震えながら扉を閉める
ベッドの誘惑
天蓋からレースの波
幾重にも交わる模様に
目眩は一層酷くなる
「あぁ‥気持ち悪い」
脳がぐるぐる 掴む藁すら無い
シーツに沈み込む身体
ヒヤリとした肌感覚に、僅か救われる
やだ、またあの男の声
訳の分からない事を呟く
「寝ても良いが意識だけ此方に寄越せ」
いやだ傲慢だわ。
ああ、もう‥寝てやる